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第四節:当主の裏事情。

今回は、ギュラの黒い部分が出てきます。

ギュラファンの方、ごめんなさい。ちょっと性格変わってるかも(笑)

 暫く沈黙が続いたが、お茶のご用意を致しますのでどうぞこちらへ。と、スペードの勧めにより、客間に移動する事にした。

 薄暗くなり始めた屋敷の廊下をスペードの先導で移動し、決して広いとは言い切れない客間に入室する。

 皆それぞれ、部屋の中央辺りに置かれているソファーに腰掛けていく。私が腰掛けた左右に、アイリとロゼが。向かい合う様にアビスが。

 暫くすると、銀のお盆に紅茶を載せたスペードが現れ、一人一人にお盆を差し出し、お好みに合わせて、蜂蜜、ミルク、レモンをどうぞ。と、紅茶を勧め始める。

 ふむ。この香りは、レモンバーベナティーでしょうか?流石は、スペードですねぇ。先程までバタバタしていましたし、心を落ち着かせる為にも丁度いいチョイスと言えますね。

 私は、お茶が行き渡ったのを確認すると、静かに恐縮しているアビスに問いかけた。


 「際ほど言っていたリュードと言うのは、リュード・ミュラージュの事でしょうか?」

 

 私の遠慮しがちな問いに、はいっと元気に返事を返してくる、アビス。

 しかし、私の態度や周りの静けさをどうやら悪い方向に取ったらしく、はっとした顔になったかと思うと、口を両手で押さえ。


 「も、もしかしてもうお亡くなりになられてっ!わ、私そうとも知らずっ」


 驚愕し真っ赤になったかと思うと、一気に青くなり、申し訳ありませんっ!と頭を下げてくる。

 あはは……どうやら、早合点したようですねぇ。


 「落ち着いてください、アビスさん。私の父は、ちゃんと生きてますよ……多分」


 私が、苦笑いを浮かべてそう言うと、アビスは、えっ?と私を見て固まり、顔を真っ赤にしたかと思うと、顔を手で覆い隠し、またやっちゃた。私ってば、私ってばと、遂には呪文めいた言葉を囁きながら塞ぎ込んでしまった。あー。なんと言うか、忙しい方ですね。

 それを見たアイリは、あははははっと豪快に笑い出し、ロゼは俯き堪える様に肩を震わせた。

 私は、そんな二人を一瞥し、苦笑で紅茶に口をつけた。

 ……しかし、父の名が出るとは。



 リュード・ミュラージュ、ギュラードの父であり先代当主。様々な国の神秘に精通し、様々な効用を持つ霊薬・魔薬・魔導具を作り出し、自分にしか扱えぬ魔法まで作り出したとされ、世界からは『歩く神秘』と大げさな物から、『歩く参考書』などと言う皮肉が込められた二つ名が与えられた。

 世界でも上位に位置していたリュードだったが、「本で得る知識と実際に経験で得る知識は違う」と言い残し、当時10歳だったギュラードに当主の証たる宝剣『フロックス』『クリスタロス』託し、ギュラードの母と共に謎の失踪を遂げた。

 

 と、ここまでが世間一般的に言われている事です。はっきり言いましょう。真実は、遠く離れた内容になっています。

 真実は、私が10歳になった翌日の事。行き成り私の部屋を訪ねてきた父は、これ、10歳の誕生日プレゼントな。と、何かを投げて寄越した。

 渡された物をよくよく見てみれば、それぞれ柄の部分に菱形の宝石が輝く二振りの剣であることが見て取れた。

 当家の証たる証『フロックス』と、その妻が持つ事を許される『クリスタロス』、それを手放すと言う事は──

 私は、どう言う事だ?と、父を睨みつけるが気にする事無くとんでもない事を言い出した。


 ──いやなぁ。ギュシカと新婚旅行、行ってなかったから行こうと思ってなぁ。ほら、いろいろ世話なってるし。と言う訳で家の事、頼まぁ。


 父は、なんか照れるな、こういうの。と、全く照れた様子も無く頭を掻きながらそう呟くと、呆然としている私に目もくれず、窓に足を掛け外に飛び出して行った。

 慌てて、窓から身を乗り出すと、飛龍に跨り遠ざかって行く父と母の姿。

 一度、大きく旋回し屋敷の近くを通る瞬間。細かい事はスペードに言ってありますから、安心してねぇ。とエコーを残して母が手を振っていた。


 これが、世界の上位に魔術師失踪の真実です。因みに分かっていると思いますがジュシカと言うのは、私の母上の事です。

 いやぁ、あの後は苦労しましたよ。父や母でないとこなせない依頼があると丁重にお断りし、どうにかこなせそうな物は私とスペード達でこなし、失踪について聞かれれば根も葉もない事を言って聞かせ、何故か父から送られてくる見覚えの無い請求書の精算しました。

 しかし、何なんでしょうか最後の請求書は。当時10歳でありながら、ここまでこなせたのが奇跡的だと言うのに、そんな私に対して。


 ──クックハハハハハハハハハハッ。モウ、ナメテルトシカイイヨウガナイデスネ。



 「な、なあ。ギュラ?」


 アイリの問い掛けに我に返り、隣でソファーに腰掛けているアイリに目を向けると盛大に顔を引き攣らせていた。いや、アイリだけではない。ロゼもアビスに至っては、唯でさえ小さなソファーの隅でガタガタ震えている。


 「? どうかなさいましたか?」


 アイリ達のそんな状況に疑問を感じ問いかけるが、ど、どうしたって言われても、なぁ。私に振るなっ!と、やたら動揺するアイリとロゼ。

 仕方なく隣に控えているスペードに聞いてみる。気のせいか、さっきいた立ち位置より離れている気がすんですが。

 

 「何があったんですか?」


 「マスターがとてもニコヤカに微笑んでいらっしゃったので、皆様動揺していらっしゃるだけだと思われます」


 何故、そこで目をそむけるんですか?


 「と、取り合えず、アビス。リュードは、故あって不在なのだ。用件は、ギュラードに言うがいい」


 その場の空気を濁すように、ロゼがそうアビスの語り掛ける。何か釈然としないのですが……

 リュードがいないと聞いて、落胆した様子を見せていたが、用件を聞いてもらえると聞き安心したのか、ゆっくりと語り始めた。違う何かに安心している気がしないでもありませんが。

 

 「ありがとうございます。ここを伺った用件と言うのは……何者からか村を救ってほしいと言う事なのです」


 

 

この話で、初戦闘が書ける所までいけると思ってたんですが、いけませんでした(汗)初挑戦の戦闘なので、是非書いてみたいですっ!

そしてきっと、自分の文学の無さに嘆くんだろうと思う私(泣)


では、評価、感想よろしくお願いしますっ!

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