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アメリカで猫と暮らす  作者: 真白タミィ
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第2話 かかりつけの獣医にて

第2話 かかりつけの獣医にて


 太ったオス猫は腎臓病になりやすいという。心配だったので、ある日かかりつけの獣医に相談し、肥満度を見てもらった。

 

 最初は8キロのグレータビーコタローの方だ。 信じられないことだが初めて見た時にあまりにも小さかったのでコタロウと名付けたのだ。小さな小さな小太郎ちゃんはいつのまにか大太郎になっていた。

 

 「あら!体重は重いけど、太ってるわけではないわ」

 「そういうことがあるのですか?」

 「イエス!!コーティアロゥ~(コタロウと発音できない)は頭が大きいでしょう?大きい猫なのよ、このお腹の皮もね(タプンタプンの皮をムギュッと引っ張る)イッツオーケーよ。ノーマルよ」


 おとなしいコーティアロゥはいじくり回されてお尻に体温計をプスッと突っ込まれた。

 

 抜かれて数秒して、やっと振り返って「ん?なんだった?」とおしりを見た。 この猫はいつもこういう感じでのんびりしている。 

 

 良く言えば大物、違う言い方だと天然だ。 親猫バカではなく、客観的に見てもきれいな顔をしていると思う。 残念なのはオツムなのだった。

 

 問題は茶トラのチャチャマルだ。 人間界で言うところの問題児。 大暴れのジャイアンなのだ。家の外に配達のトラックが近づいただけで、トラのように唸る。知らない人にはもれなく最凶の威嚇をする。 ただし家族にはべったりで誰かが泣くと飛んできて慰めてくれたりもする。人情派だ。

 

 ワルの限りを繰り返していた家無しの不良が暖かい家を見つけ更生したけれど、本性が時々現れる、という感じか?


 「OK コーティアロゥはパーフェクトよ~今度はChachaね~~」

さすがにチャチャの発音はうまかった。そして猫の扱いもうまいのだ。


友達のように話しかけながらあちこち素早く触っていく。元不良は「シャー」する間もなく、こねくり回されている。そして真顔で


「He is fatでぶね」 と言い放った。

 

 ガーンという顔のチャチャのお尻にすごい速さで体温計を突っ込んだ。 

 

 先生、それコーティアローのおしりの後、消毒してないよね? まあ兄弟だし、お互い舐め合うようなところなのでいいのかな?いいのか?

 

 そしてまたチャチャに「ファーット」という。 「ま、私もだけどね、がははは」とお腹をボンボンと叩きながら笑った。チャチャはドクターを見上げて「そうだね」というようににゃ~んと鳴いた。いつものシャーではなく。


 ちょっとルーズで乱暴な先生だけど、私たちも猫達もこの天真爛漫な明るさが好きなのかもしれない。


 動物の医者も人間の医者も技術や経験が大事かもしれないが、性格や話し方、接し方はとても大事だ。患者が「この人なら」とまかせられる人柄を持っている人が名医だと思っている。


体温計を消毒しない名医だが、この獣医が近くにあるので安心している。



挿絵(By みてみん)

 


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