↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アメリカで猫と暮らす  作者: 真白タミィ
PR
22/34

夫は最下位の奴隷


(おとうたん)こと夫はずっと猫の奴隷だ。


 夫は空軍の軍曹で病院勤めで、ずっと朝早い仕事だった。それなのに夜はにゃんずのいたずらでよく起こされていた。チャチャの(ランプのオンオフ、オンオフ)それからコタローの(ミラードラム)それから一番ひどいのが2匹でベッドの下の部分を引っ掻きながらグルッグル回る遊び。何周もする。

なにがおもしろいのか、全然わからない。 これが始まると爪の引っかかる『バリッガリッ』と嫌な音とともにベッドが揺れる。


 夫は「やめて~!」とよく怒っていた。一度足でベッドマットレスをバンと叩いたので鬼嫁の私にものすごく怒られた。


 「あんなに小さいのに(大きいけど)ベッドに足を挟んだらどうするの! なにもわからないで遊んでいるんだから!(いや、絶対わかってると思うけど)謝って!!」


”I'm sorry ”と言いつつ寝直すのだった。 かわいそうな夫。


 朝は朝で歯を磨いている時に「お前の手で水を飲ませろ」怪獣がやってくる。

チャチャだ。


人間の手をコップにして飲む水が大好きで手の大きなおとうたんは一番人気があった。

 

「まだあ~? 遅刻する~」とバスルームからよく声が聞こえた。だったらさっさと『終わり!』とやめればいいのに、それができない。


 ねこが赤ちゃんの頃から見慣れているのは(カモフラージュ)と呼ばれる軍服で、ブーツを最後に履くのだが、このブーツの紐で遊ぶのが大好きだった。


 ぐいっと引っ張って靴紐を結ぶ夫。 


 飛びついて紐を緩めるにゃんず。


 「や~めて、や~めて~~」変なイントネーションで言っていた。もっと威厳を持ってNO!と言えばいいのに、優しい夫はそれができない。笑っちゃ悪いけど笑ってしまう。 

 

 動物病院に連れて行く時はよく軍服のまま家に帰ってきていた。ランチタイムに連れて行くことが多かった。先程書いた軍のブーツは履くのがとても大変で、できたら脱ぎたくない。そんな時はブーツを履いた上から足にスーパーの袋をかぶせて足首でギュッと結んでいた。


全身カモフラージュ。


でも足はスーパーの袋。 


歩くたびにガッサガサ音がする。


ものすごく怪しい。


 案の定、何か変だと悟ったチャチャは逃げていく。2階の大きなベッドの下に隠れるともう手が届かない。

猫の視線から見えるのは歩く白いスーパーの袋。 がさがさ、がさがさ言わせながら「チャチャ~出てきて~」


 そんなん、絶対に出てこないよ。


 がさがさスーパー男は今度は両手に猫じゃらしを持ってきた。どんどん変な人になっているのを本人は全く気がついていない。


 ベッドの右側から「チャチャ~」じゃらしをふりふり覗き込む。 左に逃げるチャチャ。

左側にがさがさ回る夫。 すぐに右側に逃げるチャチャ。


 これがいつも延々と続いていた。最後は結局ものすごく重いマットレスをガバーッと持ち上げて、そのスキに私が引っ張り出していた。


 「まさか、この靴怖いのかな?」とがさがさ男はやっと気がついた。


「怖いに決まってるじゃない!ガッサガサ音もするのに。わからなかったの?」


「……うん」


しょげかえったおとうたん。


 猫に対していつもどこか抜けている夫なのだ。 すごく愛情を持っているのに、いつも空回りしてしまうという。


今日も猫が眠い時に限って「かわいいね~」としつこく撫でて怒られていた。

 

 犬は家族の中で一番偉い人から順位をつけるという。 もし猫もそうならば、完全に最下位のおとうたんなのであった。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

これがチャチャのオンオフ攻撃です。最下位の奴隷は弱ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=272174948&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。