第六話 友達とは
しかーし!楽しみとは早いものであり、ある日。俺達生徒会は今、とても苦労していた。
その苦労を作った張本人は馬鹿真面目な生徒会長さんだ。あいつは学校のあらゆる場所にお助けポスト?的な何かを設置して生徒の助けになろうという考えらしい。いつの時代の小学校だよ?そんなことやっている学校なんて相当な田舎の分校ぐらいだろう?もしかしたら俺より馬鹿なのかもしれない。
でもなんで苦労しているかって?それはお助けポストがアンチポストに豹変したからだ。
ポストに入っていた内容の七割は――【生徒会は馬鹿しかいない】だった。いい加減気付こうよ、生徒会長さん。俺達は馬鹿にされているんだよ!
残りの三割は何かというと俺がいたずらをした時の被害者達の呪いのメッセージだった。
ていうかそんなことやっている暇あるなら勉強とか部活に励もうよ。俺だって別に個人を特定してイタズラしたわけじゃないんだし。
しかし一つだけ超純粋な悩みの手紙が入っていた。
その内容は――【友達と上手くいかないんですけどどうすればいいですか?】
「放置!」
「辻……流石にそれはダメだろ」
「でもこんなのに構ってるくらいならゲームするー」
「あ、俺もゲームしたい」
「ダメでしょ!これが解決するまでゲーム機没収!」
「柊の鬼!悪魔!あとえーっと馬鹿真面目!」
「なんとでも言いなさい。ただ解決しないとゲームは帰ってこないわよ?」
「ちっ」
結局手紙の差し出し主を後日、呼び出すことになった。
「えーっとまず事件はどういう経緯で起こったのか教えてくれますか?」
俺は刑事ドラマで出てきそうなダンディーな声で聞いた。これは雰囲気作りで特に意味は無いんだけどね。
「峰岸君、馬鹿っぽいから止めなさい!」
「私もやるー」
「辻も乗らんでいい!」
「うーい」
差し出し主の話を聞くと友達と言い合いになって嫌がらせをされているらしい。
具体的にはクラスメイトに陰口を言われているらしい。俺なんて言い合いにならなくてもディスられてるぞ?でもこういうのってなんか生徒会っぽい!
「あ、そういえば滝川先輩は?」
「フッフッフ……滝川君は今、あの子のクラスメイトがどんな陰口を言っているのか聞き込みに行ってもらっている。あと数分もすれば帰ってくるだろう。どう?今の刑事っぽくない?」
「またかよ!でもカッコいいから俺もやる!」
「カッコよくないし、峰岸君はしなくていいの!」
「えーなんで俺だけなのー?」
「いいから!」
「警部!今、戻りましたっ!」
「で、どうだったんだ?」
「そんな陰口は無いと言っていました!」
「えっ?それってどういうことなの!?」
「そ、それは――失礼しました!」
そして手紙の差し出し主は走ってどこかに行ってしまった。
「いったい何だったんだ……」
「多分この生徒会にイタズラ目的であの手紙を入れたんだと思うぞ」
「私達に何の恨みがあるのよ!」
「恨みって言うか私達がバカだから冷やかされているんじゃない?」
「なぁ馬鹿にされない為にも今度のテストに向けて生徒会で勉強会しないか?」
「そ、そうね」