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『バカ』な彼と真面目な彼女の生徒会!  作者: 丈槍 京
第一章 全ての『バカ』
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第四話 妹の力

 家に帰ると妹がテレビを見て笑っていた。

 俺は妹と二人で暮らしている。何故二人かというと、親が海外に単身赴任しているからだ。その為、年に数回しか家にいないのだ。

 俺の妹は中学二年生――名前は峰岸 双葉。世界一可愛い!(シスコンじゃないぞ!?)

 シスコンな俺は……じゃなくて妹を愛している俺は双葉と俺の予定が空いている日によく二人っきりでショッピング……じゃなくて兄妹デートに出かけているのだ。

俺には予定なんてものは無いけど。ぼっちだからしょうがないよな、ちくしょー!

 そして今週の休日も双葉の予定が空いていた為、兄妹デートをすることになったのだ。

そして兄妹デート当日。最初は双葉が行きたいという最近できた服屋に行くことになった。

最近できたからなのかわからないが外見からおしゃれでとりあえず高そうだった。中は女性客ばかりで見渡す限り男性客は俺一人だと思う。こういう情報はどこから仕入れているのだろう。女子中学生が来るような店には見えない。精々高校生くらいじゃないと手が出せない値段だったし。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん!双葉欲しい服があるんだけど今、お小遣いが足りなくて買えないからお兄ちゃんに買ってほしいな」

「買ってやる!何でも好きなものを選んでいいぞ!そして更に美人さんになるんだっ!!」

「ホント!?やっぱりお兄ちゃん優しい!だーいすき!!」


 フハハハ笑いが止まらない!俺は世界一の幸せ者だ。

双葉の可愛さで萌え死にそうだぜ!やっぱり人生で一度は生きていてよかったって思う日は存在するんだな。俺のラブコメヒロインは妹で決定!

 数時間ほど服を選んで三着ほど買うと双葉は満足そうな顔をしていた。

 その後、俺達は近くの映画館で映画を見に行くことになった。

「お兄ちゃんはどんな映画が見たい?」

「お兄ちゃんは双葉のみたいのだったら何でもいいぞー」

「そっかーじゃあ恋愛ものは?」

な、なに!?恋愛ものだとっ!?これはフラグが立ったと言っても過言ではない!妹と二人で恋愛もの、これは最高の展開だ!

なんて言っても恋愛ものの映画を見た後に男女がいちゃいちゃするのはお約束!

 そして最後は――いやいや、俺と双葉はそういう関係じゃない!

たしかに俺は双葉のことは大好きだが兄と妹。兄妹であり決していやらしい関係ではないのだ!!俺は高鳴る鼓動を抑え賢者モードに心を静めた。

 映画はポップコーンを食べようと手を伸ばしたら双葉と手が当たるという胸キュンなハプニングがあって俺は映画の内容より双葉に意識が回ってしまった。多分映画はあんまり面白くなかったぽいからいいけど。途中で双葉、寝ていたし。

 とはいえ中は男女のカップルで埋まっていた。多分、どれだけ内容が微妙でも彼氏とか彼女とならなんだっていいのだろう。

 俺達は映画を見た後に喫茶店に立ち寄ることになった。

双葉は高そうなパフェをもの欲しそうに見つめていた。

「ちょっと双葉さん?パフェなんかよりお兄ちゃんを見つめてくれませんか?」

「……」

「しょ、しょうがないな!今日はお兄ちゃんが全部おごってやるから好きなのを選べぇ!」

 すると双葉は満面の笑みで俺を見つめてきた。よし、作戦成功。ミッションコンプリート。


 俺って勝ち組だぁ!バカにもやっぱりアドレナリンは必要だよね!

双葉のアドレナリンは最低でも一週間は効果が続くぞ。まぁ俺専用だけど!


俺が空想を広げている間に双葉は一番高いパフェを頼んでいた。

そんなの双葉の笑顔の為なら安いものだぜ!でもやっぱり双葉に彼氏ができないか心配だ

な。俺の計算で双葉のステータスを数値化したらオールカンストするぐらいだから。

 そして俺達は一時間ほど学校のことや、たわいもない世間話をして俺は財布から残り少ない金で支払った。別にコレと言って欲しいものも無いし双葉の為に使うのが兄として一番だな。

「どうする?他に行きたい場所とかあるか?」

「うーん。特には無いかなー?課題も残っているから早めに帰らないといけないし」

「それじゃあ家に帰ったらお兄ちゃんが勉強を教えてやる!一時間もかからずに終わると思うぞ!」

「いや、お兄ちゃんって馬鹿だし教えに来ても教えられていないからただ邪魔なだけだから一人でやるより余計時間かかるよ」

「そ、そんなことないだろ!俺だって高二なんだから中二の問題くらい教えられる?」

「なんで疑問文になっているの?ホントにお兄ちゃんよく高校受かったね……」


 しかし家に帰って双葉の勉強を見たが何が書いてあるか全くわからなかった。高校の異世界文字に比べればまだマシだけど。


 翌日。俺は今日も朝早くから生徒会室に向かった。

「おーっす」

だらだらと俺は生徒会室に入ると――

「ねぇ?峰岸君に彼女っているの?」

 俺は柊からいきなり意味深な事を言われた気がした。冗談半分で双葉ルートの他に柊ルートも始まったか?などと思った。ていうか生徒会室に入ってきたらいきなり彼女いるか?って聞くとか頭おかしいんじゃないのか?せめて前置きは欲しかった。

「いないけど、どうかした?もしや俺に惚れたか?」

「は?そんなわけないでしょ」

「あ、師匠振られた」

「振られてねーよ!まず告ってすらないだろ!!で、柊はなんでそんなことを唐突に聞くんだ?」

「昨日、道で女子と二人っきりでデートしていたのを見かけたからよ」

「それ、俺の妹だぞ」

「もしかして師匠ってシスコン?」

「俺の妹は超美人さんで兄として大好きだけど別にシスコンじゃないし!」

 急に二人の目が冷たくなった。

「峰岸君……それシスコン」


えっ……


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