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『バカ』な彼と真面目な彼女の生徒会!  作者: 丈槍 京
第一章 全ての『バカ』
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第二話 校内パトロール

午後の授業はあと五分ほどで始まる為、教室を移動した。昼飯があんまり食べれていなかったからサボってもよかったんだけど今日から生徒会役員だしサボりづらかった為、授業に出ることにした。

 でも俺って授業に出てもほとんど寝ているんだよな。高校の授業とか難しくて理解不能だし……異世界の言葉で話されている感じだよ?

そんな俺は午後の授業も右から左へと流していた。俺さっき不良じゃないって言っていたけど改めて自分の行動を思い返すと十分不良かな?

 あとこのクラスってぎくしゃくして空気が死んでいるから寝心地が悪くて辛い。明るく見せようとするやつもいるけど逆に浮いて、より空気が死ぬから怖いよ。これは有名な大企業の空気清浄機でも清浄出来なさそう。しかもリーダーみたいなやつがイキるしリーダーの取り巻きが便乗するかリーダーかぶれが余計調子乗るんだよ。うちのクラスカースト怖いよ。俺、ランク外でよかった。

 ホームルームも終わり俺は生徒会室に向かっていた。

 しかし俺は今、重大な心配事がある。

それは、他の生徒会役員に俺がウェルカムされるかどうかだ。

 馬鹿と言われている俺は有名だと思うよ??

なんて言ってもこの高校に入学して計十四回も放送で呼び出されたんだからな。このまま行けばこの高校の歴史に名を残すぞ。黒歴史としてな。


 ていうかここの教師共はデリカシーの欠片も無いのか?計十四回も校内放送で名前を呼ばれた俺の気持ちにもなって欲しいものだぜ。

おかげで俺の名前、峰岸 大和が教師の名前と勘違いされていたことも多々あったんだぞ。ほら教師ってよく校内放送で呼び出されているだろ?

生徒会長である柊にバレている時点で俺のことが知られているのはほぼ確定。馬鹿な俺が生徒会という頭のよさそうな人たちが入るところに入れてもらえるとは思えない。

 俺は生徒会室に着くと、不安を過らせながらもゆっくりと扉を開くと中には柊と生徒会役員らしき人物が二人いた。

 一人は何故か寝ていてもう一人はお茶をこぼしてしまったようでこぼしたお茶を拭いている。生徒会とは思えないカオスな状況につい苦笑いしてしまった。

 柊の話によると二人とも俺のことは知らないらしい。

寝ているのは柊と同じクラスの辻 明日香――書記。

お茶をこぼしていたのが3年2組の滝川 秋――生徒会副会長。柊曰く天然らしい……

さっき自分で自分のことを有名とか言っていたのに生徒会役員にすら知られてないって恥ずかしい!穴があったら入りたいぜ……あの痛々しい発言は撤回できるなら即撤回したいね。

「……俺はこの状況で何をすればいいんだ?」

「まず峰岸君には私と校内パトロールでもしてもらおうかしら」

「急に校内パトロールって言われても具体性が無さ過ぎて謎なんだけど」

「そうねぇ困っている生徒を助けたりまだ学校に残っている生徒に早く帰るように呼びかけるとかかしら?」

 俺は柊に腕を引っ張られながら生徒会室を後にした。

このメンバーで生徒会を運営できたのか?どう考えてもまともに仕事をやっているのは柊だけに見えるが。寝ている奴も居たし。


 校内パトロールと言ってもほとんど散歩で生徒会に入ったという実感がなかった。俺は学校って平和なんだなって改めて思う。生徒会はラノベとかだともっとカッコいいイメージがあったんだけど現実はそうでもないらしい。

 俺は道行く生徒に生徒会役員っぽく話しかけたが、指を指されくすくすと笑われた。俺が生徒会役員だったらそんなにおかしいかよ!

「本当にこんな感じでいいのか?」

「何か不満でも?」

「不満って言うか生徒会の活動って感じがしなくて……普段からこういうことやっているの?」

「そうね、あとはボランティアで先生の為に仕事をしているわ」

 それだけ聞くとただ先生にこき使われているようにしか聞こえないんだけど……

いやいや、ここは生徒会だしもっと凄いことをやっているんだろう。でも凄いことってなんだ?生徒会は頭がよさそうな人が入る場所とは知っているけど他には活動とかあんまり知らないな。でも校内パトロールっていい散歩になるから健康にはよさそう。


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