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『バカ』な彼と真面目な彼女の生徒会!  作者: 丈槍 京
第二章 始まる『夏休み』
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第十話 バカと海―前編

夏祭りを無事に終えてだらだら夏休みを満喫していた俺だった。そんなある日。生徒会のみんなと辻が持っている別荘の島に行くことになったのだ。

辻って金持ちだったんだな。成績が悪くなければ完璧だったのに。

 しかも交通費を出してくれるだけでなく双葉もついて行っていいなんて気前がいい。


 俺は双葉と待ち合わせ場所に行った。

「お兄ちゃん!あの人たち?」

「そうそう。そういえば双葉はまだ辻と滝川先輩のことは知らなかったよな」

「二股はしちゃダメだよ!お兄ちゃんには夏美さんがいるんだから!」

「二股とかしないし柊とは付き合ってないって!!」

「朝まで一緒に寝たのに?」

「間違ってないけどあれは事故だろ!」


 やっぱり勘違いされている。でも客観的に見たら男女二人が同じ部屋で寝ていたらそうなるか……

「おーい!師匠?その子が双葉ちゃん?」

「そうだぞ。俺の愛しき妹だ!」

「峰岸 双葉。中学二年生です!兄がいつもお世話になっています」

「おーいい子だね。師匠とは大違いだな。私は辻 明日香!よろしくね」

「こちらこそよろしくお願いします。兄は馬鹿とか言われていますけど成績だけじゃなくて考えも馬鹿なんで迷惑かけていたら言ってやっていいですよ」

 ちょっと!めっちゃ馬鹿って言われているんですけど!?お兄ちゃん双葉になんかしましたか?馬鹿でも人生楽しければ何でもいいよね?

「みんなおまたせ!あ、双葉ちゃんだ、久しぶり!」

「お久しぶりです!この前は兄がお世話になりました」

「おーいい子だね!」

 なんだよ、俺だっていい子だろ?……いや、成績悪いし授業でも寝ているか受けないかの二択だからお世辞にもいい子とは言えないかな。自覚あるくらいだし。


 俺達は全員集まり辻の別荘に行きの電車に乗った。

「別荘ってどれくらいで着くんだ?」

「電車で三十分。自家用クルーザーで十五分ってとこだと思う」

 こいつ自家用クルーザーまで持っているのかよ。親はどんな仕事しているんだ?ブラックな仕事じゃないだろうな!?ここまで金持ちだと不安になる。きっと甘やかされて育ったんだろうなあいつの性格から察するに。俺の家なんて親が育児放棄しているようなものだからな!「生活費は毎月送るから大丈夫!」で海外に単身赴任って泣ける……

「峰岸君?双葉ちゃん、寝ちゃったみたいだよ?」

 何?これは双葉の寝顔を撮る大チャンス!!しかし俺が双葉の寝顔を撮るとシスコンと勘違いされてしまう。ここは引くしかないのか……

「あ、そういえばこの車両に俺達しかいないけどおかしくないか?もしやテロ?」

「騒げるようにお父さんがこの車両を貸し切ってくれたんだ」

「辻家の財力怖っ!お父さんってマジでなんの仕事しているんだ?」

「うちの高校の学園長だけど?」

 そりゃ金持ちだわ。あいつが馬鹿なのにこの高校に入れたのは学園長の力が動いたのかもしれないな。この高校って偏差値結構高いから疑惑が更に深まるな。

 辻のクルーザーがある港につくとスーツを着た六十代後半くらいの使用人らしき人が待っていた。

辻の自家用クルーザーは乗り心地がとてもよく流石金持ちと言えるような感じだった。

運転は辻家の使用人らしき人が運転をしていた。やっぱり金持ちに仕えている人は基本的に高スペックで万能なのだろう。こういうのって憧れるよね。


 島まで距離は結構あったがクルーザーが速くてすぐに辻の別荘に到達した。

別荘は二階建てで俺達の家より一回り二回りもでかい豪邸だった。俺はこの大きさに圧倒されて口が開いてしまった。なんて言っても別荘でこの大きさだからな、きっと実家はどっかの城みたいになっているんだろうな。

「ねぇねぇ!まず何して遊ぶ?」

「そうだな、やっぱり島に来たし海じゃないか?」

「よし!師匠泳ごう!」

「気が早いな!その前にもう昼だから昼食にしないか?」

「そうね。たしかにお腹が空いたわ」

 昼食は俺と柊で作ることになった。

「柊が料理出来るなんて何か意外だな」

「私は峰岸君が料理出来るほうが意外よ?普段は料理しているの?」

「親が単身赴任で小学校高学年くらいからずっと料理をしているからな。柊は?」

「私は趣味でやる程度かな」

「お兄ちゃん!夏美さんとの初めての共同作業だね!」

「いつの間に俺の真後ろに!?」

「双葉はいつでもお兄ちゃんの側にいるよ?」

 怖いよ!将来は忍者にでもなればいいんじゃないか?

でもやっぱり可愛いな!お兄ちゃんも双葉の側にずっといるよ!

「可愛いけど危ないからみんなのところで待っていろ。もうすぐ出来るから」

「はーい!」


 数分後、俺達は昼食を作ってみんなのところに持って行った。

「これ大和君達が作ったの!?」

「あんまり時間なかったからそんなに凄いのは作れないけど」

「十分凄いよ!馬鹿でも料理はできるんだね!」

「若干傷付いたけど置いといて。多分柊の方が多く作っていたからほとんど柊の料理になっているよ?」

「たしかに私の方が多いけど峰岸君の方が美味しいよ!」

「とにかく食べない?双葉、お腹空いたんだけど」

「悪かったな。じゃあさっさと食べて遊ぼうぜ!」

 俺達は昼飯を食べた後にプライベートビーチに行くことになった。

プライベートビーチだから当たり前なのだが人がいないという解放感で気分がいい。


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