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『バカ』な彼と真面目な彼女の生徒会!  作者: 丈槍 京
第一章 全ての『バカ』
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第一話 生徒会の始まり

 俺は生徒会室に呼び出されている。

なぜ呼び出されたかというと数分前のことだった――


 俺は馬鹿と呼ばれている為、誰にでも嫌われて冷やかされた。もちろん生徒だけではなく教師にも。「こいつバカだから近づくとバカが移るぞ!」的なことを言われている。

今現在、高校二年生になっても。

 そんな俺が一人、中庭でぼっち飯をしていると――


『――2年5組の峰岸 大和君。至急、生徒会室まで来てください』


 峰岸 大和とは俺のことだ。

俺は馬鹿と言われて嫌われているが別に不良でも何でもないただの高校二年生の為、呼び出しを食らった以上毎回説教されに行くのだ。意外に律儀じゃない?

 俺が何故説教を毎度受けさせられているかというと理由は沢山ある。

例えば、テストで赤点とったり、学校の廊下の一部分だけにワックスをかけてそこを通る生徒が毎回転ぶのを見て笑っていたとか。つまりイタズラ好きなのだ。(ワックス事件は流石に怒鳴られたよ)


 俺は愚痴りながらも生徒会室に向かった。

職員室に呼び出されることは多々あったが生徒会室に呼び出されるのは初めてで冷汗が出てくる。先生じゃないから罰とかは無いと思うけど。

 扉を開けると生徒会室には生徒会長の柊 夏美がいた。なんで名前を知っているかだって?

それはこの柊 夏美は馬鹿真面目な生徒会長と馬鹿にされているからだ。教室で寝ていても嫌というほど柊が叩かれている話が聞こえる。

俺は毎回その話題を聞くたびに「よくその話題が飽きないな」と思っている。この学校の生徒は生徒会長が大好きなんですね?好きな人にちょっかいをかけて欲を満たすなんて小学生レベルっす。

どうせ話すなら「峰岸君ってカッコいいよねー」とか「峰岸君って頭いいよねー」とかにしてくれよ。聞かされているほうのことも考えやがれ!おかげで全然寝れないんだよ!

「私は生徒会長をやっている2年1組の柊 夏美よ。いきなりだけど何故呼び出されたかわかる?」

 あー本当にいきなりですね。流石にビビりましたよ。少しくらい世間話から入るという思考は無かったのでしょうか?前置きなしだとコミュ障にはハードル高いですよ??

「赤点をとって授業をサボっているくせにイタズラして学校をパニックにしたから?」

「よくスラスラと言えるわね……どうしたらそんな不良みたいなことができるのかしら?成績が気にならないの?」

「いや、俺ってバカだから成績を気にしろとか言われても困るんだよね……成績なんて気にしたところでバカには変わりないし」

 俺は今までもこんな感じで説教をされてきた。大体は俺の言動に呆れて「今度からはしっかりやれよ」みたいなことを言って帰されている。

「はぁもう呆れた。峰岸君、あなたはもっと正しい生き方をするべきよ。私が生徒会長としてあなたを真人間に更生させるわ。その為にも生徒会に入りなさい!」

「え?あの……ついに頭がおかしくなっちゃったんですか?」

「何を言っているのかしら?言葉通りの意味よ。入るの?入らないの?」

 イレギュラーだった。やっぱりバカは常人とはアルゴリズムが違うのだろうか?

……ちょっと難しい言葉で語れて俺は内心、ドヤ顔でにやけている。ラノベのセリフであったから使っただけであんまり意味は分かってないんだけど。

生徒会に入ったら俺も頭よさそうに見えるかな。頭いいとなんだってカッコよく見えそうだし結果。リア充進出!?よし!生徒会に入ろう!

 俺はその後、教室に帰されて放課後にまた来いとのことだった。

 今更だけど生徒会って「入る」で入れるようなところでは無くないか?嫌な疑念が生まれたがそこは生徒会長権限か何かでやってくれるのだろう。あいつから言ってきたことなんだし。


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