帰り道
家に帰ろうと
車に乗る
毎日家に帰ることを考えると
すうっと涙が出てくる
家に帰っても
あなたが迎えてくれることはないのだと
思い出すから
掘りごたつに座って
顎を天板にのせて
ちょっと猫背に丸まっているあなたの姿を見ることはもうないのだと
思い出してしまうから
ああ
でも
でも
「母、ごめん。心配かけちゃったね。」
といいながら
背を丸めたあなたが家にいたら
と思わずにはいられない
空を見ても
道を歩いても
ご飯を食べても
なにをしていても
あなたを想いだしてしまう
あなたの名前を叫んで
泣き出してしまう
泣いても
何にもならないと分かっているけど
お姉ちゃんも
お兄ちゃんも
あなたと同じ大事な子ども
だから
頑張ろうと思うけれど
泣いているときだけが
あなたと一緒にいられる時間のような気がして
今日も
帰りの車の中で
あなたの名前を呼びながら
家に帰る
こうやって
泣きながら家に帰るのも
もうすぐ200日
ずっと
ずっと
泣いていたいのかもしれない
あなたの姿を心に描いて忘れないように
泣いていたいのかもしれない