絶対絶命!
楽しんでいってください!
時が経つのは早いもので、あの後なにも起こらないまま日が暮れる、夕暮れの時間となった。
部活を何事もなく終えた俺は、共に部活を終えた部員と共に校門までの道を歩いていた。
「今日も疲れたなー」
それは珍しく丈が真面目にやってたからな。
いつもはぐーたらしてるもんな。
それ、言えてる(笑)。
「うるせえ!俺だって本気出せばなあ…!」
それ、いつも言ってるもんな…。
「………う」
そんな他愛のない部活の話をしていると、あっという間に校門へと到着していた。
「あ、それじゃ俺はこっちだから」
校門まで四人グループで固まっていたが、3人とは帰る方角が違うため、俺は別の道へと歩みを進めた。
ああ、またなー。
通り魔出たらしいから気を付けろよー
まあ、丈を襲う物好きなんていないか(笑)
「余計なお世話だよッ!!」
下らない話を終え、俺は部員のメンバーと別れ、一人夜道へと駆け出した。
朝来たときの平凡な一本道は、夜には薄暗い不気味な道へと姿を変える。
俺も最初の方こそ怖かったが、慣れというのも怖いもので、今となっては気にせずそのまま歩けるようになった、はずだった。
「………」
だが、突然感じた不気味な雰囲気に俺は足を止めた。
いつもならしっかり点いているはずの電灯が、今日は点滅を繰り返していたり、さらにいつもなら二人や三人ほど人が通っているはずが、今日に限り人っ子いなかったのだ。
……まあ考えてみれば人通りが少ないのは、今朝やっていた通り魔のニュースが原因で、わざわざ暗い小道を通ろうという考えを持つ人が居なくなるのは普通のことだった。
何にしても早く帰ることに越した事はない。
俺は、薄暗い夜道を再び歩き始めた。
「………キキ」
「………!!」
だが、歩き始めてから1分もしないうちに、突然何者かの笑い声が耳に入り、俺は再び足を止めた。
最初は、鳥か何かの鳴き声かと思ったが、今のような鳴き声を聞いたことがなかったし、何より俺が聞いたのは、紛れもなく"狂気じみた笑い声"だったのだ。
……俺は、その"狂気じみた笑い声"という頭のなかで導きだした単語が、何処かで聞いたことがあるような気がし、思い出そうと試みた。
だが、その記憶は、案外簡単に思い出すことができた。
(……確か、今朝のニュースで報道していた、通り魔の特徴が"狂気じみた笑い声"…)
それを思い出した俺は、1つの結論に達してしまった。
それは、"俺は通り魔の近くにいて、そいつは俺を狙っている"というなんとも最悪なことだった。
その状況に、俺は襲われる前に逃げるしかない、と考えていた。
後ろを振り返っても、幸い人影はなく、こっそり後ろから近付いて…ということは出来なさそうだ。
さらに、ここから家まではほとんど一本道だっため、路地裏に隠れて襲いかかってくるということもなさそうだった。
(…通り魔がどこにいるのかわからねえけど、走って家までいけば何とかなりそうだ…)
そう考えていた俺は、準備のため、少し深呼吸をした。
少し肌寒い気温だというのに、俺の額には嫌な汗が伝っていた。
(…………)
今だ。
体、心の準備が出来た俺は、薄暗い夜道を全速力で駆けていった。
………だが。
「ニがスカ!」
走り出した瞬間、俺の目の前に笑い声の正体と思われる"何か"が落ちてきたのだ。
(……こいつ、いったいどこから…?)
隠れるような場所は無くはないが、そこから出てきた様子はなく、本当に"落ちてきた"という感じだったのだ。
(もしかして、空を…!?)
「………キキキキ」
だが、問題はどこから来たのか、という事ではなかったのだ。
「………!!」
笑い声をあげた、"何か"を目にした瞬間、俺は絶句した。
街灯に照らされ、出来た影が、人の形では無かったのだ。
顔も体も足も、全てがまるで翼竜である「プテラノドン」にそっくりだったのだ。
だが、俺はその姿を目の当たりにしても尚、そんな怪物が町中を歩いていたら目立つのではないかということを考え始めたのだ。
「……ミえるノカー!!」
だが、怪物はそんな余裕すらも与えさせてくれず、よくわからない叫び声をあげながら俺に飛びかかってきたのだ。
「……うわ!?」
間一髪で俺は、その攻撃をかわしたものの、そのままコンクリートに倒れこんでしまった。
「ホンとウにミエる……カ。ヨウやク、サガシもノがミツかっタ…!」
またよくわからないことを言いながら、怪物は俺のほうを向き、牙を出しながらこちらに迫ってきた。
(…に、逃げねえと…!)
そう思った俺だったが、恐怖ゆえか足がすくんで立つことが出来ず、その場から動けなかった。
「……イタだキ……まース!!!」
そんな俺に、怪物は容赦なく襲いかかってきたのだ。
(………!!)
絶体絶命。絶望的な状況に諦め、俺は死を決意した。
……だが。
―――バキッ―――
「ググッ!?」
誰かが、俺を守るようにして前に立ち、襲いかかってきた怪物を何かで突き飛ばしたのだ。
「………!お前は…!」
俺は、その命の恩人を見た瞬間驚きの表情へと変わったのだ。
「…危なかったわね。…確か、この星の名前が"水野丈"さん?」
なんとその人物は、今日、転校してきたばかりの神原レンだったのだ…。
ご視聴ありがとうございました!。本当に、次回こそLet's battleです!