転校生のご登場。
どうもです!。今回張り切ってしまったので文章がいつもより長めですが、ゆっくりとお楽しみください!
急いで家から出た俺は、家の前で体を伸ばし、リラックスしていた。
だが、今日は4月とは思えないほど風が冷たく、冬が戻ってきたと勘違いするような気温だったため、体を伸ばしていた俺は風が多く当たり、少し体が冷えてしまった。
俺はそんな冬のような気温の下、学校へと歩き始めた。
歩き始めて5分、俺はあることに気付き異変を感じた。
いつもなら家を出た辺りで起きるはずの謎の頭痛が、今日は起きてから今まで何故か頭に痛みを感じることは無かったのだ。
普通ならば体に痛みがなく、平常であることは喜ばしいことであるはずだが、頭痛が起こることが日常と考えていた俺は、日常が訪れないということに対し、違和感と一種の不気味さを感じていた。
そのような心情があったためか、早く日常を感じたいという思いから俺は、いつもならば学校へはゆっくり歩いていくのだが、このときは少し駆け足で学校へと向かった。
「………キキキキ…」
あまりに動揺していたためか、俺を凝視する怪しい影に気付くことはなかった。
走り始めてから10程度経っただろうか。俺は少し息を切らしながらもなんとか、学校の校門へ到着した。
俺が在校しているこの高校は、公立高校にはよくある自称"進学校"、また、校訓が文武両道と特筆すべき所がない、ごく普通の公立高校だ。
そのどっしりとした校舎はいつもならば見るだけでやる気が削がれ、溜め息が出てしまうものだが、先程までの非日常を体験してきた俺にとってはこれ以上にもなく安心できる場所であった。
登校中の足取りをそのままに、俺は下駄箱がある昇降口へと向かった。
昇降口で自分の中靴を履いた俺は、近くにあった階段を全速力で駆け上がった。
今、俺の学年である2学年の教室は、通常棟と呼ばれる教室が集中している棟の2階にあった。
2階に行くには、通常棟の東部、中央部、西武に存在する階段、そして昇降口から教室へ行くときは使わないが、特別棟と呼ばれる化学室や生物室、音楽室等がある棟の階段を上り、渡り廊下を使うという合計4つの方法がある。
俺は、その中で昇降口の近くにある中央部の階段を使っている。
理由としては昇降口から近いという理由もあるのだが、もう1つ。俺のクラスは2年B組なのだが、この中央部の階段を上り、すぐに左に行けばB組の教室があり、かなり近いためだ。
その最短ルートを通ったためか、昇降口に着いてから1分も経たずに俺は、B組の教室へと着いた。
ガヤガヤ
ワイワイ
ワーワー
扉を開けると、朝から賑やかな空気に包まれていた。
今日のニュースってやっぱり宇宙人?
通り魔が宇宙人って怖すぎるな。
それよりクレーターにお宝あるんじゃない?
だが、その賑やかさが仇となってか誰がどんな内容を話しているのか、耳を澄まさずとも聞き取れた。
(やっぱり皆。あのニュースは気になっているのか)
俺は皆の話し声を聞きながら、窓側の一番後ろという最高の位置に陣取った自分の席に荷物を置き、ほっと一息ついた。
「やれやれ、皆ニュースのことばかり話してやがるのかよ」
…と、俺が席に着くと同時に前にいた男子生徒が俺に話しかけてきた。
彼の名前は………………………………………。
「小野だよ!クラス替えしたからっていい加減覚えろよ!」
戸惑っていた俺を見て、何かを察知したのか彼は怒りながら自己紹介をしてきた。
「あ、ああ、悪かったな。んで、小野は何を話そうとしてたんだ?」
小野を宥めるように俺は、彼に話を続けるように求めた。
「全く、お前は鈍感か?右見てみろよ。右」
「……?」
俺は、小野に言われるがまま右をそっと見た。
するとそこには、誰も座っていない1つの空席があった。
一見すると、それがどうしたとも言える光景だが、俺は小野にこう言った。
「……なんで席が増えているんだ?」
と。
俺らのクラス人数は37人となので、6人6列を作ると1つの列が7人となってしまう。
つまり、その7人列の最後尾が俺なのだ。
なので俺の隣に席があるわけがなく、空席があるというだけでもおかしいことなのだ。
よって、これらの事から導かれる結論はただ1つ。
「転校生が来るんだよ!転校生が!」
小野は若干興奮しながら、そして目を輝かせながらそう言った。
「……あまり期待しない方がいいんじゃないか?」
そんな小野の前で俺は、水を差すような言葉を発した。
実際、以前にも2~3回ほど転校生には会ったが、正直に簡潔に言ってしまえば、ろくなやつが居なかったのだ。
俺が小野に言った言葉は、今までの経験から生まれた言葉だと自分ではっきりと言いきる事が出来る。
「うるせー!!男はな、そういうことに希望を…!」
――――ガラガラガラ――――
「はい、みんな。席に着いてくれ」
小野の言葉を遮るように扉が開き、担任が教室へと入ってきた。
騒いでいた連中も直ぐ様席に座り、賑やかだった教室は嘘のように静まり返った。
「はい、みんな。おはよう」
……おはようございます。
高校生にはよくある、小さな全体挨拶が教室内に寂しく響いた。
「はい、おはよう。今は25分。いつもならばまだ私は来ていない時間だが、少しやりたいことがあって早めに来た」
担任のその言葉に教室内が一時的に騒がしくなったが、担任が手を叩くとすぐさま騒ぎは収まった。
「それじゃあ、入ってくれ」
担任が合図をすると、扉がゆっくりと開き、一人の少女が教室内へと入ってきた。
その少女をみて、教室内は先程のように騒がしくなった。
「やっぱり希望を持っておいて良かったぜ!」
……その騒ぎの主動力となっているのが小野だということは黙っておこう。
また、担任が手を叩くと騒ぎは収まった。
「全く……それじゃあ、自己紹介をお願いします」
「はい」
担任が手招きをし、教卓から離れると少女は、担任と位置を交換するように教卓へついた。
「え、えっと。皆さん初めまして。私の名前は神原レンです。よろしくお願いします」
緊張している転校生の彼女がお辞儀を終えた瞬間、一人で盛り上がっていた小野が前を向いた為、俺はようやく彼女を直視することができた。
彼女の身長は、170cmと普通ぐらいの俺でも分かるほど低身長で、だいたい155cm程度だろう。
整った顔立ちに、瞳の色は常人と違い翡翠色の目を持っていた。また、首の辺りまである髪は一見すると俺らと同じ黒のようだが、よくみると微妙に赤が混じっており、黒赤髪といったところだろう。
容姿的にも小野が大喜びするほどの可愛さであることは何となく俺にも理解できた。
だが、彼女をまじまじと見て、俺は1つ感じたことがあった。
(どこかで見たことあるような…?)
いや、決してそれは気のせいではなく、絶対と言い切れるほど確実だった。
しかし、何故かよくわからないがどこで会ったのかを思い出そうとすると、もやのようなものが思い出すのを邪魔し、はっきりと思い出すことができないのだ。
「……あのー」
突然声をかけられ、俺ははっとして右側を見ると、そこには転校生が座っていた。
脳内で色々と考えている内にいつの間にか彼女の自己紹介は終わり、転校生は隣に座っていたのだ。
「えっと、よろしくね。ひの……いや、水野くん」
「…?。あ、ああ。よろしくな。……神原さん?」
俺は転校生の間違いに一瞬疑問が生まれたが、あまり気にせずに簡単な挨拶を交わし、その場を終えた。
転校生の紹介に時間がかかってしまったのか、終わった後、担任はすぐさまホームルームを終わらせ、教室を出ていった。
それと同時に一時限目の教科である"現代国語"の教師が教室に入り授業が開始。
そうして転校生にとって初めての授業が行われることとなったのだ。
To be continued……
いつもより長めですがご視聴ありがとうございました!次回もお楽しみください!