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神ノ僕タチ  作者: ghost
2/20

一般的な日常

前回が短かったので、今回は少し長めです。それでは楽しんでいってくださいね!

「………んん」


カーテンの隙間から差し込んできた木漏れ日が直に顔を照らし、俺は目を覚ました。


まだ半開きになった目を擦りながら、枕元にあったデジタル時計に視線を向ける。


07:00。ちょうど7時に目が覚めたようだ。


だが、学校の登校時刻は08:30。登校にかかる時間は20分もかからない。


そんな時間に余裕のある俺がとった行動は1つ。



「………zzz」


二度寝だった。


そうして半開きになった目をゆっくりと閉じ、再び夢の世界へ羽ばたこうとした、その時だった。


「いつまで寝てるの!!早く起きなさーい!!」


耳をつんざくような女性の怒声が下から聞こえ、それに驚いた俺は飛び起きてしまった。


「……ったく、やれやれ…」


眠そうに、そして面倒そうに頭を掻きながら、たたんで手元に置いてあった制服に着替え、ゆっくりと部屋を出て一階へと降りていった。



……紹介が遅れた。俺の名前は水野丈(みずのじょう)。自分でいうのもなんだが、どこにでもいる、普通の高校二年生男子だ。



そんな一般人の俺は変わりない退屈な日常を過ごしていた


階段を下り終えた俺がリビングに通じるドアを開けると、正に「日常」と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。



「おはよう。寝ぼけてないなら早くご飯食べて学校に行きなさい!」


俺の方を見ながら、リビングをせわしなく動いているのは、俺の母親だ。


母親が俺に言った言葉は今までに何回聞いたことだろう。多すぎて数える気にもならない。


短く溜め息をつき、俺はテーブルについた。


「おはよう。早起きは三文の徳なんだからもっと早く起きた方が良いんじゃないか?」


そう、諺を交えた説教を投げ掛けてきたのは俺の父親だ。


父親は、朝のニュースを何も考えていない様子で見ながら、いつも俺に伝えてくる。


それも聞き飽きて、今では軽く受け流している。


俺は、父親の説教を生返事で返し、朝御飯には定番のトーストされた食パンをゆっくりと食べた。




そして、それが食べ終わると近くにあったバッグを背負い、玄関へと向かった。


「こら、丈!お弁当忘れてるわよ!」


玄関へ向かい、靴を片方履いたところでリビングのドアが開き、母親がせかせかと弁当箱を持ってきた。


「ありがと」


俺はあまり気持ちを込めずにそういった。


「気を付けていってらっしゃい」


俺の言葉にも特に不満は抱かず、母親は俺とは対照的な明るい口調でそういった。


俺は、その言葉の返事代わりに日常な一言を言いながら、玄関のドアに手をかけた。



「いってきます」


俺はその言葉を言い終わった後、ドアをゆっくりと開け、そのまま外へと出ていった。




外は4月の気温だったためか、暑くもなく、寒くもなくと丁度良かった。


暖かく照らす太陽の日差しを受け、俺は思わず体を伸ばしてリラックスした。




……と、ここまでは普通の高校生ならば体験する普通の日常だろう。


だかしかし、俺には1つ、普通の高校生ではない日常があった。


その、非日常的な現象…


――ズキン―――


「……ッ!」


それは、頭痛だ。


ただの頭痛ならば非日常的でも何でもなく、普通なんじゃないかと思う人がいるかもしれない。


確かに俺の頭痛は、痛みはそこまで酷くはなく、継続する時間も十数秒程度だ。


しかし、問題は痛みや継続時間ではなく、頭痛自体が起きる時間帯とその原因にあった。


頭痛が起きる時間帯は、決まって登校する朝方に限られていた。


なので授業を受けている昼間や、寝る前などの夜には絶対に起きたことは無かった。


さらに驚くことは、その原因である。


一度医者に診てもらったことがあるのだが、その根本的な原因が分からなかったのだ。


これが、俺が唯一、人とは違うと断定できる日常を過ごしている理由である。


しかし、逆に言ってしまえば他の人と違う点がそれしかないということだ。


頭痛が終われば近くにある公立高校に行き、授業を受ける。


その授業が終われば今度は部活動に励む。


部活動が終われば家に帰って、様々なことをし、最後は寝る。


……と、俺はその繰り返しの生活を過ごしてきたのだ。


そのような生活を続けていて、物心ついた辺りには普通であることに何故か違和感を感じていた。


しかし、高校に入ってからはそれ自体を「普通」と置き換えてしまい、最終的には普通であることに何ら違和感を持つことは無くなってしまった。


そんな俺は、これからも変わりない日常が永遠と続くと…。普通の生活を永遠に続けていくのだろうと思っていたのだ。





―――しかし――――


ある日を境にそんな俺の幻想は打ち砕かれ、運命の歯車というものが狂い初めてしまうのである…。


To be continued……。




ご視聴ありがとうございました♪次回もお楽しみにしていてください!

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