4-9 屋敷へ
†††4-9
ジョンが朝起きると周りには誰もいなかった。ベンはもちろんだが、昨日帰りが遅かった残りの二人もいない。昨日の真夜中、ようやく帰ってきた二人をベンがぼやきながら足でベッドに押し込んでいたのをうっすらと覚えている。
「あれ?寝過ごしたか・・・・・・?」
そう思ってジョンは窓の外を見る。日はそれほど高くはないので少なくとも、まだ昼ではないだろう。
着替えを済ませ、眠たい目をこすりつつ一階へと下りる。廊下や二階では誰とも出くわさなかった。
一階ではミリアとベンジャミンが知らない男とテーブルに向かい合って座って何かを話し合っていた。他には誰もいない。昨日の晩の騒ぎにも関わらずゴミ一つ無かった。
その見知らぬ男は青い軍服に身を包んでいて、髪の色は茶の短髪だ。
ちなみにミリアとベンジャミンも青い軍服を着ており、キティの姿は無かった。
ジョンが階段を下りると男が立ち上がりジョンに敬礼をした。
「私はロベルト。ロベルト小尉です。ジョン、君の処遇について決定しました。時間も無いのですぐについてきて欲しい」
ジョンはちらりとミリアとベンジャミンを見た。ミリアがうなずく。
「わかりました」
「ではこちらへ。今すぐに移動しましょう」
ロベルト小尉は懐から小さな鍵を取り出すと何もないところでがちゃりと回した。
すると鍵に合わせてロベルトの前に大きな扉が現れた。ちょうど洋館の玄関扉のようだ。
(これも魔法なのかな。まあ、ミリアのを何回も見てるからそんなに衝撃はないなあ)
ジョンが勝手な感想を抱いていると、ロベルトは扉を開けて三人をその洋館に招いた。
「さあ、こちらです」
†††
東狼団がほとんど出ないまま、場面転換。
マジか。