4ー7 ボケ話
†††4-7
「そうだね、サッキーをSにするんだったらキッカーは余分だったね。失敬失敬」
ははは、と申し訳なさそうにしているが、どこから突っ込んでいいかわからなくなったジョンはげんなりした表情を浮かべた。
「・・・・・・俺が俺の名前を覚えていればいいじゃないか。そうだそれでいいじゃないか。ははは。ははは、はははははは・・・・・・」
天を仰ぎ、いきなり高笑いを始めたジョン(翔太)に周囲は距離を取った。
「大丈夫かね、ジョナサン君は・・・・・・」
「あれでもミリアちゃんのお墨付きがあるそうだよ」
「でもアレじゃあなあ・・・・・・」
「ダメだな、こりゃ」
「大丈夫ですよ。いつものことなので。すぐに直りますよ」
ミリアがキレイな笑顔で特に何のフォローにもなっていないことを言う。
「ああ、そうか。じゃあ、いいか」
「いや、ダメだろ。お前、ミリアちゃんの笑顔につられただけだろ」
「なんだとお前。じゃあお前、ミリアちゃんの笑顔は要らないと?」
「そんなことはない。ミリアちゃんの笑顔はワシにとっての癒し。誰にもわたさんぞ」
「なに?ミリアちゃんのスマイルは皆のもの。独り占めは許さん」
「なんだと?お前の顔でスマイルとか言うな。お前はせいぜいスッポンがお似合いだぜ」
「言ったな?」
「言ったぜ」
しかし一触即発となった二人のおっさんの横からぬっと忍び寄る影が一つ。
ミリアの兄、ベンであった。
「ミリアがなんだって・・・・・・?」
「わ、若・・・・・・!」
「いや、その・・・・・・」
「首を引っこ抜いてやろうか・・・・・・?」
ベンは自身の握り拳を笑顔で指さした。
「・・・・・・なあミリア」
「なに?」
「ここっていつもこうなのか?」
「そうよ」
ショックから立ち直ったジョンはいつの間にか大騒ぎになっている一階を見渡してミリアに尋ねていた。
「俺やっていけるか不安だわ・・・・・・」
「大丈夫でしょ」
「無理だって!俺そんなにキャラ濃くないもん!」
「主人公だし、そのくらいでいいんじゃない?」
「無理だろぉぉぉ!」
†††
おっさん「ミリアちゃん、スマイル一つ!」
ミリアちゃん「ああん!?」