4ー5 レジスタンスへ
†††4-5
「じゃあ、行きましょうか」
そう言うと少女は杖を縦に一振りした。すると振った杖の軌道に沿って空間に裂け目ができた。
(さっき聞いたレインの魔法に似てるな・・・・・・)
オーレンの話に出てきたレインの『次元の門番』と目の前の少女の魔法を照らし合わせてジョン(翔太)は心の中でつぶやく。
「さあ、さっさと行くわよ」
少女は体を半分裂け目に突っ込みながら手招きをした。
「へえ、ここがレジスタンスの・・・・・・!」
裂け目を抜けると、三人はだだっ広い平原の上に立っていた。学校のグラウンドにやや似ている。正面には見渡す限り兵舎が建ち並んでいた。ざっと百はあろうか。この中にどれだけの人数がいるのか、ジョンには見当もつかなかった。
「すごいじゃないか、ミリア。数百人って言ってたけど嘘だったの
か?」
「・・・・・・嘘じゃないわよ」
つかつかと兵舎に歩き出しつつミリアと呼ばれた少女は説明する。
「あの兵舎はレジスタンスのものじゃないのよ。正確には国軍のもの。私たちはただ演習場と宿舎を借りているだけよ」
「え?じゃあ、普通の兵士もいるってことか?」
「そういうことよ。正面の十の兵舎がレジスタンスのもの。他は全部国軍の兵士のものよ」
「へえ・・・・・・。真ん中にあるんだな。特等席だ」
「・・・・・・そうね。特等席よ」
†††