表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詰みゲー!  作者: 甲斐柄ほたて
第三章 狂った歯車は暴走を始める
73/141

3-34、3-45 記憶喪失人格変化

†††3-34


時間が一瞬、停まったように感じた。

「お、お嬢様?」

私の口からおろおろと慌てた声が出る。

このとき、私はほぼ完全に赤服の存在を失念してしまっていたが、幸運にも彼は攻撃してこなかった。

「離して下さい。一人で立てますから。・・・・・・あなたは、」

お嬢様は立ち上がり、赤服を見て動きを止めた。

「敵ですね」

お嬢様のその言葉に赤服の目がやや細く険しくなった。


†††3-35


「・・・・・・どうしてそう思うんだ?」

赤服が静かに問いかける。

「勘ですよ、ただの」

お嬢様はにこっ、と『敵』に笑いかける。

「勘で他人を敵と断定するのか、お前は?」

「私の勘は当たるのよ?」

ふわふわとした笑みを浮かべてお嬢様は応える。

しかし、その表情は私が今までに見てきたお嬢様のどんな表情とも違っていた。

「記憶が無いんだろう?なぜそんなことがわかる?」

「それも勘よ♪」

「ちょ、ちょっと待った!」

どうした、という顔で二人はこちらを見る。

いや、信じられないのはこっちだ。

「き、記憶が無い・・・・・・?お嬢様のか?」

「あら、お嬢様っていうのは私のことかしら?」

お嬢様がふふっ、と嬉しそうに笑う。

赤服がやや呆れたように説明する。

「・・・・・・さっき、こいつは明らかにお前のことがわかっていなかっただろう。なら記憶の欠損は自明。程度はわからないが・・・・・・」

「そういうことよ」

お嬢様がにこにこと赤服の説明を裏付ける。

「そんな・・・・・・」

がっくりと崩れるように落ち込む私にお嬢様は駆け寄り、私の頬をむにっ、と引っ張った。

痛いですよ!と抗議する私を見てお嬢様はからからと思いっきり笑った。

「あなたが落ち込むことは無いわよ。これは私の問題。そして、私は別に困ってない。なら問題ないじゃない?」

「いやいやいや、おかしいおかしい。記憶喪失は当人だけの問題じゃないんですよ。だから・・・・・・」

「あーはいはい。わかった、わかりましたよー。早く思い出すよう努力しますー!」

「お願いしますよ」


「お前たち・・・・・・」

ん、とお嬢様と私は発言した赤服の方を見た。

「俺のこと忘れてただろう?」


†††

設定集を作りました~。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ