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詰みゲー!  作者: 甲斐柄ほたて
第三章 狂った歯車は暴走を始める
71/141

3-32 事実

†††3-32


「お、とうさ、ま・・・・・・?」

お嬢様が再び吸い寄せられるように足を出した。足下でバラまかれた煉瓦がかすかに音を立てる。

私がお嬢様へようやく追いついたそのとき、

「いやあああああああああああぁぁぁぁっ!!」

お嬢様はいきなり絶叫すると、その場に崩れ込んだ。

私がすんでのところでお嬢様を抱えこんだ。おかげで怪我は無かったが、どうやら、気絶しているようだ。

「お嬢様・・・・・・?」

私は顔を上げてお嬢様が見ていた時計塔の部屋の中を見た。

「・・・・・・ッ!旦那様!」

旦那様、お嬢様のお父上が無惨な姿で横たわっていた。


「・・・・・・あれが小娘の父親なのか?」

いつの間にか背後に立っていた赤服が尋ねる。

しばらく私の返答を待っていたようだったが、こちらが無言でいると、頼んでもいないのに話し始めた。

「彼は一筋縄ではいかない男だったよ。父上の要求に頑として首を縦に振らなかった。町民を危険にさらせない、と言っていた・・・・・・。最後は自爆に近い強力な魔術を使って俺たちを殺そうとしたんだ」

赤服が淡々とした口調で独白をした。

私は赤服が言った内容と口調に驚いて彼の表情を確認した。

やはり感情のない表情だったが、その目はどこか後悔しているような鈍い光を帯びていた。

まるで、殺したくなかった、とでも言いたげに。


†††

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