3-30 VS赤服⑤ 落下直後
セリフ一部変えちゃいました~。
†††3-30
「・・・・・・町の人間がどうなったのか知りたかったんだろう?」
目の前に落ちてきた時計塔に目を奪われていた私たちは背後から聞こえた不気味な声に背筋を寒くした。
振り返ると赤服がこちらに近づいてきていた。
「答えを用意してきたんだ。感謝しろ」
道の幅は広いが、脇道は無い一本道。少なくとも降ってきた時計塔と赤服の間には無い。
つまりは逃げ道が無い。
「おや?小娘が増えているな・・・・・・。お前の娘か?」
「違うわよ!失礼ね!」
失礼なのか?
お嬢様が下ろせ、と暴れ出したので、仰せのままに、と下ろしてやった。
「おやおや、これは失敬」
「・・・・・・アンタ、この町の人をどうしたのよ」
お嬢様は赤服たちのことを知らないはずだが直感で犯人だと理解したのだろう。冷静さと怒りと隠し切れない恐怖の混ざった声で尋ねる。
「つくづくお前たちは同じことを聞くんだな・・・・・・。彼らならそこにいるだろう?」
淡々とした口調で何でもないことのように言った。
「そこ、だと?」
「そこだ」
赤服はそう言って私たちを、いや、私たちの後ろにある時計塔を指さした。
†††