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詰みゲー!  作者: 甲斐柄ほたて
第三章 狂った歯車は暴走を始める
60/141

3-20,3-21 スタミナが尋常じゃない

†††3-20


「お嬢様、大丈夫で、すか?」

「え、ええ、だ、いじょうぶ。ちょ、っとゆ、れるけど」

一刻も早く町へと向かうため、私は腰が抜けてしまったお嬢様をおぶりながら走っていたのだ。

揺れるのでしゃべると舌をかんでしまいそうだ。

そんなことよりも坂の下にある町、いや時計塔が気になって仕方ない。

中に人はいたのか。

今もいるのか。

爆発の原因は何なのか。

・・・・・・旦那様は無事なのか。

「・・・・・・もう少し速く走ります」

「待って。もう大丈夫よ」

お嬢様がそう言ったので下ろしてみると、もう腰は治ったようでしゃんと立つことができた。

「もう少しです。急ぎましょう」

「ええ」


†††3-21


さらに数分走ると町の様子がどうもおかしいことに気づいた。

何と言うか・・・・・・静かすぎるのだ。建物が、それも町のシンボルとでも言うべきものが爆発した、というのに町全体が妙に静まり返っているのだ。

「・・・・・・何か妙ですね」

「・・・・・・そうね。でも行くわよ。お父様の無事を確かめないと。ついてらっしゃい」

「はい、お嬢様」

お嬢様の声は震えていた。


町に着いた。

馬車で行き来するような距離を走り通したのだ。私もお嬢様もぜえぜえと息を切らしていた。

「はあ、う、はあ・・・・・・。つ、着きましたね」

「うう、くうっ、わき腹が痛い・・・・・・!」

「運動不足ですよ、お嬢様」

「十二歳と同じ速さのお前に言われたくないわよ!」

お嬢様はほとんど倒れそうになりながらも必死で立とうとした。私は倒れかけたお嬢様の腕をすんでのところでつかんだ。しかしお嬢様はその手をゆっくりとひきはがし、一人で立つと前を向いた。


†††

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