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3-19 おんぶって上手い人と下手な人で結構差が出る
†††3-19
「オーレン!わたしを町まで連れて行って!」
「お、お嬢様・・・・・・」
「お願いよ!お父様が心配なの!」
「・・・・・・わかりました。町へ戻りましょう。走りますよ?」
お嬢様が無言でうなずく。
私は町を振り返り、町へ向かって走り出そうとした。荷物は置いていくつもりでいた。
しかし、なぜか後ろからお嬢様に背中を引っ張られたのであやうく仰向けに転びそうになった。
「ど、どうしたのですか、お嬢様?」
振り返るとお嬢様はまだ座り込んでいた。
私と目が合うとお嬢様はあまり余裕のない血の気の失せた笑みを浮かべた。
「はは・・・・・・。腰が抜けたわ。オーレン、悪いけどおぶってくれる?」
†††