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詰みゲー!  作者: 甲斐柄ほたて
第三章 狂った歯車は暴走を始める
52/141

3-12 夜中にニーナとおしゃべり

†††3-12


帰りの馬車の中、お嬢様は一言も話さず、私と目も合わせず、ずっと馬車の窓から野原や町を眺めていた。


「すまなかったな」

「いえ、大丈夫です。いつもご迷惑かけてばかりですから」

「ははは、なるほどな。その通りだ」

「ヒドいですよ、そこは否定してください」

「悪い悪い。お前はよくやってるよ」

「えへへ」

私はお嬢様を部屋へ送り届け、後の世話をメイドの一人に任せ自室へと戻ろうとした。

その途中でニーナと出くわしたのである。


ニーナの屈託のない顔を見て、私はつい言わずにいられなかった。

「・・・・・・私は間違えたのかもしれない」

「どうかしたんですか?」

ニーナは笑顔を引っ込めて真顔になった。

「お嬢様にひどいことを言ってしまった」

「どうしてですか。理由があるんでしょう?」

私は真顔のニーナを見て、少し笑った。

「どうしてそう思う?」

「オーレンさんは理由もなくそんなことしないでしょう?」

「そうだな・・・・・・。だが、理由はともかく、間違ってたのかもしれない。問題はそこだよ」

「そう・・・・・・なんですか?」

「そうさ」

私はちょっと微笑んだ。苦笑いに近かったかもしれない。

「私はお嬢様に御自身の力不足を理解して頂きたかったんだよ」

「どういうことですか?」

「自分の力不足を痛感すれば嫌でも本気を出すだろう、と思ってたんだよ。・・・・・・でも、言い方を間違えちゃったんだよ」

「いえ、どういうことですか?お嬢様に何か教えてたんですか?算数?」

「・・・・・・私も少々苛立ってたんだろうな、多分」

「あ、歴史ですか?ややこしいですからねー」

「もっと上手く教えられると思ってたのに・・・・・・。そこの差に苛立ったのかな・・・・・・」

「かく言う私も歴史は・・・・・・」

「あそこまできつい言葉を投げかけるなんて・・・・・・」

「・・・・・・無視しないでくださいよう」

ニーナはしゅん、と俯いてしまった。


†††

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