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3-8 執事の提案とお嬢様の承諾
†††3-8
「お嬢様」
気づけば私はお嬢様を呼び止めていた。
わずかに声色が違うことに気づいたのかお嬢様は不思議そうな顔で振り返った。
「・・・・・・どうした?」
「お嬢様・・・・・・。私に魔術を指導させて下さいませんか?」
私の唐突な提案にお嬢様は目を丸くした。
「学校で一から習い直すのは辛いでしょう。是非、私に指導を申しつけ下さい」
私はお嬢様の目が不安から決心へとゆっくりと変化していく様をじっと見ていた。
お嬢様は私の目を見返した。
「頼むわ、オーレン。私を指導して頂戴」
†††