2-16 天使の提案
†††2-16
「迎えに来たわよー・・・・・・ってこれは何!?」
ミリアはやる気のない声で『扉』をくぐるやいなやこの状況に驚いた声を出した。
なにせ無言の重装兵の団体に囲まれて俺と白い天使が話し込んでいるのだ。叫びたくもなるだろう。
「あら、ワッフルワイン。いいところに!」
「あ!えーと、ジャベリン様?」
とミリアはレインを見て、ひざまずき、名前を聞いた。・・・・・・レインがミリアにどんな自己紹介をしたのか大体察しがついた。
「・・・・・・私ジャベリンでしたっけ?」
「・・・・・・俺に聞くな!」
「・・・・・・とりあえずはレインでかまいませんよ」
「わ、わかりました」
ミリアがあまりにも低姿勢なので俺もするするとミリアの横に同じくひざまずいた。そしてついでにミリアにこそこそと話しかけた。
「・・・・・・こいつ偉いの?」
「めっちゃ偉いわ」
「どのくらい?」
「多分この国で最強の人間よ」
「え?」
その言葉に俺は思わずミリアの横顔を見た。相も変わらず端正な顔立ちはいつもと違って真剣な表情だった。
「・・・・・・わかった?大魔術師って偉いでしょ」
レインはいつの間にか俺の隣で話を聞いていたらしい。
「・・・・・・めっちゃ偉いってことはわかりました」
「よろしい」
レインは立ち上がり、ひざまずく俺たちの前に立った。俺は正直この大魔術師がいきなり恋について語り出す可能性を考えると気が気ではなかった。
が、大魔術師の言葉は俺とミリアの予想外のものであった。
「ワッフルワイン。彼は我ら、国王の正規軍に加えます。よろしいですね?」
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