表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詰みゲー!  作者: 甲斐柄ほたて
第一章 絶望する少年の運命は廻り始める
3/141

1-6 五年で七割

†††1-6


昼食の野菜たっぷり栄養満点、雪山帰りにぴったりの暖かいスープをいただき、おなか一杯になってハンナが幸せそうに昼寝をしているとき、母親が話を切りだした。


昼食の皿を片づけた後のテーブルに母親と俺は向かい合って座っていた。

何から話そうかね、とつぶやく母親の表情からは何を考えてるのか読めなかった。

「うーん。そうさね。ことの起こりは五年前さ。たったの五年。それでこの世界の様相はすっかり変わってしまった」

どうやらただの世間話ではないようだ。

「北西の大陸の端の端、そこに穴が開いたと言われてるわ」

「穴・・・・・・?」

落とし穴だろうか?

「落とし穴ですか?」

「そんなわけないでしょ。穴からね、何かこう、訳の分からないものがいっぱいでてきたの。魔物って言われてるわ」

「魔物・・・・・・」

大分トンデモ展開なようだ。

「そう。その穴から無限にわき出てくるの、この世界のどんな動物よりも速くて、凶暴で、強い生物が。話では人間の三倍もある巨人とか、火を吐く竜とか」

まるでRPGに出てくる敵キャラだ。できれば一生関わり合いになりたくない。

「それでどうなってるんですか。その穴は。塞がったんですか?」

「まさか」

窓から入る日の光が母親の顔に陰を作り、その表情に写る絶望がより輪郭をはっきりとさせていた。。

「穴は塞がってないわ。国は穴を塞ごうと何度も何度も軍を出したんだけどね」

「今、抗戦中?」

「そう聞いてるわ。でももう穴を塞ぐどころの話じゃないのよ」

母親は背もたれに全体中をあずけ、虚ろな目で天井を見た。

「もう、この国の七割は占領されてしまった、という噂よ」


†††

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ