2-12 兵隊さん、働け
†††2-12
「昨日来た、と?」
「ああ」
「何時頃?」
「午前中、かな」
「どこに出てきました?」
「どこだっけ・・・・・・?南東の大陸の山の上・・・・・・?」
「ふむ・・・・・・」
白づくめの天使みたいな女の子は俺を質問責めにした後思案顔になった。
<なんだろうね?>
「さあ・・・・・・」
俺とキティがこそこそと話していると白天使は懐からでっかい角笛を取り出した。どのくらいでかいかというと、
「<でっか!>」
くらいでかい。明らかに天使の身長よりもでかい。どこに持ってたんだ、そんなん。
天使はその角笛をどん!と地面においてぶうおぉお~、と吹き鳴らした。
ざっざっざっざっ
ざっざっざっざっ
ざっざっざっざっ
・・・・・・
しばらくすると俺の周りを兵隊が取り囲んでいた。
「うおっ、ちょっ、待っ」
<僕は無関係だよー>
キティは逃げた!
「あっ!裏切り者!」
ジョンも逃げた!
しかし、兵隊に回り込まれてしまった!
「ふっふっふ、逃げられませんよ」
天使が悪役みたいな笑い方をする。しかし似合ってはいなかった!
「さあ!みなさん!この人を連れてっちゃって下さい!」
天使が号令をかけるとうおー、と兵士たちは俺を胴上げみたいにしてかつぎ上げ、えっさほいさとどこかへと向かい始めた。
「うわー!キティ、ミリアー!助けてくれー・・・・・・」
「ジョン、ごめんむりー」
「キティ、てめこのヤロ後で覚えてやがれ。絶対に%#*?&!」
俺の叫び声は都の市場へと消えていった。
†††