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1-18 VS女魔術師⑥
†††1-18
少女は返事は何も言わなかった。
ただ、次の瞬間重力が反転した。
つまり少女と俺はまた瞬間移動したのだ。今までは落下だったが、今は上昇している、ということ。おそらく落下の衝撃を和らげているのだろう。そのまま元の路地に戻されたら地面にたたきつけられてやはり死んでしまう。
やがて、ふわり、と速度零の瞬間が来た。
どすん、と俺たちは元の路地に戻っていた。
イタタ、と尻をさする俺に華麗に着地したらしき少女は文字通り勝ち誇った顔で、
「あたしの勝ちね」
と言った。
†††