4-33 ミルキーウェイ式属性判定譜
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シャープは一枚のお札のような紙切れを懐から取り出した。
「今度は何の御札?」
「属性を調べるための『譜』を記した物だ。これは高いんだぞ。ちょっと前にロベルトに頼んで用意してもらっていたんだ」
「ふーん。で、どうすんの?」
「こんな感じだ」
シャープは手を伸ばし、身体からお札をやや離し、魔力を注いだ。
すると、いきなりお札からボウッと火が噴き出した。
ぎょっとして跳び退いたジョンを見て、シャープとクラリスがケラケラ笑う。
「まあ、札に宿る意志を感じ取り、それに合わせるように魔力をそそいでやればいい」
「ほ、ほお~・・・・・・」
ジョンはこわごわ札を受け取る。やはり、単に文字が書いてあるだけの紙切れにしか見えなかった。
では、魔力はどうか、とジョンが「視て」やると、確かに魔力は札に宿っていた。
ほのかな意志は感じるが、「どこ」に魔力を注げばいいのかはジョンにはわからなかった。
「むむむ・・・・・・。難しそうだな」
「せやで。まあがんばりぃやー」
***
そんなこんなでその日はジョンは七時間以上も属性判定譜を発動させようとがんばったが、結局判定譜に反応が出ることはなかった。
落ち込むジョンはシャープとクラリスに肩を叩かれ、明日があるさと励まされてその日の稽古を終えた。
しかし、一週間経ってもジョンは判定譜を含めたスペル系の術を扱えるようにはならなかった。
†††
スペル=譜、です。ややこしいですネ。