プロローグ
22世紀初頭の現代。
世界は変わっていた。
国境が変わった。
「企業連邦」
「技術帝国」
「亜州共和国」
「君主連合」
4つの勢力へと世界は纏まった。
しかし、戦争は形を変えども、無くなることなく続いていた。
人類は技術を発展させ、「ネオ=ジャパン」のとある天才が、反重力ユニットという革新的な技術を生み出した。
その反重力ユニットは、物体に掛かる重力を消去して物体を浮遊させることが出来る。
欠点はある程度の質量があるものでないと、反重力ユニットは接続出来ないことぐらいだろうか。
そして重力ユニットを取り付けることにより、兵器は大きく力を変えた。
戦艦は海の上を滑るように移動する機動力を手にし、小艦巨砲主義という新たな海の覇者を作った。
戦車はどのような悪路でも素早く行動し、大口径の主砲で目標を撃破する陸の覇者となった。
して、空の覇者はどうなっただろうか?
飛行機は反重力ユニットにより離陸の時に長い滑走路は必要なくなったが、前進しか出来ない戦闘機は機動力が足りず時代の波に消えた。
飛行機はもはや旅客機や輸送機としての存在だ。
それではヘリコプターだろうか?
これも違う。
高性能化した対空兵器がある現代の戦場において、速度の遅いヘリはもはやガラクタと化した。
――――《ネクター》
反重力ユニットの恩恵を最も多く受けた存在。
長距離の飛行に適した巡航形態と、空中戦闘機動に適した人型形態を反重力ユニットによって切り替える事が可能になり、戦闘を有利に勧める次世代の戦闘機。
巡航形態で高速移動や爆撃、空中格闘時には人型形態と使い分ける事によって、《ネクター》は空の覇者となった。
そして今日も、戦闘機乗りたちは空を舞う。
桃果肉ジュース関係ないよ