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次の話は夜中の出来事
私には年の離れた兄がいます。私が小学校5年生になる頃にひとり暮らしを始めた兄。
それまでは枕を並べて寝ておりました。
これはその時のお話
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夜の兄の顔
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私は子供の頃、夜に目が覚めることが多い子供でした。
そんな時、顔を横に動かすと暗闇の中に薄らと兄の顔が見えます。
私はこれがたまらなく怖い時がありました。
暗闇のせいなのか分かりませんが、兄の顔が全く知らない人の顔に見えるときがあったんです。
兄はスポーツ刈りの青年でしたが、時々ベートーベンみたいな髪型に見えたりしたんです。
髪型だけじゃなく、顔も全く違う男の顔に見えるときがありました。
これの面白いところは一度目を逸らすと別の顔になっているというところです。
最初は怖かったけど、小学3年生くらいからたまにその現象は起こっていたので最終的にはそこまで怖くはなくなっていました。
そんなある日のことです。何時ものように兄の顔が別の男の顔に見える現象が起こったんですが、それは何時もと少し違っていました。
兄の目が開いていたんです。じっと自分を見ている。私は怖くなって目を逸しました。
もう一度兄の顔を見てみると、別の顔になっていたんですが、目は開いたままです。
私は怖くなって親の部屋に逃げ込みました。
それからしばらくして兄はバイト代でベッドを買ったので枕を並べて寝ることは無くなりました。
あ、因みに兄にはこの事言ってません。
頭が変になったと思われたくなかったので。