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絶対不足浪漫譚  作者: 風薙流音♪


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四、僕には豆板醤が足りない

 ついにラーメンを口にした僕を最初に襲った感情は圧倒的な寂しさだった。まだ、足りない。満たされない。この寂しさは何なのだろう。味はこってり、とんこつ味だ。チャーシューの味も厚みもとろみも火の通り具合も非の打ち所が無い芸術品だ。だが、何故か口寂しい。この、真冬の最中に恋人に振られた挙句、財布の中に一枚の紙幣も見当たらない上に、家の中にはカップヌードルすら無い時のような、切実な寂しさはなんだろう!


「店長! このお店には豆板醤は無いのですか! ナッシング・トゥ・バンジャン!」


 僕は綺麗にスープまで飲み干したラーメンどんぶりを前に、水を一杯飲み干した上でそう叫んだ。店長はさも申し訳なさそうな様子で「当店では扱っておりません」と言った。


 僕はご馳走様と店長に礼を尽くすと、足早に店を後にした。あの、血を滾らせる赤い調味料を味合わずにエネルギー充填が出来るだろうか? 否! 否! 否!


 僕は、真冬の風にマフラーを強く巻きなおす。まだ休日の昼過ぎだというのに、一緒に出掛けるような彼女にも振られた。財布の中には、もう五百円玉すら残っていない。それなのに満たされないこの胸の寂しさを、豆板醤の熱さ以外に何が暖めてくれるというのだろうか。

2008.5.28

※字下げと空行の追加を行ったメモ。2026.1.11

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