緊急クエスト受注。
「ギーゴ。悪いけど緊急クエスト行ってくれない?」
「一応確認だが内容は?」
「村から少し離れた草原で冒険者さんがモンスターに襲われてるらしいの。」
「それくらいのなら別に俺じゃなくても。」
「それがね?襲ってるモンスターがどうも…ナカターニ地方のゴブリンらしいの。」
「ナカターニのゴブリンか。なるほどねぇ。」
主人公の俺をそっちのけでなんか話が
進んでいる。危なそうだしいいけどさ。
あっ俺にもできそうなクエスト発見!
"薬をおばあちゃんに届けよ"
報酬くそ安いけどコツコツやって行くか。
「おい兄ちゃん!行くぞ!」
「いや俺は緊急クエストとか行っても…」
「一気に稼ぎたいんだろ?行くぞ!」
ちょっとヤバいって。ミサさん止めて。
「ちょっとギーゴ!タカさんはランクが足らないから連れてけないよ!」
そうだそうだ。俺はおばあちゃんに届けるんだ。
「いいだろ?俺が行くんだから心配ないって。」
「もう!いつも勝手ばかりして!」
「なんだかんだ許してくれるミサ。好きだぜ!」
「えっ…あっ…も…もう!ふざけないで!」
マジだよふざけんな。ヒロインちゃうんかい。
照れてるんじゃないよ。
普通主人公とヒロインだろ。
ーコガマン村付近の草原ー
普段は初心者でも相手が出来る弱めの
モンスターが出没する。
だが例外として低確率で強いモンスターが現れる。
そして…装備も何もなしで突然冒険者が現れたりする不思議な場所。
「おっいたいた。あのゴブリンの群れだろ。」
ゴブリン達はうひぃ。うひぃ。と独特の鳴き声を発しながら冒険者を襲っている。
「お前なんばしよっとか!なんばしよっとか!」
あの言葉使い…もしかして兄さん…?
「ギーゴ!多分知り合いあの冒険者!」
「お前の知り合いも装備なしかよ。」
"ゴブリンが現れた!"
"ギーゴの攻撃!ゴブリンに9890のダメージ!"
"ゴブリンAは倒れた!"
"ゴブリンBは仲間を呼んだ!"
"ゴブリンC.D.E.F.Gが現れた!"
「めんどくせえな。めっちゃ仲間呼ぶやん。」
"ノガミの攻撃!ゴブリンに5のダメージ!"
"タカの攻撃!ゴブリンに3のダメージ!"
えぇ…主人公なのに兄さんより弱いの俺。
"ギーゴが大剣を振り回す!全体に9800のダメージ!"
"ゴブリンの群れを倒した!"
俺着いてきた意味ある…?
"タカはレベルが上がった!"
Lv1→Lv3
"ノガミはレベルが上がった!"
Lv1→Lv3
うおっ!着いてきた意味あった!
「兄さんだよね?大丈夫?」
「タカ…タカ…ここでなんしよっと?」
「大丈夫だよ!近くに村あるから着いてきて!」
「へ?お前ら兄弟?」
「違うけど兄さんと呼んでるからつい…。」
「まぁいいや。終わったし戻るぞ。」
なんとか無事に3人は村へ戻る事が出来た。




