初めてのクエスト集会所。
俺は2人を探し村中を歩いた。
見つからない。村長のあの言い方的にまずはミサを
見つけないとギーゴに会えない気がする。
その後なんだかんだでキカーダに会って…。
ゲームだから大方そんな感じだろう。
疲れたとりあえず座ろう。
「おい!兄ちゃん!そんなとこに座り込んでどうした?また誰かにやられたか?」
ドキッ!この声は…ギーゴだ。
思ってたゲーム進行と違う。
「あぁ…いや…そのミサさんを探していて。」
「ミサを?あぁそうか。兄ちゃんもクエスト受けてひと稼ぎしたいんだな。」
「クエスト?」
「え?クエスト受注したいからミサを探してたんじゃないの?」
クエストってなんだか楽しそう。
だけどとりあえずは先に村長から言われた事を済ませておこう。ギーゴに会えたし。
「あ…あのっ俺を双天鬼兵団に入れてもらえませんか?」
「ん?いきなりなんだよ。キカーダ不在の今俺の一存じゃ決めれねーよ。それにお前すげー弱いし。」
ぐぅぅぅ。はっきり言われると凹む。
「それにお前装備もなんもしてねーじゃん。先ずは装備を整えてからまた来いよ。今いくら持ってんだ?」
「……………所持金ないです。」
「えっ…。金もなくてそんな貧弱でよく今まで生きてこれたな…。どちらにせよ先ずは稼がなきゃな…。着いてくよクエスト集会所まで…。」
ギーゴがなんか哀れみの目を向ける。
だが主人公の俺は勇者の設定だ。
ゲーム終盤を見とけよ。びっくりさせてやる。
「ちなみにミサはクエスト集会所の受付してるからついでに会えるぞ。」
"クエスト集会所"
ここでは初心者向けから上級者向けクエスト。
またその上の上位クエストも受注ができる。
それは自分のランク次第だが。
必然的に上級クエストに近づくにつれ
報酬も上がっていく。
クエスト集会所の扉を開ける。
中には大勢の人達がクエストを貼りだされたボードを見て悩んでいる。
ギーゴが中に入ってくると集会所がザワついた。
「おい…見ろよあれギーゴだ。」
「マジかよトップランカーはやっぱりオーラが違うな。」
ギーゴってすごいやつなのかな?
俺はギーゴに聞いてみる。
「ギーゴってクエストランクってどれくらい?」
「俺か?俺とキカーダは今のとこ最高ランクだな。」
そりゃーそんな奴が集会所きたらザワつくわな。
納得した。
「おいっすミサ。この兄ちゃんでもできるクエスト何かない?」
「急にどうしたの?」
「貧弱すぎる上に貧困過ぎて可哀想になって連れてきてやった。今キカーダ居なくて暇だし暇つぶしも兼ねて。」
「暇つぶしがメインでしょ?」ミサは笑う。
「とりあえずだ。簡単なお使いみたいなのでいいから紹介してやってくれ。」
「…お願いします。」俺は頭を下げる。
その時1匹の鳥が集会所に入ってきて叫ぶ。
「キンキュウ!キンキュウ!」
ミサが鳥に近づきじっと見つめる。
「分かったわ。大丈夫。丁度ギーゴもいるし頼んでおく。ありがとう鳥さん。」
鳥は羽ばたいて飛んで行く。
「えっ…ミサさんって鳥語話せるの?」
「いやミサは動物との意思疎通が出来てしまうすげー能力持ってるから鳥だけじゃないぞ。」
すげえ能力。いやゲームだからそんな特使能力あっても不思議じゃないか。
さて俺の初クエストは何になるんだろうか。
ドキドキしながらクエストの受注を待っていた。