職業を選んでください。
双天鬼兵団へ加入を目指し日々兄さんと
俺は鍛錬を重ねていた。
お互いレベル上げを頑張って
俺Lv13
兄さんLv15
ってな具合だ。
何故だか微妙に兄さんとの差を埋められない。
「タカ…タカ…聞いたとばってんLv10越えたら職業に就けるらしかばい。」
「職業かー。兄さんは何か決めてる職業あるの?」
「先ずは戦士になって戦闘技術を磨いて次に格闘家になって近接攻撃の技術を磨いて…ぶつぶつ」
兄さんってちゃんと考えて行動してんだな。
ここは効率的に強くなるためにも職業に就くか。
ー職業ー
この世界では様々な職業が存在している。
戦士、魔法使いなどオーソドックスなものから
ギャンブラーなど変わり種までもある。
職業別に上がりやすいステータスも様々であり
色々な職業を経験しマスターすれば上級職にも
就く事が可能であると言う…。
現時点でのレベルやステータスにより就ける
職業の制限ももちろんあるらしいが。
「タカ…職業の斡旋は酒場でしよるらしいけん酒場に向かうばい。」
「兄さんは俺より村に詳しいね。」
酒場の扉を開けて中に入る。
お酒の場と言うこともあり陽気に歌う者
はたまた喧嘩をしている者と色々いる。
その中で一際異彩なオーラを放つ人物がいた。
"キカーダ"だ。
キカーダは静かに座りカウンター越しに
店員の女性と語り合っている。
久しぶりにキカーダに話かけても大丈夫な
状況みたい。行ってみよ。
「キカーダさん。こんにちは。」
「やあ。タカ君とノガミ君。こんにちは。」
「お酒飲んでるんですか?」
「ふふっ久しぶりにお酒を嗜みたくなってね。君たちもお酒を?」
「いえっ僕らは職業に就こうと思って酒場まで。」
「それはいい事だね。ナギッサ。彼らに職業を紹介してあげてくれないかい?」
カウンター越しにいる女性はナギッサらしい。
「色々職業はありますけど…今あなた方が就ける職業は…こちらですね。」
"戦士"
武器を扱う事を得意とする職業。様々な上級職のベースとなる職業。
"武闘家"
素手での戦闘が得意。己の体だけで戦うのが主で扱う武器も近接攻撃系ばかり。
"ギャンブラー"
生き方も戦闘も全てが運任せ。あなたの命運をサイコロの出目に託してみよう。
「…なんだか少ないっすね種類。」
「えっとその…なんと言いますか…」
ナギッサはすごく微妙な表情だ。
すると背後から声をかけられる。
「ばーか。お前らのステータスが低すぎるから職業選べねえんだよ。少なすぎてナギッサも困ってんじゃねえか。」
ギーゴだ。言われてる事は合ってるがはっきり言われたらなんだか凹む。
「ようキカーダとナギッサ。」
カウンターに腰をおろすギーゴ。
「今選べる職業が少なくても色んな幅が広がる楽しみがあっていいじゃないか。」
ニコッと微笑むキカーダ。すごくいい人だ。
俺は戦士。兄さんは何故だかギャンブラーに
就職をした。