プロローグ-翳る光明
最近忙しいので短編の小説を書くことにしました。
設定も即興なのであんまり期待しないでくれ、添削もしてないけど許してくれ。
ほんっとに適当に書いた、好きなのぶち込んだみたいな感じですけどよければどうぞ
前の俺は今日殺す、今からの俺こそがこれからの俺だ。
タクシーの後部座席に座っているその男は外を見つめながら決意を固める。
男の名は「西村 和志」23歳。
今年で24の誕生日を迎える彼は最悪だった。
育児放棄両親のいる環境に生まれ周囲からの救出の余地もない家で18年生き抜き、成人してから脱兎の如く都会の街に移住した。
しかし和志は職に就けないままフリーターのまま5年以上が過ぎていた。
原因は下積みフリーターとして働いて2年目の夏、彼の後輩が借金を返さずに都会の闇に消えたことがきっかけだった。
それと同時に連帯保証人にされていた和志は約400万の負債を抱えることになりそこからは生活が困窮、このご時世にスマホすら持ってなかった。
必要最低限の暮らし、毎日ただ生き抜く感じ。
月一でちまちま返す借金と減らない額、複利で増える額。
財政の悪化が著しい昨今、フリーターじゃ食えない。
贅沢もない、なんなら毎日風呂に入れない。
日に日に生活が荒み、心が腐る毎日。
そんな彼に、光が差し込んだ。
借金取りの一人から一発逆転の賭博を持ちかけられた。
そこで勝てば借金はチャラになるとのことだ。
彼はその話を受け入れた、この生活から抜け出せるかもしれないと思うと嬉しくて舞い上がっていた。
和志は全ての出来事が有益に感じていた。
ろくに話も聞かずに集合場所と連絡先だけメモして、その日は帰宅した。
人生を変えられるかもしれないきっかけを掴めたことにそれほど興奮していた。
そして今日がその日だった。
タクシーでその場所へ向かっているところだ。
今までのフリーター生活をふと振り返り考えてみたらまるで奴隷と王のようなものだったとつくづく思う。
上の人間からの指示で動き、悪くなくても理不尽な叱責、安い給与…
自分の個性も、趣味も、何も発揮できない。
多少苦労しながらでもいいからただ楽しく生きたいのに。
これはチャンスだ。
今日勝って、心機一転してスタートを切ってゆくゆくは安泰な生活とか結婚とかするんだ。
今日までのらりくらり生きていた自分に不甲斐なくて今にも涙が溢れそうになる。
「クソッ…」
目をこすりながら小さな声でそう呟く。
するとタクシーが止まった。
「ありがとうございます…」
なけなしの金を払い、打ちつける豪雨の中傘を刺してその場所へと足を運ぶ。
「暗いな…ここらへん」
都会の街並み建物の間の狭い路地を通り、抜けた先には一軒だけ灯りのついた建物があった。
昭和っぽい外観で少し汚い建物は不気味で印象はあまり良くない。
ゆっくりとその建物に近づいていくと四人の男が煙草をふかしながら待っていた。
その四人の後ろに金魚のフンのようについていき、外の二階へ続く鉄階段を登って行く。
地獄のような生活を送ってきいた和志は全てが順風満帆にに感じていた。
そんな彼は裏の社会や賭博の本質を知らなくて当たり前だった。
せめてこの時に不信感を抱いていれば、そしてこの場から逃げ出せてでもいれば良かったのかもしれない…
漆黒に染まった夜の中を魔性の灯りが誘う。
和志はそのかぼそい光の中へと消えた。
代表作の方もよろしく、今頑張って書いてめす。
あとREALITYで同名で活動してるからそっちもよろしく。