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殲滅戦

キラービーの固まっている場所は、ルビアの格好の獲物である。


「ファイヤーボール!」


視界に紅蓮の花が咲き、キラービーの死骸がぼたりぼたりと地に落ちた。

僕は生き残りの背を狙って矢を放ち、墜落させていく。

地に落ちれば、イクトとテッサの格好の獲物である。

キラービーの数は多いが、僕等は順調にキラービーの蜂蜜と魔石を貯めていった。


暫くして、水場に出る。いた、熊だ。

水の魔力を纏った熊が、そこにいた。


まず、ウォーターアローが飛んできた。

これを盾で受け止め、熊の攻撃をいなすガイ。

僕はすぐさま矢をつがえ、首をめがけて放った。一発命中。その隙に肉薄し、イクトが頭を落とした。

熊の全身はびっしょりと濡れていた。泳ぎがうまいのかもしれない。これは魔石を取り、一頭丸々マジックバッグに入れた。


その後も湖の周りを回ってみたが、熊はいなかった。

絶好調のルビアによって、キラービーの蜂蜜と魔石が積み上げられていく。


蜂蜜の数が300を超えたあたりで、夕刻となった。


「最後に、ボス部屋に行ってみるか?」


「はいっ、行きたいです!」


時間的にこれで最後なので、ルビアの元気いっぱいの返事に呼応するように、皆で頷いた。


たどり着いたボス部屋で待っていたのは、僕達の背丈ほどあるキラービークィーンだった。

お供のキラービーが50体位いて、両脇に水打ち熊が待機している。

ガイが攻撃をいなしてくれている間に、ルビアは遠慮なくぶちかました。


「ファイヤーボール!」


視界に紅蓮の花が咲き、複数の範囲内に大ダメージを与える。

キラービークィーンの攻撃は鋭利で、ガイの盾がガリガリと音を立てて削れていた。

キラービークィーンの背を狙って矢を放ち、地に落とす。すると、炎から逃れた個体を殲滅したイクトが一閃、キラービークィーンを打ち取った。

矢を引き絞り、水打ち熊の首を狙って矢を放つ。命中。絶命はしていないが、怯んだ隙に、イクトが首を落としていた。

もう一体も同じように討ち取り、収納した熊は、合計3体となった。

キラービークィーンは、金平糖のような、細かい砂糖の粒の入った瓶を落とした。


エドさんによると、飴のように一粒ずつ食べれるという事で、皆でひとつずつ口に入れてみた。

甘い。口に入れたらすぐ溶けてしまった。贅沢な金平糖のようなその飴は、食べたことのない甘さだった。濃密で、しかしサラッとしている。自然の飴のようで、ルビアはとても気に入ったようだった。


途中、キラービーを片付けながら、セーフティエリアに寄る。

水を飲み、一時の休憩だ。


「思ったより戦力が高いから、明日はボス部屋を巡ってみようか」


「賛成。あと、キラービークィーンを倒して、あの飴を手に入れたい」


「俺はゴブリンを倒したい。ボス部屋も行きたい」


「ルビアとイクトか。二人とも大活躍だったな。もう少し慣れたら6Fにも降りれるだろうが、今回は5Fまでだな。即席のパーティにしては良くまとまっている。よし、帰ろう」


エドさんの号令で、僕達は帰路についた。

途中、4Fはゴブリンの数が多く、辟易としてしまったが、イクトは嬉々として倒していた。

4Fをぐるりと回って、討伐証明と魔石も500を超えた所である。

ゴブリンは食べれない割に、徒党を組むので強く、魔石も小さい為、不人気の狩り場である。

しかし間引いて置かないと、スタンビートが起きてしまう為、常設依頼で報酬が出るのだとか。

確かに、僕達以外に人はいないようだった。


3Fのサンドゴーレムをイクトが一閃するのを眺める。

彼はするりと動き、敵を斬る。

僕達も打撃を与えるが、ほぼイクトの一閃で絶命していた。美しい太刀筋である。


「こんなに活躍したの、初めてだ」


イクトは嬉しそうにそう語った。


地下2F、1Fも戦闘を交えながら抜けてきた。

やっと地上である。


ダンジョンの入り口まで戻り、冒険者ギルドを目指す。

到着した冒険者ギルドは、たくさんの冒険者でごった返していた。素材買い取りの列に並び、暫く待つ。中は人がいっぱいいるので、エドさんと僕以外は外で待機だ。


順番が来て、買い取りをお願いする。

高いものは、ゴブリンキングのつけていたサファイヤの首飾りで、金貨5枚、水熊が3頭で金貨6枚と、他の細かいものも全部売って、金貨59枚だった。一人約金貨10枚である。

仕入れ用の予算が増えて、僕はニコニコとしてしまった。

唯一売らなかったのは、キラービークィーンの飴で、売ると金貨3枚になるという話だった。


冒険者ギルドを後にして、宿屋へ向かう。

夜はとっぷりと暮れていて、あちこちから良い匂いがしている。


宿屋に到着し、客室で身支度を整えたら、夕食だ。

メニューは、ミノタウロスの煮込みである。

肉はほろりと柔らかく、濃いめの味付けの煮汁が肉の旨味を吸ってバケットが進む。アツアツで、とても美味しかった。


デザートは、チーズタルトである。

焼きたてのチーズタルトは柔らかく、濃厚なケーキの風味が強いチーズの味と調和していた。


食後は、皆に報酬金を分配し、就寝するばかりである。

寝る前にイクトが来て、クラーケン一匹の仕入れを頼まれた。個人的に家で食べたいとの事である。輸送費含め、金貨四枚を貰い、快諾した。


湯を貰い、固く絞った布巾で身体を拭く。歯磨きをして、就寝した。


翌朝、今日も良く晴れた冬の空である。

朝食のサンドイッチを食べながら、僕はガイと談笑していた。


「結局、デザートってあんまりなかったな」


「冷蔵の魔導具が凄く高いって聞いたよ。市場じゃなくて、北寄りの貴族街に面した通りならありそうじゃない?」


「ああ、なるほどな。屋台だからないんだな。昨日の分配金で懐があったかいから、明日、行けたら行こうぜ」


「うん!」


どこか美味しいデザートのお店を、エドさんに聞こうと心の中でメモをする。


そうこうしているうちに9時になり、宿の前に集合した。


「いいか、今日はボス部屋に行く。地下1Fのボス部屋には、サンドゴーレムとギガントグリズリーが出る。サンドゴーレムは慣れてるだろうが、ギガントグリズリーは動きの早い鉄熊だ。ガイ、しっかりガードするんだぞ。後、血吸い蝙蝠もいるから打ち漏らしがないようにな」


「おう! 皆、頑張ろうぜ!」


「うん!」


イクトを除いた僕達は、ギガントグリズリーがいると知らずにボス部屋に入った冒険者が、怪我をしているのを見たことがある。ああならないように、まずはギガントグリズリーだ。僕はルビアとアイコンタクトをして、頷き合った。


「じゃあ、行くぞ。着いて来てくれ」


僕等はイクトを殿に、歩き出した。エドさんに着いて行く。


やがて初心者ダンジョンに到着し、入り口で入場料を支払った。


地下1Fの階段を降りていく。

血吸い蝙蝠が飛んでくるが、僕の弓と、ルビアの炎が皆に近づけさせない。倒した後はなるべく早く魔石を削り取り、エドさんの後ろを追った。


さて、ボス部屋である。

まず、ガイが入っていき、イクトとテッサが飛び込んだ。ルビアと僕は攻撃開始。僕は弓を引き絞り、ギガントグリズリーの首に向けて矢を放った。2発命中。ルビアの炎がギガントグリズリーの毛皮を焼く。するりと動いたイクトが剣を持って肉薄し、一閃するのを見た。熊の首は落ちていた。

残りは、サンドゴーレムと血吸い蝙蝠である。僕は一匹ずつ血吸い蝙蝠を仕留め、地に落とした。サンドゴーレムは3体いたが、皆の打撃とイクトの一閃により、すぐに片付いた。

ここでの報酬はギガントグリズリーの少し大きめの魔石のみである。一応、ギガントグリズリー一頭丸々マジックバッグに収納しておいた。


「さて、2Fのボス部屋だが、ボーンアンデッドに加えて多数のゴブリンが出る。上位種に注意して戦ってくれ」


「はい!」


僕等は元気良く返事をし、エドさんの後ろを追った。

地下2Fに降り、戦闘を繰り返す。

ボーンアンデッドに打撃を与え、ガラガラと崩れていった骨を掻き分けて魔石を拾う。


ふと見ると1体でふらりと来たゴブリンを、イクトが一閃し、首を落としていた。

相変わらず流れるように美しく、滑らかな太刀筋である。


ガイが釣ってきたボーンアンデッドの団体に目を向け、短剣を持って走り出す。打撃、打撃、一閃。どんどんと崩れていくボーンアンデッド、戦闘が終わったら魔石を拾い出す。

それを何回か繰り返した。


2Fのボス部屋に到着した。

入り口はガイが開け、イクトとテッサが飛び込んで行く。ルビアの詠唱が聞こえた。僕も弓を引き絞り、ゴブリンアーチャーの首を狙った。命中。次にゴブリンメイジを狙う。ゴブリンメイジの魔法がガイの盾に命中。首を狙った矢が刺さる。一閃。するりと動いたイクトの一撃により、ゴブリンメイジの首は落ちた。

6体いたボーンアンデッドは全て倒しており、最後にソードゴブリンを狙う。ルビアの炎に包まれ、怯んだ隙にイクトが肉薄する。一閃し、首が落ちた。


報酬は、ソードゴブリンの持っていた宝剣である。心臓の魔石を取り出し、討伐証明を切り取って、マジックバッグに仕舞った。


次は3Fのボス部屋である。

地下3Fへの階段を降りて、途中戦闘を交えながら、エドさんについて行く。


サンドゴーレムは、打撃が有効である。

そんな中、流れるように美しく、剣戟を一閃。ゴトリとゴーレムが倒れる音がする。

そう、イクトだ。イクトだけ、剣で斬って倒すことが出来ている。

地下3Fのボス部屋は、たくさんのサンドゴーレムとゴブリンが出るとのこと。

数に押されてしまわないように、素早く敵を倒すことが重要だと、エドさんは言っていた。

今のパーティで最大火力はイクトだ。

まず、ガイが盾持ちで中に入り、イクトが目に付いた敵を倒す。打ち漏らしをテッサが倒し、後方の敵は弓と炎で仕留める。そんな作戦を立てた。


地下3Fのボス部屋に到着。

ガイが合図をして、中に入った。イクトが飛び込んでいき、一閃。ゴトリゴトリと、サンドゴーレムの倒れる音がする。僕は弓を引き絞り、ゴブリンアーチャーの首を狙って矢を放った。命中。ゴブリンアーチャーは倒れていき、テッサに首を落とされた。次はゴブリンメイジの首狙って打った。命中。そこに、一閃。イクトの剣で首が落ちた。残りはゴブリンだけである。イクトの一閃とテッサの剣により、残りのゴブリンは、ぱたりぱたりと倒れていった。

ゴブリンは上位種を含め、12体もいた。サンドゴーレムは6体。報酬は、サンドゴーレムが落としたルビー1個である。

魔石と討伐証明を取り、マジックバッグに仕舞った。


さて、次は4Fである。

セーフティエリアまで突っ切っていくと、エドさんが言った。

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