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待っていました

「次は、ルビアの分から運びます。あんみつと各種ドーナツ、珈琲ゼリーです」


「わーい、おいしそうっ」


「次にテッサ。珈琲ゼリーと、バナナ多めのチョコレートパフェ」


「やった。すげぇうまそう」


「次にガイ。珈琲ゼリーと、チョコレートパフェと、チョコレートドーナツ」


「わーい。店のやつはそんなに食べた事なくてさ。うまそぉ」


「最後に坊ちゃん。珈琲ゼリーと、チョコレートパフェ」


「美味しそう。ありがとう、ミラノさん」


「どうぞごゆっくり」


ミラノさんは礼をして厨房へ去っていった。


僕らはゆっくりとスイーツを堪能した。


ルビアはあんみつが気に入ったらしい。


「あんみつの寒天がさっぱりしてて美味しいっ! みつ豆とあんこと黒蜜がねーっ、甘くて美味しいの!」


ガイは珈琲ゼリーが気に入ったらしい。


「このホイップクリームと一緒に食べるかんじが好きだ」


テッサは、チョコレートパフェ。また最後までバナナを残して、最後に完食していた。


「チョコナッツアイスがめちゃうまい。バナナも最高」


僕はやっぱり、チョコレートパフェがおすすめかな。


「ホイップクリームとアイスがぴったり。中のコーンフレークがサクサクしてて美味しい」


皆思い思いにおやつを食べていて、至福のひと時でした。



食後のお茶を飲みながら、今度は第3回、おいしいものを考えよう(仮)の開始だ。


テッサ一押しはおにぎり定食だったけれど、今度は新しいメニューを考えるみたい。


ルビアはクロカンブッシュではなく、アップルパイをおすすめするんだって。たまにお母さんが焼いてくれるから絶対に美味しい! との談です。


「そりゃあ美味しそうだけど、アップルパイに焼きたてアツアツのところ、バニラアイスをのっけたらうまそうだよな」


「賛成っ! じゃあ、冬季はバニラアイス添えでいってみよーっ」


「俺はホットケーキミックスをもっとうまく使いこなしたいんだけど、他になんかないかな?」


「じゃあパウンドケーキはどう? チーズケーキにしてもいいし、ティティー村特産のアマイモを使ってアマイモのパウンドケーキにしてもいいし、季節に合わせてメニューを変えるのもいいんじゃない?」


「いいなそれ。作ってみたい!」


「じゃあ簡単なレシピ渡すから頑張ってみて。材料はカッスィーから買ってくれな」


「おう!」


ガイは製菓にはまっているようだ。ガトーショコラも美味しかったし、ぜひ頑張って欲しい。


「僕は蕎麦をメニュー入りさせたらどうかと思うんだ」


「蕎麦?」


「ミラノさんがこないだざる蕎麦を作ってくれたんだ。パスタみたいな麺類だよ」


「うーん、テッサ、それ美味しい?」


「俺もその時食べさせてもらったんだけど、すごく美味しかったよ。パスタと違うところは、うーん、出汁かなぁ」


「テッサは蕎麦じゃなくてうどんがいいんだっけ?」


「お揚げが乗ったうどんかそばを選べるといいなー」


「なんかわかんないけど、聞いてるだけで美味しそうーっ」


「テッサがあれほど自信ありげなんだから、絶対うまい。うちの食堂は今お米料理の普及を頑張ってるからまだ無理なんだよなぁ」


「ネットスーパーで売ってるものでいいなら、餅もうまいぞ」


「えーっ、それも食べたくなる」


ちらりと見ると、ミラノさんが来てくれていた。


「うどんと蕎麦はこないだ作りましたが、餅ははじめてですね」


「ミラノさん。焼いて膨らんだら出来上がりなんだ。醤油をつけて食べてみて」


テッサが食べ方をレクチャーしている。どうやらアツアツな食べ物のようだ。


僕は餅を購入し、ミラノさんに渡す。


「出来上がったら、4人分作って貰っていい?」


「お任せください」


ミラノさんは厨房へ去っていった。10分程して、焼けた餅を一人ずつ配膳して貰う。


「あつっ、うまーい」


「伸びるーっ、なにこれ美味しい」


「外側がパリパリで中が伸びる。面白れぇ食べ物だな」


「お餅ってご飯みたいだね」


「そう、これお米で出来てるんだ。いつもの米じゃなくて、もち米っていう米を炊いてついた食べ物なんだ」


「へえー。さすがテッサ。物知りだね」


「これ、スイーツになりそう?」


「さすがルビア。ぜんざいっていうスイーツになるよ。小豆を甘く煮たものと一緒に食べるんだ」


「美味しそうーっ!」


お餅が伸びること、ご飯のように食べられること、スイーツになること。

どれもが衝撃で、子供達はパニックになってしまっていた。

そんな中ミラノさんは冷静で、もち米を希望していたよ。どこまでもストイックだよね。

テッサは出来立ての餅は格別だから、と、作り方を教えに行ってしまった。


「ルビア、ガイ、大丈夫?」


「平気だよーっ。ちょっと熱中しすぎちゃったよね」


「俺も大丈夫。まさか伸びるとは思わなくってびっくりしちまったよ」


そう喋っていると、テッサが戻ってきた。


「ミラノさんがいろんな餅のスイーツを作ってくれるってさ。あんころ餅もぜんざいも楽しみだ」


「うちの食堂に話をしていいか? あんみつみたいな食べ物だろ? きっとメニュー入りするから楽しみだ」


「勿論いいぞ。ニネさん達に宜しくな」


ミラノさんは快諾してくれた。


「じゃあそろそろ解散しよっか」


「そうしよーっ。またお腹すいてきちゃう」


「おやつも餅もうまかったなー」


「また集まろうぜ」


「じゃあ皆、お疲れ様。気を付けて帰ってね」


僕は皆を見送ると、自室に戻り、火照った熱気を冷ますように窓を開けた。


来年餅つき大会が出来たらいい、なんてテッサは言ってたけど、ほんとに出来たらいいよね。

聞く限りすごく楽しそうな催しなんだもの。父さんと母さんにも聞いてみよう。

お読みいただき、ありがとうございました。


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