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ガチャと新しい食堂

翌日の朝食後。

テッサが来てくれたので、さっそくガチャを回していく。


今まで、旅の間もしっかり砂時計は倒し続けて来た。

とうとう100回ガチャが引けるかと思うと、少し感慨深い。


【ログインボーナス・248日目】

【緑茶を手に入れました】

【ガチャ回数券が277枚あります】

【1回ガチャを回しますか? Yes or No】

【10回ガチャを回しますか? Yes or No】

【100回ガチャを回しますか? Yes or No】

【砂時計を獲得しました】

【砂時計を倒しますか? Yes or No】


砂時計を倒しますか? Yes を押して、砂時計の絵がくるりと回り、砂が落ちていく様を眺める。

30秒経って砂が落ちきり、【ガチャ回数券を3枚手に入れました】と表示が出た。


これにより、メッセージは以下のように変化した。


【ログインボーナス・248日目】

【緑茶を手に入れました】

【ガチャ回数券が280枚あります】

【1回ガチャを回しますか? Yes or No】

【10回ガチャを回しますか? Yes or No】

【100回ガチャを回しますか? Yes or No】


ガチャ回数券が280枚になり、100回ガチャを回せるようになった。


100回ガチャを回しますか? Yes を押して、丸い絵がぐるぐると回るのを眺める。

10枚カードが出てきて、順番に並んだ。

今回は、白いカードが8枚に、赤いカードが2枚だった。


カードに触れて、出て来たものを受け取っていく。

魔導コイルとファウト鋼が凄い数になっているが、ミスリルが20個も出たことで、驚きは、一段と大きなものになった。


普段であれば10個出ればいいほうなのに、20個も出た。

これが100回ガチャの成果なのかと、暫し呆然としてしまった。


そして、残り1回、100回ガチャを選んだ。


ミスリルは20個ずつ出たが、宝飾品は一個も出なかった。


テッサは合計160個もの魔導コイルとファウト鋼をマジックバックに収納し、合計40個のミスリルもマジックバックに仕舞った。


ガチャ回数券は残り80枚あるが、100回ガチャの方がお得だと思うので、10回ガチャは回さないでおく。


「ミスリルがこんなに出るなんて、びっくりしたね」


「そうだな。親父も全部は買い取れないかもしれねぇや。そしたら持ってくるからさ」


「うん、わかったよ」


「じゃあ、一旦家に帰ってくるわ。鑑定師やりに戻ってくるから、倉庫で待っててくれ」


「わかった。今日は一日納品にかかると思うから、昼食はうちで食べていきなよ。ダンジョン素材を仕入れたんだ」


テッサは大喜びで了承の返事をすると、家に帰って行った。


その後、倉庫でテッサを待つ。

色んな鑑定師と仕事をしてきたけど、テッサの安心感は抜群だ。短い間だけど、一緒に仕事が出来て嬉しいなと、思うのだった。


やがてテッサが来て、納品を始める。

酒類は種類が多く、数も多い。

どんどん出していく。


やがて、昼食の時間になったので、食堂へ行く。


昼食は、岩蛙の唐揚げだった。

僕は塩をつけて食べたが、ほろほろとした身がじゅわっとした油で一段階上の美味しさを手に入れたように思えた。


デザートは、苺のショートケーキだ。

柔らかなスポンジと滑らかなホイップクリーム、甘酸っぱいイチゴと、美味しいハーモニーを醸し出していた。


食事が終わると、また納品だ。

テッサには悪いが、半年分なのでまだまだ終わらない。


チェックをして、積んでる合間に雑談をする。


「食堂が新しく出来たって聞いたけど」


「ああ。北の方に出来たんだよ。春に来た入植者でテンさんっていうんだけど、ニネさんに弟子入りしたんだ。今は日替わりと簡単なおやつを出してるよ」


「へえ、行ってみたいな」


「じゃあ、明日の昼に行こうぜ」


僕は了解の返事をして、明日を楽しみにする事になった。


それからしばらく納品を続けて、夕刻になった為、テッサは帰って行った。


夕飯に呼ばれ、席に着く。


上座に、父さんと母さん。

こちら側に、カミーラ師匠と僕、ニンゲさんとロックさん。


「では、晩餐を始める」


父さんの声を合図に配膳されたのは、ファイヤーバードの照り焼きだった。

あまじょっぱく味付けされた鶏肉は、肉の味が濃く、とっても美味しかった。


デザートは、チョコレートケーキ。

どっしりとしたチョコレートケーキに、ブランデーがほのかに香る。チョコレートの味が濃く、濃厚な美味しさをゆっくりと味わった。


食後のお茶を飲んでいると、父さんに呼び止められた。


「カッスィー、これからニネが来る。それと、弟子にしたテンの紹介もある。ダンジョン素材の買い付けに来るんだが、大丈夫か?」


「大丈夫だよ、父さん。テンさんの事は、気になってたんだ。明日、お店に食べに行く予定なんだよ」


ならばいい、と父さんは解散を宣言した。

僕はお茶をゆっくり飲み干して、席を立った。


厨房の控え室へ行くと、ニネさんと、見慣れない男性がいた。恰幅が良く、短い黒髪で彫りの深い顔付き。年齢は、20才くらいだろうか。


「こんばんは、ニネさん。ご無沙汰してます。こちらの方が、テンさんですか?」


「久しぶりだな、カッスィー。ダンジョン素材を、たっぷり買わせて貰うぞ。それでこいつが弟子にしたテンだ。元々料理人をやってたから店を持たせているが、俺から学びたいという変わり者だ」


「初めまして、テンです。親方の味に惚れて弟子にして貰いました。村の北側で食堂やってます。良かったら食べに来て下さい。それと、日替わりに使えそうな素材を売って下さい」


僕は快く了解し、テンさんにはオークを、ニネさんにはクラーケンと岩蛙、キラーホーンをたっぷりと売った。


「テンさん、明日のお昼に食べに行くから、宜しくね」


「じゃあ、ガイも一緒に行けって言っとくわ。テンの味を味わうのも、勉強になるだろうからな」


その外フルーツも持って行って貰い、「これはどこの果物ですか」と、ついていけない顔をしたテンさんが印象的だった。


世の中にフルーツってあんまりない気がする。旅をしている間だって、新鮮な果物は、あまり見なかった。

多分、輸送の問題で、あるにはあるけどすぐにだめになっちゃうんじゃないかな。

誰もが時間停止機能付き魔法鞄を持っているわけじゃないんだから。


僕が持っている果物の苗は、ラグナスティール王国じゅうを回る事になるだろう。


この村には元々花の蜜位しか甘味がない。

何か一つくらい、果物の木を植えていいような気がする。


王宮の人達が動いてるから、勝手な事はしないけどさ。とれたての果物を食べるのって、ある意味夢だよね。


ニネさんとテンさんと別れ、部屋に戻り、お風呂に入る。


お風呂から上がった後、牛乳を飲んで、歯磨きをした後、就寝した。


翌日、朝食後。


今日も朝から納品だ。

テッサと共に、ホットケーキミックスから納品していく。


テッサがチェックした後、積んでいく。

それを繰り返していると、あっと言う間に中天になった。


外に出ると、丁度ガイが来たところだった。

しかも、紫の髪をツインテールでリボンで縛ったルビアも来ていた。


「カッスィー、お帰り! 久しぶりだね」


「カッスィー、久しぶり! 折角だからルビアも呼んできたぜ!」


ルビアは相変わらずのハイテンションで、ガイも元気いっぱいのようだ。


「皆で集まれて嬉しいよ。じゃあ、テンさんの店に行こうか」


皆が了承し、ぞろぞろと歩いて行く。

お読みいただき、ありがとうございました。


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