ヲタッキーズ117 世界TO会議
ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!
異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!
秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。
ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。
ヲトナのジュブナイル第117話"世界TO会議"さて、今回は世界のトップヲタクを集めた会議場で、ヲタッキーズを狙ったと思われる爆弾テロが発生します。
会議メンバーには武器商人に陰謀論者…首相銃撃に関する陰謀論が再燃、渦巻く中で神田リバー沿いの再開発をめぐる利権問題も浮上して…
お楽しみいただければ幸いです。
第1章 世界TO会議
「今、世界経済は試練の時だ。世界人口の減少、経済規模の縮小、資本主義の危機、足元では不安定なエネルギー情勢、激化スル気候変動…ぜひ実りある2日間にしたいと願っている。だからこそ、私は…」
その時、いきなりステーキ…じゃなかった、大爆発w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「今、世界経済は試練の時だ…」
動画を止め、狭い移動指揮車の中でラギィ警部が指差す。
「コイツょ!今、会議室を出て逝ったメイドが容疑者!会議室の防犯カメラにバッチリ写ってる!」
「確かに爆発直前に会議室を出てるね…ところで、この会議は何?」
「世界TO会議は"ヲタ活から世界経済を回す"がテーマの国際会議。今やヲタ活は、タマゴと並ぶ物価の優等生。団塊の世代が日本経済を沈没させた30年間、ジェネレーションZはヲタク経済の市場規模を着実に拡大、休むコトなく日本経済を、そして世界経済をも発展させてきたって主張。海外ではダボス会議のヲタク版として注目されてる…で、このメイド容疑者、データベースで照合したけどヒット無し」
続いて駐車場のカメラ画像が流れる。
同じメイドが駐車場を横切って逝く。
「同じメイドだね」
「画像のタイムを見て」
「爆発の5分前だ」
万世橋の敏腕警部ラギィがうなる。
僕達は指揮車を出て、現場に出る。
「爆弾を仕掛けに行ったワケだ。ヒトラー暗殺みたい」
「エアリ、何かわかった?」
「犠牲者はゼロ。テロの目的がイマイチ不明瞭」
メイド服のエアリは、ヲタッキーズの妖精担当だ。
空を飛ぶための羽根はメイド服の下に畳まれてる。
「恐らく硝酸アンモニウムを混ぜた起動信管付きTNT爆弾だわ。テリィたんの元カノで爆弾魔のミモサ・マクビが使う爆弾に似てる」
「そーゆー面倒臭い注釈を交えるな。しかもソレ、憶測だろ?そもそも、ミモサは元カノじゃナイし…」
「アンタが責任者?」
ラギィ警部に声をかけて来たビジネスパーソンは…ん?さっきの動画で世界TO会議とやらを仕切ってた男じゃナイかw
「私は、ブレド・ハンソ。世界TO会議の議長にして、歴史的建築物である"神田川倶楽部"のオーナーだ。私は、倶楽部にいる全員に対し責任がアル。今から現場に入るぞ。一刻も早く爆破犯の手がかりを見つけなくては」
「ちょっと待ってょ。ウチの鑑識が来るまで現場を荒らさないで。捜査妨害でパクるわょ?」
「好きにしろ」
男は強気だ。目の前で爆発があったというのに…
ラギィは周囲を見回し近くのトラックを指差す。
「ハンソさん。貴方は誰かに盗撮されるようなコトを?」
「パパラッチか?私はセレブだからな」
「アソコの黄色いトラックに乗ってるメイドさん、さっきから貴方の動画を撮ってるけど」
みんなが一斉に振り向いたので、黄色いトラックのメイドも気づき、黄色いトラックを慌てて発車させる。
メイドは、一目瞭然でさっきの動画のメイドなんだが…恐ろしく"太め"だ。アレは、ミモサじゃナイなw
「ミモサは"半島動乱2"では勲章も受けた英雄だ。彼女は、常に爆弾は複数仕掛けるが、2コ目はいつも偽物で…しかし、ソンなコトは"太めの模倣犯"は知らないだろうな」
「タイヘン!相棒のマリレが倶楽部の中です。オーナーのブレド・ハンソもさっき中に入って行きました!」
「全員避難した方がいい。ビルから出るんだ!」
驚天動地の大騒ぎだ。全員が一斉に避難を開始!
エアリは羽根を広げ各階毎に避難を叫んで回る。
「マリレ、逃げて!避難命令ょ!鑑識のみなさんも!」
会議室で証拠を集めていた鑑識を全員抱え、空中へ飛び出すヲタッキーズ。エアリは妖精、マリレはロケットガールだ。
「行きます!」
全員が空中へ飛び出した瞬間、会議室フロアで爆発が始まり次々と窓が粉々に吹き飛び、爆炎を噴き出す!危機一髪w
第2章 神田川倶楽部
現場の指揮車。
「2度目の爆発で防犯カメラは壊れたけど、データは少し残ってる。ルイナのラボで復元出来る?…一応、ミモサ絡みってコトにすればSATOとの合同捜査に出来るけど」
南秋葉原条約機構は、アキバに開いた"リアルの裂け目"からの脅威に対抗スル首相官邸直属の防衛組織だ。
ミモサは"blood type BLUE"つまり異次元人なので、彼女の絡む事案は自動的に万世橋との合同捜査だ。
で、ヲタッキーズはSATO傘下の民間軍事会社。
「OK。その…世界TO会議だっけ?」
「YES。2000年に開設。合言葉は"ヲタ活は世界経済を回す"でダボス会議の東京オフィスも会員登録してるわ。発起人にはホリエモンとか…バブリーな億万長者クラブって感じ」
「会員達は、その地位に昇り詰めるまでに大勢を敵に回してきた連中だ。そのウチの誰かがこの騒ぎを起こしたのかな」
神田リバー沿いに張られた非常線の中は、2度の爆発で警察や消防、救急でゴッタ返してる。命令、呪詛、祈りの声…
「負傷者にジステ・コペンだと?」
「大物投資家として知られるけど、裏では武器商人をやってる。内調の監視対象です」
「ソンな闇の大物が、危険を犯してまでこんな会議に出るかな?」
まさかグローバルな思考の持主なのか?笑
「ネットではWTOは世界秩序を再編中らしい。長期金利、通貨、ガソリン…最近では台風の進路まで裏で動かしてるとの噂だ。逆に、悪いコトはウクライダ侵攻でも、何でもかんでも全てWTOのせい。まさに"陰謀論のデパート"だな」
"ヲタッキーズも共犯"とのネット記事が画像に写る。ヲタッキーズはスーパーヒロイン集団で…一応、僕がCEOだw
「僕達、もう巻き込まれてる?」
「"ウェイコの虐殺は官僚的ヲタッキーズによる犯行"」
「官僚的ヲタッキーズ?最大の侮辱だな」
瞬間の印象を競うネット記事にはウンザリだ。
「やれやれ。今回も、先ずWTOを爆破してヲタッキーズを呼び寄せ、2度目の爆発で片づける作戦だったとか?」
現場に硝煙がたなびき、負傷者が天を仰ぐ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いよいよ卒業シーズンだ。アキバ工科大学の今年度卒業生にアプリを通じて何ゴトかを熱心に説くルイナ。
ルイナは、史上最年少で首相官邸アドバイザーに就任した超天才で車椅子とゴスロリがトレードマークだ。
ヲタッキーズの仲間でもアル。
「レディース&ジェントルメン、3Dプロジェクションマッピングのお時間ょ」
「座標は139度77分42秒」
「秋葉原に新しいランドマークの誕生させましょ!」
相棒のスピアが高層タワーの模型を持って来る。
「ただし、英雄的な作戦には常に犠牲も必要だわ」
「あ、スピア。そこは省略で」
「アキバ工科大学おいては"計算尺は剣より強し"ょ。金曜夜の"卒業ドッキリライトアップ"は、きっと貴方達の生涯の想い出になるわ」
ココでラボに入って来たのは…あれ?ミクス?君か?
「あのタワマン、北側の監視カメラに死角あるそうょ」
「あ。えっとワザワザ最高検察庁から美人検事がお見えなので、僕はドミノ波の分析について話して来るよ。さ行こう、ミクス。良い夜だ」←
「あら、ラッツ。来てたの?」
渋谷時代のネームで僕を呼ぶ、実は彼女は元カノw
ミクスの肩を抱き、かろうじてラボを出て逝く僕←
チラ見したルイナが学生にささやく。
「覚えておいて。最後までシラを切り通してこそTOょ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。万世橋に立ち上がった捜査本部。
「2回目の爆発では死者が出ました。救急隊員2名です」
「黄色いトラックは?」
「行方をくらましました」
バツの悪そうな刑事達。ラギィは大きく溜め息。
「で、神田川倶楽部の従業員は当たったの?」
「このメイドだけが身元不明です。ジョル・ブゥスは偽名、住所はデタラメでした」
「御屋敷に属さない"流れのメイド"ね?」
恐らく例の太めのメイドだ。
「特に周囲に爆破計画を漏らした形跡もありません」
「仲間はいないの?ひきこもり系?」
「…にしては逃げ足が早く、追跡は難航しています」
言い訳ばかりだわ。ラギィ警部はウンザリ顔だ。
「よし!警部、出ました。中庭の監視カメラ映像です」
「あら?結構マトモな絵じゃナイの」
「コレなら顔認識ソフトで照合が出来ます!」
黄色いトラックに乗り込む太めのメイド。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方、ルイナのラボに画像データが届く。
「ルイナ、どう?爆発の影響で破損してるけど」
「現場は"神田川倶楽部"だっけ?レトロでお洒落」
「再生するわよ…あらぁダメだわ」
スピアが再生すると…画面はモザイクだらけだw
「メガヘルツの電界強度でやられてる」
「首都高ハイウェイポリスが撮った写真を1枚渡しておくわ。太めが岩本町の料金所を通った時の」
「助かるわ」
アプリ越しに心配げなラギィ。
「で、修復出来る?」
「うーんペンギンをイメージして」
「ペンギン?」
ラギィ警部はキョトンとした顔だ。
「皇帝ペンギンは外見が似てる。だから、鳴き声で相手を識別スルの。でも、一斉に鳴いた時は、複数の識別情報から家族を見分ける。ビデオの復元では、万世橋も首都高HPも街中の映像をスキャンする。そして、識別情報を探すワケ。例えば車種や運転手ね」
「そこから足取りを導くの?」
「ご名答」
満足そうに微笑むラギィ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
引き続き、万世橋の捜査本部。
「どんな感じ?」
「あ、警部。WTOにはweb上に37の抗議サイトがあって、37人の偽名や匿名のイカれたブロガーが攻撃を繰り返してます」
「鑑識によると爆弾は素人レベル。手口も記録にある組織とは一致しません」
ラギィ警部は、腕組みして考える。
「どうやら、テロでは無さそうね」
「地元のダークウェブ系のイカれた連中を調べてみます。最初の爆発で死者が出なかった理由とかわかるかも」
「WTOやヲタッキーズがターゲットなら、彼等は未だ目的を果たしてナイわ」
若い刑事は何処かウレしそうだw
「犯人は、また仕掛けて来ますね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕は、ミクスをUDXのペデストリアンデッキに連れ出す。
「WTO会議の開催地は、バルセロナやアマルフィなんだって。ソレも自家用ジェットで乗り付けるのがお約束なのょ!」
「そりゃ…エコじゃナイな」
「2度目の爆発に巻き込まれたWTOのトップだけど、退院したらしいわ。一緒に尋問スル?」
ミクスは、最高検察庁の次長検事だ。法曹界の超エリートw
「ミクス。僕は…」
「今朝、ラビからラッツに電話がかかってきたわ。まさか、敬虔な信者にデモなるつもり?」
「いや。今度、屋根の上のバイオリン弾きで主役をやるコトになって」
微笑みながら僕を見上げる優しい眼差し。彼女の得意技←
「セラピー中にヤタラとタイトスカートで脚を組み替える精神分析医の次はラビ?ラッツ、どーゆーつもり?」
「何教でも良いから聖人になりたいんだ」←
「私は、クラレンス・ダロウと同じ意見よ。"神への畏怖は英知の終わり"。宗教より法律の方が良い指針になるわ」
フト彼女と百軒店の裏通りで同棲してた頃を想い出す。
「少なくとも、刑法の中には僕の答えはナイょ」
「あら。性、政治、宗教のうち2つはクリアしてるのに」
「残りの1つが問題ナンだ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
SATO司令部は、パーツ通りの、とあるゲーセンの地下深く秘密裡につくられ、ルイナのラボを併設している。
「WTOって、プーチンを支援してルンだって!」
「ヤメてょスピア。くだらない陰謀説」
「確かに同時多発テロの陰謀説は嘘だったけど」
唇を尖らせる相棒のスピアはストリート育ちのハッカーだ。
「でも、陰謀説って意外に人間の行動を合理的に捉えてるって思う。ソレってあるあるって話ばかりだモノ」
この会話は、ナゼか何者かに盗聴されているw
「クレア・アリソンの合理モデルね。ルーズベルトは、真珠湾奇襲を知ってたけど、航空攻撃だとは思ってなかった、とか」
「ジャニーズのキンプリは全員死亡して今は替え玉とか?」
「え。そーなの?」
超天才ルイナの度肝を抜くスピア。ルイナがヒラメキ、スピアがアルゴリズムに落とす。2人は名コンビだ。
「はい、さっきのアルゴリズムの解析結果が出たわ。容疑者の最後の足取り判明ょ」
「え。ドコ何処?」
「東秋葉原の和泉パークの近く」
アキバの何処かでソレを聞き、ニヤリと笑う人影。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
2度目の爆発で負傷したWTO議長のブレド・ハンソは駅直結の超豪華タワマンに住んでいる。専用地下駐車場で面会。
「ヨーヘン・パイパーが乗ってたシュビムワーゲン?あのアルデンヌの写真で有名な?」
「モチロンだ。本人の落書きもアル。この水陸両用車なら万一、神田リバーに落ちても安心だ。ヘッジファンドの首魁である私は安全第一だからな」
「あら。貴方の事故を望む人はたくさんイルのに」
シレっと毒を吐く最高検察庁ミクス次長検事殿←
「ソイツらは、世界新秩序なんて考えていない。"半島動乱2"の終息後、WTOが金正日を匿ってるとか言われてるが、真っ赤な嘘だ。事実なら面白いが」
「じゃ今はWTOはどんな活動をしてるの?」
「ミャンマーの灌漑や子供達への義足支援だ」
僕は、運転席に座ってみる。シュマイザーが欲しいなw
「WTOは、ミャンマーの母親達から感謝されてるのだ」
「地雷を売り捌いてる武器商人のコペンも?」
「彼は、メコン川西岸地区に緊急治療室を作った。私達は志を共有スル同士だ。敵ではない」
食い下がるミクス。僕はスクリューを回転させるw
「じゃ貴方の敵は誰なの?」
「今まで取引した全ての企業だな」←
「WTOの会員を教えて。リストの提出命令も出せるけど」
鷹揚に答えるハンソ議長。
「我々は、あくまで任意の民間団体ナンだが…出来るだけの協力はしよう。持てる者の義務だ」
スクリューだと思ったら…ワイパーが作動w
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。ルイナのラボ。
「秋葉原中の街頭カメラをハッキングして、70以上の画像をゲットした。時系列でつなげたら、容疑者の足取りが判明」
「神田花岡町45?また東秋葉原?ってかホトンド浅草橋じゃナイの」
「メイナ・グギル…捜査官の脅迫で逮捕歴?マイナンバーカードの画像があるわ。防衛省の要注意人物。3ヶ月で5回も市ヶ谷にお出掛けしてる」
5回ともコスプレだ。メイド、バニー、巫女、天使…
「うーんテロリストには見えないわ」
「爆弾も素人レベルだし」
「あら。ブログがアルわ。今どきブログって…」
ラボのモニターに"メイナのブログ"の画像が映る。
「え。ナニナニ?"WTOの活動を阻止せよ!官邸を操る闇の政府SATOを暴く"あらあら。ずいぶん勇ましいのね」
「外神田ムービー学校でビジュアルアート専攻。自称ドキュメンタリー監督?ジャーナリスト志望なの?もっぱら、戦後日本の裏面を暴く映像を撮ってるみたいね」
「戦後日本?生まれてナイでしょ?」
いや、生まれてるw
「湾岸戦争の戦後らしいわ…しかし、映像学校は、いつから爆弾テロの方法を教えるようになったの?住所がわかったからヲタッキーズに行ってもらお?」
その様子をパーツ通りの車の中で盗聴している"誰か"。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「私からはWTOの目的について、お話しさせていただきたい。今、世界経済は試練の時だ。世界人口の減少、経済規模の縮小、資本主義の危機…」
シェアハウスと呼ぶには余りにレトロな安アパートだ。
太めのメイドが鼻に鉛筆を乗せ共用PCで動画を閲覧w
「…足元では不安定なエネルギー情勢、激化スル気候変動…ぜひ実りある2日間にしたいと願っている。だからこそ、私は…」
画像を見ているメイナは鼻に鉛筆を載せている。開け放しのドアから音もなく部屋に入るメイド服のエアリ&マリレ。
「ヲタッキーズょ。こんにちわ」
背後から声をかける。メイナ・グギルは正真正銘ビックリ仰天して立ち上がり、傍らのカメラを構え、2人に向ける!
「全て録画してるわょ!」
「はい?カメラを止めるな、じゃなかった、下ろして」
「みんな、助けて!殺されるわ!おかーさーん!」
大声で泣き叫び、素早く自撮りを始めるw
「誰が誰を殺すの?」
「どーしたの?メイナ、この人達は…メイド仲間?」
「ヲタッキーズょ。みんな部屋に戻って!」
メイナもヲタッキーズもメイド服だが、ワラワラ出て来た住人達も全員メイド服だ。何なんだ、このアパートは?
「通報して!」
「待って。私達はヲタッキーズ…」
「気をつけて!ニセの身分証ょ。幽体離脱の可能性もアルわ」
騒ぎ立てるメイナ。太めなので迫力がアルw
「今、私のコトを太めと思ったでしょ?最近はAVも高身長ばかり幅をきかせてズルいわ。ポッチャリだって売れるハズなのに…」
「あら、貴女達には昔からデブ専ジャンルがアルじゃない。とにかく!このIDはモノホンょ。貴女を逮捕も出来るけど」
「怖くないわ。大人しく従うモンですか!」
床に大の字になり、手脚をバタバタさせるメイナ。
すっかり呆れたエアリとマリレが上から覗き込む。
「催涙スプレーかけるけど、OK?」
スックと起き上がるメイナ。
「手を後ろに回スンでしょ?ランデ、ジエニ!私の犠牲を無駄にしないで!アテカ、後を頼むわ!金魚の世話を忘れズに!」
コーンフレークを食べながら出て来たメイドがうなずく。
「どっちの階段から行く?」
「右ね」
「OK」
逝うだけ逝うとヤタラ大人しく連行されるメイナ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その夜の"潜り酒場"。
御屋敷のバックヤードをスチームパンク風に改装したら居心地良くて常連の沈殿率が急上昇。メイド長はオカンムリだw
僕の推しミユリさんは、スーパーヒロインのムーンライトセレナーダーに変身スルんだが、いつもはココのメイド長だ。
「もしもし?」
「ミユリさん、スマホが鳴ってから出れば?」
「声が聞こえたような気がして…ルイナ。何で3Dプロジェクションマッピングなの?」
ミユリさんはモニターに向かって話しかける。車椅子のルイナはラボからの参戦、いつも"オンライン飲み"なのだ。
「アキバ工科大学の今年の"卒業ドッキリ"に知恵を貸そうと思って」
「楽しそう。電話ボックスに10人とか?学部長の車に5kgの化学肥料とか?お手伝いしたいけど、また経歴に傷がつくと困るわ」
「え。"また"って?」
カウンター席の僕は少し驚く。慌てるミユリさん。
「前にお話ししたでしょ?昔、逮捕されかけたのです」
「初耳だ」
「あら。実はコンサートに行った時、元カレが大麻を持ってて、そこに警察官がいたから…ねぇ笑えるお話しナンですょ?」
御屋敷に微妙な空気が流れる。
「テリィ様がいらっしゃらなくて、ホント残念でした」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
検察庁の取調室。
「私を殺しに来たのだと思った」
「メイナ・グギルさん。その前に裁判にかけるのよ」
「罪状は首相銃撃事件の暴露記事ね?」
ソンなモノを描いてるの?内心驚愕するミクス。
「首相銃撃事件も今回の件と何か関係あるの?」
「全て繋がってる。ドイツ語で撮った"ヒトラーは宇宙ステーションで生きている"は失敗だったけど」
「…神田川倶楽部に話を絞ろ?」
すると、太めのメイドは、明らかにキョトンとスル。
「誰が爆破したの?」
「貴女よっ!」
「私?!」
ミクスは証拠品袋に入った記憶媒体を見せる。
「偽名でお給仕してたでしょ?そして、爆発の5分前にズラかった。ちゃんと画像がアルの」
「ええ。でも、ソレは動画をUPしたかったから。永田町も盗撮してたの?助かったわ」
「わぉわぉわぉ。ダメょ返しなさい!」
証拠品袋をポケットに入れようとするメイナw
「WTOの陰謀を暴露したいの。お願いょ…環境会議ナンて嘘っぱち。奴等は、マーケットを動かし、大統領選挙をも操っている」
「まさか…」
「ソレに大相撲の勝敗も決めている。(ヒソヒソ声で)そうでなきゃ連勝中の大鵬々に土がつくハズ無いでしょ?」
陰謀論を語る者に独特の目つきだw
だんだんウンザリして来るミクス←
「メイナ。なぜ爆発直前に会議室を出たの?」
「追っ手をまいたの」
「そう」
限界だわwミクスは立ち上がり回れ右。その背中に…
「検事さん!その動画、頂戴ょ映画祭に応募スルから!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。万世橋の捜査本部でヲタッキーズの2人。
「エアリ。メイナの陰謀説、面白いわょ。ジージンピンは旧ソ連のスパイでゲイだって」
「しかも、マリリン・モンローとキリストは伊豆七島で存命らしいわ。マリレ、知ってた?」
「ソンなコトより首相銃撃は?単独犯ナンでしょ?」
「でも、照準器のない手作り銃で4.8秒に2発も撃てる?」
「元特殊作戦群なんだって」
「弾道検査では1発目は正面からだったらしいわ。硝煙反応の検査結果もネットにUPされてる」
「信頼性なさそー」
「でも、逮捕された浮浪者はキレイに髭を剃り、ブランド靴を履いていた」
「お洒落ねぇ」
不毛な陰謀論を断ち切るようにラギィ警部が入って来る。
「残念ながらメイナ・グギルと爆弾がつながる証拠は見つからなかったわ」
「爆発物の残渣は?」
「タバコはもちろんマッチ1本火事のもと、じゃなかった、マッチ1本見つからないの。あ、マッチって死語w」
万世橋の鑑識は優秀だ。そう簡単に見落とすハズがない。
「誰かプロの掃除屋が入ったのね。指紋も全て拭き取ってあったし」
「でもね…そもそも空気中に爆薬成分が存在しないの。そこまではプロでも拭き取れないハズょ」
「別の場所の可能性は?」
ラギィ警部はフランス人みたいに肩をスボめる。
「メイナの服も女子のポケットwも全て調べたけどシロよ。爆発物の残留物は出なかった」
顔を見合わせるエアリ&マリレ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同じく同時刻。"潜り酒場"。
「別に僕からミクスに改宗を迫ったワケじゃないんだょミユリさん」
「で、彼女に笑われたのですか?」
「ミクスは、単純に僕と同じ方向を向いていたいだけだ」
ミユリさんは、カウンターの中から僕を見つめる。
「彼女がテリィ様に別の何かを求めているとしたら、どーなさるおつもり?」
「だから、困ってルンじゃナイか!」←
「テリィ様と私も、良くモメますょね?」
そーかな?
「萌えたコト?」
「モメたコトです!」
「ダッジオーブンのコト?」
僕の趣味はダッジオーブンで、よく庭で料理スル。
「ミートローフじゃなくピザ風ステーキを作っていただきました」
「御屋敷の平和のためだ。やむを得ない」
「でしょ?個性の違いって絆を強くスルのです」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「犯人の手作り銃は、最初アイアンサイト付きだったのょ」
「警察庁長官曰く。銃撃犯は3人いる」
「筆跡鑑定から同一人物だと断定されてるわ」
エアリが素っ頓狂な声を上げる。
「え?邪馬台国って青森にあったの?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さらに同時刻。ラボの隣にあるギャレーでルイナ&スピア。
「ねぇスピア。メンケンは"愚か者は自分が陰謀説の被害者であり、自らの失敗をウォール街の狼男のせいだと考えている"って言ってるの」
「ルイナ、ソレ誰?もしかして、私が愚か者だと言ってるの?」
「私じゃナイわ。メンケンょ」←
ギャレーでコーヒーを淹れてラボに戻ると…ラボが荒らされているw棚は倒れフロアいっぱいにペーパーが散乱!
「コレって…メンケンの狼男の仕業?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
エアリとマリレの不毛な議論は続くw
「首相の浮気相手は内調職員の妻だったらしいわ」
「彼女は2019年には離婚してて、浮気は2021年からだったそうょ!週刊誌で読んだわ」
「あら」
署の地下駐車場に下りると、現場に出た移動指揮車の窓ガラスが粉々に割られており、車内が荒らされているw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
"潜り酒場"はバックヤードなんだけど、表の御屋敷が混み出して留守にしてたら…
「テリィ様。バックヤードから怪しい物音がします。見て来ていただけません?」
「え。何か怖いな。ミユリさん、一緒に行こう」
「Wi-Fiの修理を頼んだのですが…スマホからおかしな雑音が聞こえるので」
果たして!カウンターやフロアいっぱいに伝票やら何やらが散乱、開けっ放しにしてたPCも誰かがアクセスした形跡w
「まぁタイヘン」
「ミユリさん、どこにも触るな」
「やはり私達、盗聴されてたんですね」
ミユリさんのスマホが鳴る。
「わかったわ。そうなの?…テリィ様。ルイナのラボや万世橋の移動指揮車も荒らされたそうです」
僕は、ドアノブを確認。
「壊れてない。相手はプロだ。しかし、液晶TVや銀食器は無事だから狙いは金目のものじゃなさそうだ」
「例の陰謀論絡みのモノでしょうか」
「だろうな。やれやれ、次は何を仕掛けてくるやら」
第3章 闇のスーパーヒロイン
荒らされた者同士と逝うコトでルイナのラボを訪問。
「テリィたん。ヘンなの。私の研究は全く手付かズなのょ」
「1番ヘンなのは押し入られる前より、今の方が片付いて見えるってコトだな」←
「ひどーい。ソンなコトより3重のセキュリティが難なく突破されてる」
ハッカーのスピアは、明らかにショックを受けている。
「宇宙作戦群が使ってるレーザー誘導爆弾と同じ暗号を使ってたのに」
「で、中身は?」
「表現理論の研究ナンだけど。全て電子文書化してあるから…恐らく"誰か"は極秘文書へのバックドアを探してたんだと思う」
超天才ルイナによるまとめ。
「"誰か"は、ラボや"潜り酒場"、万世橋の移動指揮車まで探してる。典型的な集合論。ベン図の世界ょ。3ヶ所の共通項から犯人の狙いが浮かび上がるハズ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
万世橋の捜査本部にも顔を出す。
「ルイナはベン図を使うって。ミユリさんの御屋敷とルイナのラボだろ?ルイナはヲタッキーズの顧問でもアルから、強盗の狙いはヲタッキーズじゃナイかな」
「ウチの移動指揮車はどうなるの?」
「あの指揮車(CP)、この前は何処にいた?」
ラギィ警部に尋ねる。彼女とは、彼女が前任地で"新橋鮫"とか呼ばれてた頃からの付き合いで、何でも気軽に聞ける。
「メイナのシェアハウス」
「連行した?」
「ヲタッキーズがね」
メイナを"逮捕"したのは、エアリ&マリレだ。
「じゃ移動指揮車の中には、メイナの家で押収したモノとかがあったんじゃナイか?」
「YES。でも、ハンソが演説してる古いビデオだけだけど。SNSでとっくに拡散されてる奴」
「ソンなコト、強盗は知らないからな」
ラギィは、腕組みしてつぶやく。
「狙いはハンソの動画なの?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
続いて最高検察庁ミクス次長検事殿のオフィス。
「案の定、ハンソはWTOの名簿を出し渋ってる。メイナの方がよっぽどマトモょ。彼女は、ヲタクだけど筋は通っている。とりあえず、反WTOのサイトから19人のWTO会員を特定出来た。で、会員企業の会社概要ナンだけど…この会社ナンか、中国の工場労働者の半分は子供ょ」
「メイナが見てた映像は見た?」
「10回は見たけど、大勢の頭の向こうに演説するハンソが写ってるだけ」
とてつもなく退屈な画像らしい。
「仮に爆破犯と強盗が同一犯だとしたら、証拠を消すために画像を狙ってルンじゃナイかな。大事なコトは写ってナイとは知らズに」
「でも、そもそも爆破犯と強盗は同一人物なの?爆破犯は素人だけど、強盗は明らかにプロの仕事ょ。爆破犯と強盗は別人じゃナイかしら」
「WTOのメンバーが、その事実を明かされるのを嫌ったのカモしれない」
ミクスは、僕の顔を見ながら長々と溜め息をつく。
学生時代に何度も見て来た光景だ。あの頃僕達は…
「1番損をスルのは誰かしら。ソレがワカラナイ。シンプソンのパラドックスだわ」
「え。洋モノ2次元?」
「アニメじゃないの。エドワード・シンプソン。大相撲でも場所で区切れば、勝率が高い力士はいる。でも、場所を考慮せズに平均を出すと、別の強い力士が浮上スル」
ミクスは、お相撲が好きナンだ。
「だからって、一概に力士として強いってワケじゃない」
「(何逝ってンだかワカンナイな昔からw)つまり…見えるトコロから当たれってコト?」
「で、見えてる人物と言えば誰?ハンソでしょ」
最近見ないな、林センセ←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
再び駅直結の超高級タワマン。
「ソンな理由で私のトコロに来たのか?最高検察庁の次長検事って割とヒマなんだな」
「"新世界秩序"ナンてムダな仕事をしてナイ分、悪人と向き合う時間がアルのょ。で、ハンソさん。貴方、ビデオの流出が怖いのね?会議では何があったの?」
「ソレは会員しか知り得ない情報だ。検事も高い会費を払って会員にならないか?」
よせば良いのにミクスをからかうハンソw
「OK。じゃ誰かに聞くわ」
「他のメンバーに聞くつもりか?」
「協力しないなら、WTOの家宅捜査も出来る。国税にも声をかければ行政の効率化にもナルわ」
「ふん。WTOの本部はモンテカルロだ。膨大な時間がかかるぞ」
ミクスは、顔色1つ変えない。
「素敵。久しぶりだわ、モンテ」
「それまでに爆破犯が見つかると良いがな」
「誰かの自供が先かしら」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一方"潜り酒場"では。
「平気で御屋敷を荒らすナンて信じられナイわ」
「人間の心は何でも正当化出来るのょ」
「あら。ドストエフスキー?」
強盗が散らかした御屋敷を掃除するヲタッキーズ。つまりミユリさんとエアリ&マリレ。変身してないが全員メイド服。
「私もそーなのかな。軽犯罪ょ罰金で済んだし。あの彼氏とはとっくに別れたわ」
「よくあるコトですょね…だったら、余計テリィたんに隠すコトなかったのに」
「アキバに来る前の話まで?全てを話すナンて無理よ」
彼女は…実は原始太陽系のプラズマ生命だったりスルw
「血塗られた超古代の話ょ。全て面白いコトばかりでもなかったし」
「でも、ソレを決めるのはテリィたんでしょ。あ、もう自分の御屋敷のオープンなんですけど。行かなきゃ」
「あ。エアリ、ズルい」
マリレの文句に耳を貸さズお出掛けするエアリ。
「大げさに騒ぎ過ぎなのょテリィ様は」
マリレは、黙ってミユリさんを見つめる。
「…OK。私が悪いのね」
ニッコリ微笑むマリレ。
「そうね。大したコトじゃなくても話せばよかった。確かにテリィ様はオープンで何も隠さないわ。御家族の問題や個人的な悩みもウルサイくらいに話してくださる。そうょねエアリが正しい。助かったわ。2人と話せてよかった。マリレ、ありがと」
お出掛けするミユリさん。見送るマリレ。
「はいはい。お任せを。後は私が片付けます」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌日は快晴。良く冷えた朝だ。
レジスタオブヒストリックプレイス。歴史登録財って感じ?
"神田川倶楽部"には赤いテープが張られ、規制されてる。
で、その規制線をくぐり爆発現場に潜入スル太めのメイドw
「スゴい。大爆発だったのね…」
ハリポタに出てきそうな重厚な会議室だが、今では本棚は倒れ椅子が散乱しガラスの破片が…肩を叩かれ悲鳴を上げる!
「きゃあああっ!」
「落ち着いて!ヲタッキーズょ。何もしないから」
「私、2つ目の隠しカメラを回収に来たの。私は証人ょ!SATOの保護を求めます!私を守って」
倒れた本棚の後ろからカメラを差し出す。
「やっぱり?任せて。貴女が何とブログに描こうがヲタッキーズは貴女を(ホントは証拠のカメラをw)守る!」
その瞬間、神田リバーの対岸から狙撃!最後に1枚残ってた窓ガラスを割って飛び込んだ銃弾がメイナの耳をかすめるw
「ひぇぇ!」
「対岸からの狙撃ょ!」
「窓から離れて!」
窓の左右に分かれるエアリ&マリレ…の背中にメイナw
「スナイパーは何処?」
「実は、WTOはフリーメーソンで、新人類であるヲタクの抹殺を図ってるの!今"0th インパクト"が発動…」
「ウルサイ!」
エアリ&マリレが異口同音。マリレがガムを噛み、散乱してる角材とガラスの破片をガムでつなぎ対岸の様子を伺う。
「万世橋のタモト、肉の万世ビル5Fにラッパ型の銃口が見える。対スーパーヒロイン用の音波ライフルだわ」
「5Fはインバウンド向けのSKIYAKIフロアだけど、コロナ期間中は閉鎖のハズょ!」←
「国産黒毛和牛の?」
詳しいなw
「"0"で撃ち返す。その間に"太め"を連れて逃げて」
「私"メイナ"だけど」
「3, 2, 1…move!」
エアリが音波銃を抜き対岸に向け連射!マリレがメイナを引きずり…ってどっちが引きずってンだか不明だが飛び出す!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「お2人様ですか?」
「ヲタッキーズょ!狙撃された!テロリストを見なかった?」
「先ず指の消毒をお願いしま…」
回転鮨なら自動なのに今どきレトロに出て来て接客しようとスル店員を突き飛ばして5Fに駆け上がるヲタッキーズと…
「反逆は決して栄えず!」
ドタバタとマリレの背中を追って来るメイナ。3人共メイド服ナンだけど、やはり3人目の彼女だけが明らかに異質←
「首相銃撃だけど、現場近くに逃走用のセダンが用意されてた。車の直ぐ横にはバケツとスポンジ。もちろん証拠を消すためょ。首相銃撃と同時に習志野の第1空挺が蜂起、クーデターを…いつかは…この国…目を醒ますと…ゼェゼェ。何で5Fまで階段?マックの日比谷口店じゃあるまいし」
シーッと唇に指を当てるメイナ。
「OK。一気にカタをつけるわよっ!」
「ダメ。貴女は怪我しそうだからココにいて。太めはタマが当たる確率が高いから」
「確かに。説得力アルぅ」
ナゼか安堵し階段にヘナヘナ座り込むメイナ。音波銃を抜き5Fドアの左右に張り付くエアリ&マリレ。息を合わせ突入!
ん?窓際に三脚?センサー付きの自動ライフルが載ってるw
「リモコン狙撃銃?コレなら無線操作で秋葉原の何処からでも私達を狙撃出来るわ…あ!気をつけて!」
「大丈夫ょ。この窓から私が落ちるハズないでしょ?」
「私が突き落としそうなの」←
ズカズカ入って来てマリレの皮肉をスルーするメイナ。
「ヲタッキーズ、犯人にマンマと騙されちゃったわね」
「ううん。誘い出されたのょ。この自動ライフルは陽動作戦だわ」
「えっ?」
銃口の先の"神田川倶楽部"を指差すエアリ。
「陽動作戦?…あ。私の隠しカメラ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「隠しカメラが無くなってるわ!」
"神田川倶楽部"会議室に戻って絶叫するメイナ。
「ヤラレタ。お利口な犯人ね」
「犯人が写ってた映像をロストした」
「…そうでもナイの」
会議室の壁は天井まで本棚になってるけど、上の方の本を取るためのハシゴをスルスルと登るメイナ。パンツ丸見えだw
「多分、コレが1番よく撮れてる。角度も良いし、カメラも頑丈な奴なの」
ハシゴの上から、エアリにカメラを投げる。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
捜査本部に戻ってビデオを再生する。
「スゴい。モーションセンサー付きのビデオカメラ?高かったでしょ?」
「まぁね。はい、今、見てるのは事件前夜の映像ょ」
「あ。ハゲ頭の大入道が入って来た!女…なの?」
画像下の日付が正午を回る頃、突然ドアが開き、入って来たのは頭ツルツルの大女だ。"女入道1"と命名。
忍び込んでるにしてはヤタラ堂々としてる"女入道1"は、サイドテーブルの白いクロスの下に何かを隠す。
「あらぁ爆弾だわ。完璧なる証拠画像ゲットね。こりゃ検察は大喜びょ」
「人相もバッチリ。コレなら顔認証にかけられる。データベースの照合にかかる時間は?」
「照合の必要ナイわ。ちょっといい?」
オペレーターをどかしてPCをいじるメイナ←
直ぐにオドロオドロしいブログが立ち上がる。
「"腐女子同盟ジェラ・ジョズのブログ"?ほとんどパソコン通信の世界観ナンだけど、まーさか貴女のお友達?」
「一般人とピーマンを恨んでるイカれた女ょ」
「ピーマンがダメなの?大きくなれないぞ。ヤキトリを挟んで食べると美味しいらしいわ。特にカシラとか」←
ソンな食べ方、アリかょw
「"WORLD WAR ON 腐女子"?…"大腐女子戦争"ってノリ?まぁ"パンピーの横暴"ですって。意外に当たってるカモ」
「ダメょ!ヲタク全体の評判まで悪くしてる。ジョズは、業界の嫌われ者ナンだから」
「業界って?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「え。ムーンライトセレナーダー?姉様、今回は気合いが入ってますね。前話では変身スラしなかったのに」
「ウルサイわょエアリ。ちょっち想うトコロあって…テリィ様は?御一緒じゃなかったの?」
「テリィたんなら元カノと一緒death」
思いっ切り毒を吐くエアリ。後で覚えてろw
「キャハハハ…」
東秋葉原にある"逆キャバ"。つまりホストクラブなんだけど"デブ専"だ。あ、ホストじゃなくて客がデブ←
実は"腐女子同盟"の溜まり場で"女入道1"が痩せたギャルソンを侍らせて、今からお出掛けするトコロだw
「ジョズ、これからどーするの?」
「飲み過ぎたわ。あっちの処理もしなきゃ」
「タップリとね」
腰をなでられて喜ぶ痩せたギャルソン。その時!
「ヲタッキーズょ!動くな!」
「両手を上げて!両手ょ!」
「くそっ!やっちまえ!」
ムーンライトセレナーダーを先頭にエアリ&マリレが飛び出し音波銃を抜いて威嚇する。
すると"女入道1"をかばって"女入道2"と"3"が痩せギャルソンを盾にとって発砲w
拳銃と音波銃の銃撃戦だ。そのスキに裏口に回るムーンライトセレナーダー。
音波銃を構え暗闇の中を進むが、突然、背後から掴まれ壁に叩きつけられるw
「このパワーは…貴女も覚醒したスーパーヒロインね?」
「そーゆーアンタは、ムーンライトセレナーダーか?新コスプレだからわかンなかったょ。アンタの弱点ならエリスから聞いてる。喰らえっ!」
「いやん!」
強力な腹パンチ。片膝つくムーンライトセレナーダー。さらに胃袋直撃の重いパンチを喰って両膝をつく。大ピンチだw
その時!
「お前は誰だ?猫耳だと?」
「…」
「ぎゃあああっ!」
空手チョップの袈裟斬りでドサッと倒れる"女入道1"w
「誰?…私を助けてくれた?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
またも推しが腹パンチに敗北した夜、僕はラボで…
「テリィたん。ソンなコト大した話しじゃナイって。元カノ会の会長である私が言うンだから間違いナイわ」
「スピアは、そーゆーカモしれないが、そーじゃ無いカモしれないし」
「そもそもテリィたんの元カノは、腐女子にコスプレイヤー、メイド各種が1ダースぐらいいて、みんなサブカル女ばかりでしょ?ソッチの方が不気味ょ」
そーゆースピアもサブカルとツッコミたくなるのを賢明に堪え、ミユリさんの元カレ問題を掘り下げようとしたら…
「テリィたん。ラギィから連絡があったけど、万世橋の鑑識によれば、ジョズのアパートは爆発物の残渣だらけだったって。ついでに500万円の小切手も見つかった」
車椅子の超天才ルイナが教えてくれる。
「なーんだ報酬をもらって爆破した闇バイトなの?まさかフィリピン経由?政治絡みじゃなかったンだ。何処かで"ルフィ"が"女入道1"をリモートで操ったンだね。こりゃ万世橋の仕事だ」
「ソレが"女入道1"は"blood type BLUE"、ソレもスーパーヒロインに覚醒した異次元人だったって。ソレでさっきSATO経由で私達に正式に合同捜査のリクエストが来た。ソレからさっき…ムーンライトセレナーダー、猫耳ヒロインの腹パンチで敗北したから」
「ええっ。メイド服にレオタードの新コスプレでも敗北か。どーせ敗北スルならヘソ出しセパレートの元のコスプレに戻すよう作者に話してみよう」←
いや。も少しメイド服+レオタードで逝こう(作者w)。
「で、姉様が敗北した現場には潜在指紋が2組残ってた。1組は"女入道1"のモノだけど、もう1組は誰の指紋かワカラナイ」
「犯罪系データベースではヒット無し?ミユリさんを救ったとなるとヒロイン系のデータベースが怪しいぞ」
「あのね。指紋はヒトの特定だけじゃなく、そのヒトが何に触ったかも教えてくれるの。誰かマッチをお待ち?」
ルイナの問いかけに即マッチが飛んで来る。国家的超天才であるルイナには、常に特殊部隊の護衛がついているのだ。
「脱離エレクトロスプレー。イオン化ょ。どんな物質も一定の熱が加わると、スペクトル線を放射スル。例えば、花火はそれぞれ固有の色やパターンを持ってる。クロゼットは金や銀の星。カムロは破裂の後で赤い糸を引く。指紋のついた物質も、特定の色や温度で萌やせば、アセテート、水銀、水など独特の化学特性を示す。つまり、指紋を分光計にかけて環境保護庁のローカルデータと比較して、化学的に一致する地域を特定出来れば…」
「ミユリさんの窮地を救ったスーパーヒロインの住んでるアパートとかわかるワケ?」
「テリィたん、良く出来ました」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同時刻。ムーンライトセレナーダーは、万世橋で自分を助けたスーパーヒロインのモンタージュ写真を合成中だ。
「も少し頬骨を高く出来ます?ソレからカチューシャじゃなくて猫耳でお願いします」
「こんな感じ…でしょうか」
「姉様。ジョズだけど、蔵前橋重刑務所にいた頃の仲間を集めてたらしいです…ちょっと!無闇に触らない!」
モンタージュ室に、やたらキョロキョロするメイナの首根っこを摘みながらエアリが入って来る。
「ココは陰謀論者にとってはワンダーランド。少しは大目に見てあげてクスクス」
「はい…そのモンタージュが姉様を、じゃなかった、ジョズを倒した猫耳スーパーヒロインですか?」
「も少し痩せてて目も落ち窪んでたカモ」
みんなでモンタージュを覗き込む。
「ジョズは、抗議活動で会うと、いつも喧嘩ばかり吹っかけて来たわ。奴の動画を撮りたかったけど、撮る勇気がなかったの…あら?ナンてコト?」
「どーゆーコト?」
「ムーンライトセレナーダー。貴女は"美空ひばり"に助けられたのね?!」
全員がズッコケル…と、鬼の形相で振り向くメイナ。
「何がおかしいの?ひばりさんは死んでない。ヒトラーと結婚して北極の秘密基地で暮らしてる。少しは"夕刊ブジ"を読みなさい!」
「そ、そうね。確かに似てるわ…誰かに」←
「でしょでしょ?」
うれしそうにうなずくメイナ。ドヤ顔←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
夜明け前。僕は"潜り酒場"に漂着。
「おかえりなさいませ、テリィ様」
「ミユリさん。散々だったらしいね。この時間だと貸切らしいな」
「テリィ様、仲直りしたいのです」
メイド服で小首を傾げる。ミユリさんの得意技←
「僕は怒ってないょ」
すると、ミユリさんはカウンターから古い日記帳を出す。
「私がプラズマ生命体だった頃からつけてる日記です。ヲタク女子に換算スルと13才頃から描き始めました。テリィ様に私の全てを知ってもらいたくて」
「え。ミユリさんの日記なんて読めないょ」
「でも私、もうテリィ様に隠しゴトは2度と…あ」
キスで口を塞ぐ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
翌朝。昨夜も一睡もしなかった捜査本部は、同じく徹夜明けのルイナとアプリを介してリモート会議。
「ラギィ警部、起きてる?コレは、容疑者の指紋から見つけた物質のリストょ。その特徴はユニークで、特定の地域にしか見られない。街路樹、ニ酸化硫黄の濃度、土壌のペーハー値、その他から特定スルと…東秋葉原の和泉パークだわ」
「ルイナ、ニトロメタンも検出されてるけど?」
「YES。農薬や爆弾の製造に広く使われている有機化合物だけど…今回はモチロン爆弾製造に携わった形跡だと思う」
ラギィは腕組み。
「じゃジョズの雇い主も爆薬をいじってた?」
「私もそう思ったけど"神田川倶楽部"から出た爆発の痕跡とは一致しない。一致したのは、おかしなコトにメタノールだけ」
「メタノール?レースカーの燃料?」
RQ経験のあるエアリが割り込む。
「確かハンソは、草レースをやってるとファイルにあったけど、まさか自分の会議を吹っ飛ばすとも思えないわ」
「待って。"神田川倶楽部"の3D構造図があったっけ?スピア、出せる?」
「モチロン。即ハッキング出来ちゃうけど、どーしたの?マリレ」
マリレは、1945年の陥落寸前のベルリンからタイムマシンでアキバに脱出して来た時間ナヂスだ。あ、国防軍だけどw
「私、戦闘工兵だったんだけど、爆発パターンが見たいの…先ず"爆弾1"が会議室のサイドテーブルで爆発、倶楽部の中の人間を外へ追い出す…続く"爆弾2"は、梁に直結スル主要な柱の1本を爆砕。さらに"爆弾3"と"4"で残りの2本の柱を破壊してる…この爆破犯は、明らかに"神田川倶楽部"を崩壊させようとしてます。恐らく解体して更地化しやすいように爆破したンだと思う」
ラギィ警部は、パチンと指を鳴らす。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「最上階の工事を急がせろ。竣工遅れで億の金が吹っ飛ぶ」
中央通り沿いのタワマン建設現場から、ヘルメット姿の男達に囲まれ、設計図片手に出て来たハンソに声をかける。
「ハンソさん」
「万世橋?アポを取ってくれ。忙しいんだ」
「でしょうね」
設計図から目を離さないハンソ。その設計図の上に、もう1枚別の設計図を重ねるラギィ警部。
「万世橋警察署ょ。他のみなさんは外してくれる?」
ソレゾレ何かヤマしいコトでもアルのか、蜘蛛の子を散らすように消えるヘルメット姿の男達w
「見て。"秋葉原歴史建築物保存協会"から取り寄せた図面ナンだけど」
「何だソレ?ウマいのか?」
「笑える。貴方が協会に提出した設計図を見つけたわ。あと非営利団体を装ったシンガポールのオフショア口座もね。貴方は3年前に"神田川倶楽部"のビルを保存対象から外そうと画策したけど却下されてるわね?」
明らかに動揺するブレド・ハンソWTO議長。
「い、い、陰謀論サイトの見過ぎだ!」
「跡地に高層タワマンでも建てれば、軽く300億か、400億ぐらいは儲かる。でも、歴史建造物に指定されてたから1度は諦めたけど、蛇のように執念深くこだわり、爆破スル手を思いついた…という絵かしら?」
「証拠もないくせに!」
ラギィは手にしたタブレットに画像を出す。
「このツーショットでどう?」
禿頭の"女入道1"と密談中のハンソの画像だ。場所は、神田リバー沿いの何処かだ。佐久間河岸かな。
「手を後ろに」
後手にブレド・ハンソに手錠をかけるラギィ警部。
その模様もまた、ビデオカメラで撮影されているw
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
付近の雑居ビルの屋上に三脚を立て隠し撮り中のメイナw
「どう?良い絵が撮れた?」
「もぉバッチリょ。今年の"陰謀論者が選ぶベスト10"入り確実だわ。陰謀論のピュリツァー賞ナンだけど」
「ところで、あの証拠画像は誰が撮ったの?」
一緒にいるヲタッキーズのエアリが問う。
「神田リバーにネス湖の恐竜が出るらしいの。残念どけど、恐竜ネタはスクープ出来なかったけど、代わりに…」
大事にビデオカメラを仕舞いながら微笑むメイナ。
「その彼、慰めてあげてょ。あの画像のおかげで、多分ハンソは終身刑だわ」
「ソレより、首相銃殺について、貴女達ヲタッキーズの意見を聞きたいの。ねぇウチのゴールドメンバーにならない?」
顔を見合わせ慌てて首を振るエアリ&マリレ。
「何ょ。やっぱりバカにしてるのね!でも、WTOの会員はヤッパリ悪党だったでしょ?」
「でも、大相撲とWTOは関係なかったわ」
「あら?誰がソンなコト言ったの?見てて」
思わずマジ顔になるエアリ&マリレ。
「待ってょ。大相撲、誰が優勝スルか知ってるの?」
「さぁどーかしら。キーワードは大鵬々。そして逆転」
「ねぇ…何なの?」
ウレしそうに口にチャックするメイナ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
秋葉原UDXのペデストリアンデッキ。
「やっとゲームセットね…私、ラッツを怒らせた?私達、このテラスで良く話したょね色んなコト」
上目遣いに僕の背中を撫でる…検察庁ミクス次長検事殿。
「この先、どうなるかわからない。ただ、いつもソバにいて欲しい(都合の良い元カノとしてw)」
「いるわ(いつか今カノに返り咲く!)」←
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「首相銃撃について、ヲタッキーズの内部で言い争ったそうだけど」
「そうなのょルイナ。エアリの主張には根拠がナイの」
「ルイナ。マリレのおとぎ話に気をつけて」
ラボを訪れたエアリ&マリレを歓迎するルイナ&スピア。
「あの時、私は"マチガイダ・サンドウィッチズ"でニュースを聞いたの」
スピアが、白い布に覆われた台を持って来る。布を取ると…首相銃撃事件のジオラマだ。弾道に赤い糸が張られている。
ドン引きするヲタッキーズw
「私達は、県警が極秘に唱えている"魔法の銃弾"説に不満で、独自に調査するコトにしたワケ」
「やっぱりフリーメーソンによる計画的犯行だったの?」
「いいえ。だって、単独犯でしょ?」
しゃがみ込んでジオラマに見入るエアリ&マリレ。かなり真剣な様子で、早くも意見を戦わせているw
「仲間内でも意見が分かれるの。ダンテがジリラの顔面を殴ってジ・エンド。連中とはソレきりで口も聞いてナイわ」
ルイナの言葉を聞き、顔を見合わせるエアリ&マリレ。
ジオラマに白い布をかけ、仲良く肩を組みラボを出る。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
SATO司令部の会議室。WTOの画像が流れる。
「"今は試練の時だ。金融危機やウォール街の暴落。不安定な中東情勢。気候変動がどんな猛威を振るうかもわかりません。だからこそ、私は…"」
僕は、猫耳をした人影に話しかける。
「僕の"推し"を救ってくれた。礼を逝うょ」
「アレが仕事だとは思ってナイわ。ただ、スーパーヒロインが敗北スルのを見るのがしのびなかっただけ」
「今回、人生補完委員会から請け負った仕事は何?」
猫耳の人影は振り向く。
「この映像の中に補完委員会の委員が写ってないかの確認ょ」
「それで?」
「問題ナシ」
内心安堵しながら平気なフリ。
「で、ヲタッキーズへの発砲は?」
「脅して悪かったけど、もともと当てる気はなかった。私達は味方同士でしょ?こーしてSATO司令部にも入れる…でもね、ラッツ。もう少し頻繁に盗聴器を掃除した方が良いわ。あと貴方の推しだけど"猫ぱんち"に弱過ぎ」
「移動指揮車の窓だけど、内調が弁償スルのか?」
問いには応えず、微笑み歩き去る猫耳の…エリス。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アキバの摩天楼を見上げる明神下の第1電波ビル屋上。
「素敵な夜景ね」
「そうだね。キスする?」
「どうぞ」
ところが。
「ゴールデンドッグからブービーダック。応答願います」
「この距離なら無線は必要ナイだろ、ルイナ」
「気分ょ気分」
絶妙のタイミングで(ワザとw)割り込む超天才←
「準備は全てGOょ」
「じゃ…」
「待って。カメラカメラ…はい録画してます、テリィ様」
3, 2, 1…
次の瞬間、アキバの闇に屹立スル摩天楼の壁面いっぱいに"アキバ工科大学"の文字が踊る!動く!
「3Dプロジェクションマッピング、大成功だ!」
「撮れた!テリィ様。私、テリィ様が犯した大犯罪の動かぬ証拠の撮影に成功しました!」
「え。ミユリさん、笑えないな。そのカメラ貸してょ!」
口を尖らせイヤイヤするミユリさん。萌え←
「嫌です。私、法を犯す御主人様には推されたくナイわ」
「ミユリさん!僕は本気だ!ミユリさんの日記、UPスルぞ?!」
「いやん、ダメょ。じゃキスして」
お安い御用だ!
「素敵…」
「…どーだ!」
「もっと」
え。
おしまい
今回は、海外ドラマによく登場する"賢人会議"をテーマに、会議議長、会議を妨害する爆弾魔、陰謀論者達、鍵を握るポッチャリ系メイド、禿頭の女入道達、爆弾魔を追う超天才や相棒のハッカー、最高検察庁の次長検事、ヲタッキーズ、敏腕警部などが登場しました。
さらに、主人公とヒロインの仲違いと再生、時節柄、ドッキリ系の卒業イベントなどもサイドストーリー的に描いてみました。
海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、過去最高の死亡者数を更新する中、GW後のコロナ明けが噂される秋葉原に当てはめて展開してみました。
秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。