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あの酔っぱらいから逃れるためにギルドを飛び出し、結局彼がクエストボードをじっくり見られるようになったのは一夜明けてからだった。
何故その日の内に見に行こうとしなかったのかというとその理由は非常に単純。
あの酔っぱらいがいなくなったのを確認できたのが昼に差し掛かった辺りの時間だった。ようやく落ち着いて見れると考えてギルドの中に入ろうとしたのだが、今度はギルド内で喧嘩が発生。
その上どうやら中にいる冒険者の大半を巻き込んだ喧嘩に発展したようで、外にまでその喧騒が聞こえてくるほどだった。
(え~!)そんなものに巻き込まれたくないし、何よりもこのまま入れば顔を覚えられる可能性が非常に高い。
そんな経緯があり、結局昨日は宿を探すだけという結果に終わってしまったのだった。
(まったく初めての町だっていうのに何でこんなグダグダになるんだ・・・)
やっとこさ彼は今、クエストボードの前に立つことができた。そしてボードに貼ってある依頼のほどを確かめてみた。
ゴブリン10以上の討伐(恒常依頼)2000~円 (討伐数により報酬上乗せ)
ゴブリンは繁殖能力が非常に高く、その上、巣を作られるとそれにより変異したゴブリンが発生し非常に危険です。ですので発見しだい討伐をお願いします。その際にこの依頼を受ければ10頭以上討伐した人には報酬をお出しします。ご協力お願いします。 ~ギルドより~
オークの討伐 3000~円 (多ければ多いほどいいぞ!えげつないのでな!)
あー!オークうぜー!マジうぜー!もういいからたくさんオークぶっ殺してきてくれ!オークの死骸が多ければ多いほど報酬を出すぜ!頼む!もううんざりなんだ! ~匿名~
たまおおさがしてください 1000円
たまおどっかいっちゃった。さがしてください ~匿名~
ホーンラビットの角20本の納品 (早めにな!)
ホーンラビットの角を砕いて飲めば髪が生えてくるっていうじゃん?だからありったけ持ってきてくれよ!あればあるほど金は出すぞ!お願いだ~!持ってきてくれ~! ~匿名~
(討伐系多いなぁ。でも犬探しとかあるし、早い者勝ちなんだろうなぁ)
しげしげと依頼を眺め、とりあえず依頼を受けてみようということにした。
なので彼はまず、たまお君(推定)探しの依頼を受けてみることにしたのだった。
依頼を受付に持って行き、依頼内容の確認をしてもらい、依頼を受注した。
受注した際に依頼人の場所を教えてもらい、早速彼は依頼人のいる家へ向かった。
「すんませ~ん。依頼を受けた者ですけど~。誰かいますか~?」
依頼人の家に着き、ドアをノックし声をかけた
「はい、今開けます」幸男の言葉に応じながらドアを開け、依頼人らしき子供の親が出てきて詳細を説明してきた。
ペットのたまおがいなくなってしまった事。どのあたりでいなくなったか等を簡潔に話し、去り際にたまおが着けていたという首輪を渡してきた。
話を聞き終えた彼は、たまおを探すために人気のない裏路地へ入っていった。
そして辺りに人がいないことを確認した彼は自らの体を霧に変化させ、広範囲を一気に探していった。公園内にいることを突き止めた彼はたまおのすぐ後ろで体を再構築し、抱えあげた。
「キュ?」「こらこらやんちゃボウズめ。ご主人が心配してたぞ」
そうして抱えあげたたまおを依頼人の家に届けるために足を運んだ。
「わーありがとー!」たまおを抱き上げた依頼人である子供が、探してきた幸男に笑顔でそう礼を言った。
(やったぜ)報酬の金銭と手作りの焼き菓子と食べ物をもらい、意気揚々とギルドに入って行き、その勢いのまま今度はオーク討伐とやらを受けてみる事にしたのだった。




