表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/30

act-05

「イヴお嬢様、おはようございます」

「……おはようターシャ」

「夕べはあまり眠れなかったのですか?」

「少し夢見が悪かっただけよ。大丈夫」


 いつもの時間、いつものようにアーリーモーニング・ティーを持って起こしに来る専属侍女のターシャは、褐色の髪を頭の高い位置で1つに結んでいる。彼女が動くたびに左右に揺れるその髪は元気な彼女のトレードマークだ。

 彼女はイヴが幼い頃に父親が雇って来た。イヴより2つ年上のターシャは当時から仲の良いお姉さんのような存在である。


「今朝はオリジナルブレンドのたっぷりミルクティーです」

「ふふ。ありがとう」


 ベッドで上半身だけ起こしてターシャからカップを受け取る。

 芳醇な紅茶の薫りをたっぷりと吸い込んでからゆっくりと口を付けると、口のなかに濃厚なミルクと紅茶の渋みが広がった。


 イヴは紅茶を飲みながらふと、バルコニーの方へと視線を投げる。

 昨晩現れた逝聖者(サンタクロース)と名乗る男・ノースと、彼のお目付け役だと言ったシヴァ。彼らに問われ願いを言ったところまでは覚えているが、その後どうなったのか全く分からない。


(鍵までちゃんと閉まってる)


 鍵を掛けて眠りについたはずのバルコニーに続く扉。

 それをどうやってか開け、そして閉じていった彼ら。


(本当に逝聖者(サンタクロース)なのかしら)


 イヴは小さく首を傾げ、カップに残っていた紅茶を一気に飲み干した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ