プロローグ
えっと、どうもです。初めての小説作成なので勝手がわかっておりません。
これから少しずつ学んでいこうかなと思っております。
短い構成になっていますが、どうぞお楽しみください。
カチッカチッと置時計の秒針の音が微かに聞こえる。自分の意識が朝を迎えようとしているのがわかる。しかし、体はまだ眠っていたいようだ。
「眠い…、今何時だろう…。」
とため息交じりに言い、重い瞼を少し開け時計を確認してみる。早朝の五時だ。
起きるには少し早い気もするが、二度寝するわけにもいかないので起きることにした。
軋むベットから降りて大きなあくびをしつつ、部屋のカーテンと窓を開け新鮮な空気を吸い込む。
「ふぅ、いい朝だ。こんな時間に起きちゃうとかお年寄りみたいだけど…。」
そう呟いた後、部屋には新鮮な空気とともに冷たい風が入ってくる。その冷たい風のせいか思わずくしゃみが出てしまった。
「これは風邪ひいちゃうな。下に降りて暖かいもの飲もう。」
窓をゆっくり閉め彼女は部屋をあとにした。
階段を下りてリビングに向かうと、なにやら美味しい香りが漂ってくる。彼女の大好きなお味噌汁の香りだ。心躍らせながらリビングを除くと、すぐに足音に反応しこちらを見る女性がいる。
「あらまぁ~。才華ちゃんじゃないの。お早いお目覚めだこと」
「おはよ~。おばあちゃ~ん。」
「はい。おはようね。」
そうにこやかに答えた女性は、彼女の叔母にあたる女性でる。毎朝食事を作ってくれるのは叔母であり、夕食は叔父が作ってくれている。二人とも料理の腕が高く、叔父に至っては昔料亭で店主として働いていたそうだ。今は二人とも退職しており隠居生活をしており、料亭は弟子に任せたまに顔を出しているようだ。
「おやおや、これはこれは…、美味しそうなお味噌汁の香りだ。それと才華ちゃん、今日は随分と早起きだね。どうしたんだい?」
そう尋ねると才華は「あ、おはよ~。」と答えた後、少し疲れた声で
「なんか目が覚めちゃったんだよね~。」
と言い方を少し落とした。
「なるほど。だから少し元気がないんだね。それにしても、寝起きが悪いのは誰に似たんだろうね。」
「そゆこと。」
「それにしても本当に食欲のそそられる良い香りだ。」
そんなやりとりをリビングのドア付近で話していると
「おはようございます。義和さん。朝食ができるまでまだ時間がかかりそうですが、どうなさいますか。」
「あぁ、おはよう。恵子さん。そうだね、朝の散歩にでも行ってこようかな。才華ちゃんも一緒にどうだい。」
「行く!でも顔洗ってないから待ってて!」
そういって急いで洗面所に行く。後ろからは「そんなに急がなくてもいいよ」と優しく笑う声が聞こえた。急いだからか曲がり角で段差に躓き勢いよく転んでしまった。リビングからは二人の笑い声が響き少し恥ずかしくなる。やってしまった。私。
ささっと一通り準備を行い、既に玄関で待っている叔父の元へ向かう。昔はよく叔父と一緒に散歩をしていたらしいが私は覚えていない。そう覚えていない昔話を頭で思いながら靴を履いていると
「今日はいつもより冷えるねぇ。年寄りには厳しい寒さだ。」
「確かに、ここのところ寒さが増した気がする。おじいちゃん大丈夫?」
と少し心配したが、叔父は「大丈夫だよ。」と答えてくれた。私には時々二人に笑顔がまぶしく見える。でも、暖かく包まれるような笑顔で私は嫌いではない。
玄関の扉を開け一歩外に出ると、室内とはまた違う寒さが襲ってくる。
寒すぎる。ナニコレ。外に出るだけで拷問みたいな寒さとか、部屋に引きこもる人たちの気持ちがわからなくもない。なんて思いながら歩いていると
「いやぁ、懐かしいよ。麗華ちゃんとこうやって散歩するのはいつぶりだろうか。」
一緒に歩いている叔父はそう呟いた。私は「そうなんだ。」とあたかも自分自身のことではない他人事のような返答をした。
「そうだよ。才華ちゃんはいつも私の後をついてきたもんだ。いやぁ、本当に懐かしいなぁ。」
叔父は過去の思い出話を私によく話してくれる。しかし、私はまったく覚えていないのだ。覚えていないというより、思い出せないに近い感覚である。何かに蓋をされているのだろうか。今のところは思い出すつもりがないので問題ない。それより、幼少期から私は自身の親より叔父と叔母のほうが好きだったんだ。ナイスよ、私。
ちなみに、今ともに生活している叔父と叔母は母方であり、父方のほうは二人とも数年前にこの世から去っている。そんな他ごとを考えながら歩いていると
「まだ、思い出せそうにないかい?」
「ん~、そうだね。やっぱり時間が経っても思い出せないや。」
苦笑交じりで答えると叔父はそれ以上は聞いてこなかった。確かに今は思い出す気はないが、それでも思い出そうとしたときはあった。しかし、どう足掻いても思い出せないのである。すぐそこにあるであろう記憶に手が届かない歯がゆさはあまりにも不愉快でありストレスの溜まるものである。恐らく叔父はそれを察して追及はしてこなかったのだろう。心配はしてくれてもこういった配慮をしてくれるところにも二人の魅力はあるのだろう。マジおじいちゃんかっこよす。おばあちゃんかわゆす。
散歩道も折り返し地点になったとき、ふと思い出したかのように叔父は私に質問をしてきた。
「今日から高校生だねぇ。緊張しているかい?」
「いや~、それがまったくしてないんだよね。なんでだろう。」
「才華ちゃんは強い子だねぇ」
そう笑いながら叔父は言った。私もなんだか可笑しくなって笑ってしまった。
緊張はしていない。しかし、これから新たに始まる生活に少し怖がる自分と、これから始まる高校生活に期待している自分がいる。なんとも不思議な感覚ではある。それから二人は特に会話もすることなく残り少ない散歩道を歩んだ。
ちょうど体の熱も引いてきて外が寒いと思い出した頃に我が家に到着した。玄関を開け二人で「ただいま~。」と言って中に入ると、出るときに香った心躍るようなお味噌汁の他に色々な美味しい香りが脳を刺激した。うはぁ~、たまんないよこの香り。食べたい!今すぐに!
「ちょうど出来上がったところですよ。」
「わーーーい!ごっはんーーー!」
「こらこら、才華ちゃん。手を洗ってかじゃないとダメだよ。」
「はーい。」
叔父に言われて渋々洗いに行く。ちょっとくらい汚れてても大丈夫じゃない?いや、大丈夫じゃないな。うん、汚いの良くない。
お¥しい朝食を終えた後、時間を確認した。少し余裕はあるというものの、あまりのんびりはできない。「ご馳走様!」と言い叔母は「はい。お粗末様でした。と軽いキャッチボールをしてリビングを後にした。自室に戻り、羽織っていた上着と寝間着を脱ぎ制服に着替える。
ちょっと胸大きくなったかな。下着きつくなったきたかも。今度サイズ測りに行こっと。
さっと着替えて制服姿の自分を見る。どこにでもいる普通の女子高生だ。「いい感じだな~。ふふっ。」と少し笑っていると玄関のチャイムが鳴った。少し慌てて玄関に向かうと外から声が聞こえた。
「才華ちゃーん!迎えに来たよ!一緒にいこーー!」
「やば、やなぎん来ちゃった。もう少し待っててー!」
「は~や~く~!」
「おはよう。楓ちゃん。」
「あ、才華ちゃんのおばあさん!おはようございます!」
「朝から元気ねぇ~。ふふふっ。もうすぐ来ると思うわ。寒いでしょう。中に入って待ってていいですよ。」
「いえ、構いなく!」
と元気に答えた後、すぐに自室に戻った才華が玄関へと戻ってきた。その姿をみて二人とも「まぁ」と驚いた声を出した。どうした?という顔で首をかしげると
「すっごく似合ってる!才華ちゃん可愛い!」
と目を輝かせながら言い、その横にいた叔母も首を縦に振って頷いていた。
「そうかな?かえでさんも似合っていて可愛いよ。」
そう言い返しながら二人でくすっと笑った。
「ささっ、二人とも時間あまりないんじゃないかしら。早めに家を出ないと、迷ったら大変よ」
伯母がそういうと、二人とも「やばっ!」と少し焦りながら自転車にまたがった。学校までの通学には自転車で行くことを選んだ。電車やバスで行くとなると少し駅から距離がある。それに、自転車通学に少しあこがれていたのもあった。無論好きな人と二人乗りがしてみたいだの、そんな甘酸っぱい青春を夢見ているわけではなく、ただこの愛車であるロードバイクで通学をしてみたかったのである。いや、ロードバイクで通学とかかっこよくね?私はそう思うよ。うん。
そうこうしているうちに時間は流れていく。
「才華ちゃん!早くー!遅刻しちゃうよ!行ってきます!」
「そんな急がなくても大丈夫だよ!行ってくるね!待ってー、やなぎーん!」
と笑いながら家を後にした。
不安はもちろんあるが、何が起こるかわからないこれからの未来に胸を躍らせつつ自転車に乗って高校まで向かうのであった。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
いかがだったでしょうか。まだ、文章の書き方や段落の替え方など初歩的なことができていないように感じた方もいたかもしれませんね。これから頑張っていく所存であります。温かい目で…見てください。
作品中に自転車通学についてそれぞれ意見があるかもしれませんね。
私、別段自転車が好き!というわけではなく、ただ女子高生が制服を着た状態でロードバイクに乗っている姿にかっこいいという感情が…っ! 長くなるのでまた今度にします。
私は電車通学だったため少し自転車通学に憧れている部分はあります。はい。少し…かな…?
そんなことは置いておきましょう。
次回は、才華の学校や友人関係などの話を軸にしたお話にしております。
長々と申し訳ないです。それではまた次回のお話で!