表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ガブリエルの言葉

作者: のぶ

雨、いろの現実と過去の漂着者たちが来る、幻視のウミベ。


――アア、あかるいあかい、あの夜に、

あなたはありえた、あゆみを止めない、あざやかな、秋を。――


彼女は眠っていた。

さあ、起きなさい。まだ、君の涙を見たくはないんだ。

と、オレが呟いた瞬間、彼女は涙の枯れた、その日、まだ救いの間に、ガブリエルが天国の賜物をオレに渡しに来た瞬間だった。


――イーア、イズラエル、イエラノール、イーア

――ウユニ塩湖のウミ辺に美しくも熟れない実が広がっていた。飛び散って、そして薔薇園は砕けた。


ああ、アダマ、アダマはどこに行ったのか?


彼女は起き上がり、オレを抱きしめた。

その楽は零音が少しの萌しでバッハの音楽を調べさせるのだろう。そしてその日は、遠くもなく、近くもなく、


――遠い重力を神が想像されたのです。


と、ガブリエルが彼女と彼に福音を授けた。


彼が遠くもなく、そして近いことを知らないその日々を回想する限り、また、彼女も彼を近くもなく、そして遠いことを知らないその日々をうずたかくかさねた夢の間に、祭壇画の間にガブリエルが説教台に立って、信徒の前で、


「神は貧困を許しません。しかし、貧困をなくす努力を、神はお認めになるのです」


と、信徒の前で説教を行った一瞬に、信徒は旧い楯となり、旧い剣となり、そして旧い夢となった。ああ、悪魔を讃えよ! 偽ガブリエルの悪魔よ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後の豹変がスゴかった。
2017/11/04 12:39 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ