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プライス
歩いた歩いた
夜の住宅街の
外灯に焼かれる虫の羽
静かな静かな
涼しい夏の夜の
誰も声を出さない眠った時
一人夜の散歩
孤独な心の虫の声
夏の夜の街
人のいない静かな荒野の向こうへ
それからそれから
朝日に出でる影の
動き出す流れと止まる僕
両足の両足の
歯車の油が
埃にまみれて止まってゆく
群れた朝の駅
誰が止まって僕を見るだろう
魂の価値は
独りで作れないこの街で
暗い静かな無の夜を越え
光を向き
外の日の歩くべき場所へ
一声
放っただけで
魂の価値は
皆等しくなどなくて
人間の値段は
誰の目の中で作られるんだろう
価値のあるもの
そうでないもの
何が違うんだろう
何が価値だろう