表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーメルンの音楽祭  作者: NiO
プロローグ
5/46

メール ~猫屋敷西の場合~

『猫屋敷 西様。


 ハーメルンの音楽祭へ(・・・・・・・・・・)ようこそ(・・・・)!!


《ルール説明》

 浦野ハイツのそれぞれの部屋に、ミッションを用意しました。

 101号室から102号、103号、201号、202号、203号と。

 順番に、6つの扉を開けてください。

 扉の先で、ミッションが出されますので、それをクリアしていきましょう。

 扉を開けるタイミングは、午後7時00分の1回目を皮切りに。

 2時間毎に訪れます。

 

 203号室のミッションまでクリアすることができたら、7不思議の7つ目の分かる問題が出されるチャンスもありますので、奮ってご参加ください。


 また、皆様にはそれぞれに固有名詞が贈られます。

 更に、それぞれに違った内容の特殊な情報も送付させていただきます。

 こちらもご活用ください。


 クリアの条件は以下の通りです。

 条件:ミッションを正解し続け、”ハーメルンの音楽祭”から抜け出す(すべ)を見つけること。


 それでは皆様全員の御帰還を心よりお祈り申し上げます』


「長いよ!!

 まあ、けれども。

 ふむ。

 ここまでは、ブレーメンと同じ、か」


 猫の少女はメールに突っ込みを入れます。

 ただ、分からない点も、いくつかありました。

 固有名詞。

 それぞれに違った内容の情報。


 ここを見る限りでは、猫の少女の他にも、参加者がいるような書き方です。


 猫の少女がまごまごしていると、再度、メールが届きました。


『あなたの固有名詞は“ お と な ”です。


 貴方だけに伝える情報を、以下に記載させて頂きます。



 ########################################


 小説家になろう 夏ホラー7不思議 裏野ハイツ住宅情報より引用

 http://horror2016.hinaproject.com/teaser/


 夏ホラー2016 ―六箱会談―


 毎年開催しております「夏のホラー」企画に関しまして、今年も7月より開催致します。


 今年は「裏野ハイツ」なる舞台と、そこに住む住人をご用意致しました。

 これらの設定を使用し、暑い夏を涼しく過ごせるお話を書いて頂ければ幸いです。


 なお、今年は上記の舞台を必ず使用しなければならないという縛りはございませんので、

 ご準備頂いていた作品でのご参加も心よりお待ちしております。


 当ティザーサイトでは、「裏野ハイツ」や住人たちの情報をご紹介致します。


 賃貸 裏野ハイツ バス・トイレ別 独立洗面台有り ベランダ有り 駐輪場有り 家賃 4.9万円

 敷金 なし

 交通 最寄り駅まで徒歩7分

 ※徒歩10分圏内にコンビニ・郵便局・コインランドリー有り

 間取り 1LDK(リビング9畳 洋室6畳)

 築年 1986年7月(築30年)

 方位 東

 種別 ハイツ

 構造 木造

 階層 2階建(1階3戸、計6戸)

 備考 全住人、表札等にて名前は出しておりません


【101】号室

 50代男性、会社員

 いつもにこやかに挨拶をしてくる、感じの良い男性。 同居人が居るという話だが、そちらの姿は一切見かけない。


【102】号室

 40代男性、無職

 カーテンは常に閉まっており、外出している様子は見られない。毎年、年末の2日間だけは留守にしているようだ。


【103】号室

 30代夫婦と3歳くらいの男の子

 穏やかそうな夫婦で、ご主人は会社員、奥さんはパートをしている。時々小さな息子さんの姿を見かけるが、大人しい子で普段騒ぐ音が聞こえることはない。


【201】号室

 70代女性、年金暮らし

 気さくな面倒見の良いお婆さんで、ここに住み始めてもう20年は経つそうだ。お孫さんのボロボロの写真を大事に持っているが、家族らしき人が会いに来るのを見たことがない。


【202】号室

 ???

 人の気配はあるのだが、誰かが出入りしている様子はない。201号室のお婆さんは事情を知っているようだが、詳しくは教えてもらえない。


【203】号室

 空室


 公式設定の使用条件

 開示されている物件情報、周辺情報、住人情報の改変(※1)は不可とします。

 設定の改変がなければ ・設定を追加(※2)しても構いません。

 ・設定のすべてを作品内に出す必要はございません。

 ・設定が一つでも用いられていれば、舞台がこのハイツである必要はございません。

 ・設定が一つでも用いられていれば、既存の住人を必ず出す必要はございません。

 ※1 間取りの変更、住人の入れ替え など

 ※2 隠された部屋を作る、オリジナルの住人を出す など


 #######################################


「!!??」


 猫の少女は目を丸くしました。

 メールの意味が、全く理解できなかったからです。


「じょ、情報が多いな!

 それに、なんで私の固有名詞が『おとな』なの!?

 ただのJCなのに!!」


 ひとしきりワイワイ騒いだ彼女でしたが。

 しばらくすると。


「ふむふむ。


 『小説家になろう』っていうのは、多分小説書きが集まる投稿サイト、みたいなものだよね。

 このメールを読む限り、夏の特別編として、ホラーを募集してるんだ。


 ……成程。

 つまり今回は、謎のニッケルパワーで。

 ニッケルさんの書いた小説の世界に連れてこられた、と。

 そしてこの小説(せかい)は、夏ホラー企画を踏襲している、と。

 そういうこと、でしょう。



 これを見る限りでは、私は【202】号室の???(はてな)さんになる……のかな?


 であれば、この文章の皆様。

 つまり、私と共闘することになるのは。


 小説内の人々、すなわち。

 ……この裏野ハイツの住人(・・・・・・・・・・)()なんだろう(・・・・・)


 猫の少女は、一応理解をしました。


 うんうん、と頷いていると。


 それぞれの部屋から。


 ……ぞろぞろと、住人達が出てきたのでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ