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ハーメルンの音楽祭  作者: NiO
エピローグ
44/46

『ふえふき』の壮年

「おっかえりなっさ~い!」


 やたらテンションの高い声に、『ふえふき』の壮年は「ただいま」と、静かに返しました。


「ワタシにする?

 ワタシにする?


 それとも。


 ワ・タ・シ?」


「ご飯にしましょうかね」


「てめえ!

 結構恥ずかしいんだから突っ込めや!」


 自分の言った台詞で真っ赤になる奥さん(・・・)に、壮年は笑いながら答えます。


「裏野ハイツに、行ってきたんですよ……ていうか、なんで色々先に教えてくれなかったんですか?」


 奥さんは、「ああ」と手を打つと、「教えなくてもなんとかなるし、むしろ教えて変に勘ぐっちゃうとダメだろうなあ、と思って」と答えています。


「なるほど。

 ……取り敢えず……もう少し痩せた方が良さそうですので。

 食事を取ったら、ランニング、してきます」


「むふふふふ~」


「……どうしたんですか?」


 気持ちの悪い笑顔をする奥さんに、壮年は口元をひくつかせて問います。


「ねェ、どんな気持ち?

 若かった頃の私に引きニート扱いされて。

 ねェ(・・)()どんな気持ち(・・・・・・)?」


「ははは……惚れ直しましたよ」


「ひえ!?」


 奥さんは驚いています。

 自分が言った「太ってもニートでも、ガリ勉君はガリ勉君」発言は、すっかり忘れていたようです。

 壮年は、なんだか、意地悪がしたい気持ちになったようです。


「……やっぱり、ご飯の前に、西()に、しますかね」


「ひえ!?」


 少年(・・)の言葉に。


 少女(・・)は辛うじて、そう返すのでした。

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