表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーメルンの音楽祭  作者: NiO
エピローグ
43/46

『こども』の老女

 8月某日、縁側にて。


『こども』の老女は、ぼんやりと空を眺めていました。


 死んだつもりだったのですが、何故か、生きて、この世界に舞い戻ってきたようです。

 ……恐らく、『ふえふき』の壮年がいろいろ調整してくれたのでしょう。


 ……どういう理屈でそうなったのかは、解りませんが。


「ばーちゃん、ばーちゃん、見てくれよ~!」


 ふと、隣を見ると。


 老女の孫が、彼女に向かって話しかけていました。


 可愛かった孫は、既に中学生。

 日に日に、在りし日の旦那に似てくる孫を、老女はニコニコと眺めています。


 その手元には、『18歳以下無差別級空手選手権優勝』の賞状がありました。


「ほら、これならもう、じーちゃんより強いだろ!」


「うーん、まだかもねえ」


 老女は、正直に、言いました。


「嘘だよ。

 それ、『思い出補正』ってヤツだ!」


 孫の可愛らしい反論に、老女は思わず噴き出します。


「大体、じーちゃん、なにか賞とか、もらってたの?」


 そう言われると、老女の旦那は、まともな大会などには出ていませんでした。


「じーちゃんは、なんの賞も取っていなかったよ。

 だけどね」


 まあ、それでも、と老女は思います。


「流石のあんたも、『人食いモナリザ(・・・・・・・)とタイマンは(・・・・・・)張れないだろう(・・・・・・・)?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ