表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーメルンの音楽祭  作者: NiO
プロローグ
4/46

ハーメルンの音楽祭へようこそ!!

 あ、そういえばブクマ15を超えました!

 前回のブレーメンは終了時ブクマ15でしたので、とりあえず一安心。


 ブクマ、ポイント、本当に有難う御座います!

 8月某日 某電車内


 猫屋敷西は1人でニマニマしながらスマホを操作していました。

 夏休みの真っ只中に独りで、一体何をしているのでしょう。


「『”身駅”に向かっているけど、質問ある?』と」


 ……どうやら某巨大掲示板のオカスレにスレ立てしているようです。


 あの恐怖の夜をすごした彼女ですが。

 何故か未だに怖い噂を聞けば、体当たり突撃しているようなのです。


小鳥遊東(ガリベン)くんや小犬丸南(クソいぬ)驢馬塚北(ネクラ)ちゃんには悪いけど、こればっかりは止められないんだよねー。

 さてさて、無事にたどり着けるかしらん?」



 彼女が今向かっているのは、この町の7不思議の1つである、『身駅』。

 特殊な乗り継ぎをしたら出現する、幻の駅、のようですね。

 まあ、よくある話でしょう。


「それにしてもウチの町って、7不思議が充実しているねぇ。


 『紅鴉』に『ミサキボッコ』、『目前立札(もめんどうふ)』、『スイムさん』、そして『金次郎舟』……は全部実況したなあ。

 結局どれにも出会えなかったけど」


 なんと。

 他の7不思議にも既に訪れていて、実況済みの様です。

 ……猫の少女は今年中学3年生。

 即ち受験生のはず、ですが。


「最後くらいは当たり、来てくれよー。

 頼むぜ、身駅~」


 猫の少女は胸の前に手を合わせると、信じてもいない神頼みを始めるのでした。


###########################################


「『身駅、着かなかった。

 ざんにゃんですわ』……と」


 少女は何度か乗り継ぎを繰り返し、駅の階段を上り下りなどもしていたようですが。

 身駅には着かなかった様です。


「これで7不思議は6つとも不発かー。


 後は7不思議最後の『金属の笑顔』……。

 ただこれ、意味不明なんだよね。

 多分最後の1つを知ったら命を落とす、的な7不思議のつもりなんだろうけど」


 少女はスマホをいじりながらつまらなさそうに一人語ちます。

 成る程。

 多くの7不思議で周知されているのは6つまで。

 この町の7不思議も例に漏れずに実際の7不思議は6つなのでしょう。

 それらの間に無理矢理、名前だけの詳細不明な7不思議が入っている、という構造でしょうか。


「つまり、実質コンプリートってわけか。

 クソつまんない結果になっちゃったなー。

 ……ま、帰りますか」


 猫の少女は肩をすくめると、自分の立てたスレへのレスをぽつぽつと読み始めました。


「……ん?」




0125 名無しの原子番号28 2016/08/※※ 13:59:49


 >1さんへ

 ○○町7不思議、『金属の笑顔』は『浦野ハイツの202号室』に行けば分かるらしいですよ。


 ttps://***********

 個人情報が書いているので、5分後に削除します。




「ほう!」


 一声上げて、躊躇無くURLを開く猫の少女。

 ウイルスとか怖くないみたいですね。

 少女が開いたその先には。

 ……地図と住所が書かれた、良くあるネットのマップ検索画面がありました。


「浦野ハイツねぇ……。

 場所は……この次の次で降りれば、歩いて7分ってところかな。


 それにしても、嘘臭ぇ。

 どう考えても嘘臭ぇ」


 猫の少女は、そうブツブツ呟きながら、掲示板に書き込みをするのでした。




0126 1ぬこ 2016/08/※※ 14:03:21


 >325

 おk向かう



########################################


 浦野ハイツはかなり年季の入っている古ぼけた建物でした。

 周りをブロック塀で囲まれていて分かりにくくはありましたが。

 中に入ると建物の壁に『浦野ハイツ』と看板のように記載されています。

 建物は、ぱっと見、1階3室の2階建て、計6室でしょうか。


「それにしても……これって、もしかしなくても不法侵入だよね……。

 まあ、今更か」


 猫の少女は法を犯すことに少しだけ怖気づきましたが。

 よく考えたら今まで廃墟とか進入禁止区域なんて何度も行っていた事を思い出したみたいです。 


「202号室だから……2階、だね」 


 少女はまるで勝手知ったる我が家のように、堂々と階段を登っていきました。

 薄っぺらい金属製の階段は一部錆びていて、ギッ、ギッ、と、嫌な音を立てます。




 浦野ハイツ 202号室。




 とりあえず猫の少女は、インターホンを押してみました。


 ブー!と古いタイプのベルが鳴ります。




 ……。





「誰も出てこない、かな?」



 猫の少女は続けて2回インターホンを鳴らした後。



 ……ドアノブに、手を、かけました。



 ガチャリ。


 鍵がかかっていない手応えがして、ドアが開きます。

 そこには……。


 ……誰もいない、ただの部屋、でした。



「……ん、誰もいないや。

 空き部屋なのかな?」


 おじゃましまーす、と虚空に向かって声掛けをした後。

 猫の少女は、ゆっくりと、しかし大胆に、部屋を調べ始めます。

 けれども、『金属の笑顔』に関係しそうな物は何も見つかりません。

 金属と言うことで一応、台所のステンレスの錆なんかをガリガリ落としてみている様ですが。

 苦労してやってみた物の、そこに映っているのは汗まみれになった猫の少女の困り顔くらいしかありません。


 1時間ほどうろうろした猫の少女は、ふむ!と結論付けました。


「よし、騙された!

 んじゃ、帰るか」


 帰るとなったら話は早いです。

 彼女は部屋の外へと出ました。


「202号室、であってるよねぇ」


 最後に部屋の番号をもう一度確認すると大きく溜息をついて、階段をとんとんと降りていきます。


「……浦野ハイツ、ね」


 建物の名前も未練がましく確認して。


 ブロック塀と塀が途切れた隙間……つまり出入り口へスタスタと歩き始めました。


 ガンッ!


「……!?」


 何かにぶつかって、少女はひっくり返ります。


「え、え、え?

 な、なに?」


 立ち上がって出入り口に手を伸ばしますが。

 何かに触れて、先に進めないのです。


 向こうには道路も見えています。

 しかし、まるで見えないガラスの壁があるかのように、外に出られないのです!



「え、え、え……」



 猫の少女が空気の壁をぺたぺたと触っていると。



 ぴろり~ん♪


 と、メールの届く音がしました。


「このイヤらしいタイミングって……。


 おいおい……うそ、でしょ?」


 ひきつった笑顔で携帯を開く猫の少女。


 そこには、久しぶりの。


 ……1年ぶりの(・・・・・)


 絶望の文字が(・・・・・・)ありました(・・・・・)



『猫屋敷 西様。


 ハーメルンの音楽祭へ(・・・・・・・・・・)ようこそ(・・・・)!!』

あ、ちなみに感想の数がブクマの数より多いです。


ブクマをしつつ、感想を書いていないそこの貴方。


……マイノリティーですよ!


急いで感想を書かないと!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ