表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーメルンの音楽祭  作者: NiO
102号室:スイム
16/46

雑談 その2

NiOさん「よーし、2016の締め切りに間に合うように、NiOさんがんばっちゃうぞー!」


読者様「もういい…!もう…休めっ…!休めっ…!」

 時刻は21時過ぎ、場所は【101】号室。


 目をくるくる回して気絶中の猫の少女と。


 すっかりおねむ(・・・)になっている『ねずみ』の小児。


 その2人を除いた3人の会合が、始まっていました。


「えーっと。

 ところで。

 『ふえふき』さんは、なんでそんなにどもっているんですか?」


 『かたりべ』の中年が、いきなりぶっこみます。

 何故か『こども』の老女も面白そうに話を聞いています。


 ……こういうのって、理由とか、あんまりないと思うのですが。

 『ふえふき』の壮年は、ぐ、と一息ついた後。


「……どうでもいい……だろ」


 そう言って。

 ちら、と。

 猫の少女を振り向きました。


「それより『かたりべ』……。

 ……お前……、なんのつもり……だ」


 同じく、『ふえふき』の壮年がぶっこんできました。

 ……ぶっこんだ割には、意味は分かりません。


「何のつもり、と言いますと?

 えーっと、本当に、さっぱりわからないのですが」


 『かたりべ』の中年は、困った感情を滲ませています。


「ま、まあまあ。

 2人とも、落ち着いて」


 2人の間に、『こども』の老女が入ってくる。


「私は落ち着いているつもりですが……。

 『ふえふき』さんが、どうも私が気に入らないみたいで。


 お隣さんだから、何か知らないうちに気に障る事をしていたんですかね?

 理由があるのでしたら、謝りますけど」


「……あ……?

 

 お隣さん……?

 何を言って……」


 2人の会話に対して、手を、ぱんと叩いた老女は。

 少し呆れたように、中年を見て。

 そして、壮年を見ました。


「今はそんなことより、ゴールへの道を何とか切り開くことが先決じゃないのかい?」


「む」


「ぐ」


 老女の一言で、何も言えなくなったのでしょう。

 2人は、押し黙って下を向きました。

 老女は、思い出したように、声をあげました。


「ああそうだ、それで、『ふえふき』のお兄さん。


 ……あなたに渡された情報、教えてもらえる?」


「……断る」


「そこを、なんとか。


 見せてくれないと……嫌いになっちゃうぞ?」


 老女が似合わない、ぶりっ子のような笑顔を見せました。


「……」


 『ふえふき』の壮年は。

 しばらく悩んだようですが。


 老女になら、見せていい、と判断したのでしょう。


「……これ……だ……」


 観念したかのように、メールを見せました。

 その内容に、一同は、息をのみます。





『 ”ふえふき”は。


 登場人物を(・・・・・)



 1人(・・)殺さなくてはならない(・・・・・・・・・・)



 ふーん、と老女が独り言ちます。



「……なるほど、ね。

 これは流石に、皆に見せられないねえ……」


 老女はもう一度、メールを読みなおすと、少しだけ笑います。


「良いよ」


「……」


「いざとなったら、私を殺しな」


「……言うと思……った。

 だから、見せたく……なかった」


 『ふえふき』の壮年の言葉に、『こども』の老女は、壮年の頭をなでることで答えました。

 されるがままに頭をなでられる壮年。

 その光景を、まるで全部分かって(・・・・・・・・・)いるかのように(・・・・・・・)


 『かたりべ』の中年が優しく見守っているのでした。


#########################################



「む、むにゃ?」


「あ、目覚めましたか」


 猫の少女……『おとな』の少女が目覚めたときには、3人の会合は終わっていました。

 

「んー」


 少女は、自分の記憶がない部分を一生懸命補填することにしたようです。


 そして、どうやらスイムさんに助けられたようであることに思い当りました。


「……死にたい」


「大丈夫、大丈夫」


 『こども』の老女が、笑って頭を撫でました。


「気を切り替え……ろ。

 もう、次の部屋に入……るぞ。


 ……小僧……も、起き……ろ」


 『ふえふき』の壮年が、『ねずみ』の小児を足で小突きます。


「『ふえふき』さん。

 一応、子供をそうやって起こすのは、あまりいいことでは……」


「……次は、『身駅』……だな」


 『ふえふき』の壮年は、『かたりべ』の中年のセリフを完全に無視しました。

 中年は、あきらめたようにため息をついた後、部屋の外へと移動するのでした。


 のろのろと103号室の前に移動する面々。


 そんな中で。

 『おとな』の少女は、思わず疑問を投げかけます。


「……あのさあ、オタクくん。


 なんで君(・・・・)順番が分かるの(・・・・・・・)?」



 『ふえふき』の壮年が、その問いに、少しだけ笑いながら、皮肉るように、返します。



「……さあて(・・・)()

 なぜでしょう(・・・・・・)?」



 壮年の背後では。


 |既に103号室の部屋は《・・・・・・・・・》、緑色の扉へと(・・・・・・)姿を変えて(・・・・・)いたのでした(・・・・・・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ