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ラル


ラル、女、魔術師。


 私の前では嘘が吐けない――なんてことを、この時点での私は疑うこともなく信じていたのだから、まったく呆れる話だ。

 錠戒(じょうかい)に所属していたけれど、私自身には信仰心がない。どちらかといえば、狩人として生きるついで、のようなものだった。唐突に現れたイヅナを思い出すのには時間を要したし、私をあっさりと気絶させて運んだ手際に警戒もした。

 結果的に、私は助けられたのだろう。

 後になって調べたのだ。これでも私は、現場百回なんて古臭い方法で情報を集める狩人である。時間はかけたが、それでも情報は集まった。

 ――馬鹿げている。

 発生した事件というのは、いわば結果の出ている残滓だ。時間の経過と共に鮮度は低くなるけれど、出ている結果が覆ることは、決して、ない。

 それをほぼリアルタイムで察知し、状況を動かし、場を収めたやつらがいる。それを知り、何よりも。

 イヅナが、そちら側にいることを、私は怖く思った。

 怖いものに対して、どうすればいい? ――簡単だ。

 理解してやればいい。それが人ならば、話せばいいのだ。



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