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ハジマリの場、オワリの所―人物紹介・用語―  作者: 雨天紅雨
■2008年~2026年
6/88

名無しの少女


女、例外。


 僕には名前がない。だから好き勝手に呼ばせている。

 2026年に終わった僕だけれど、果たしてこの時期だとわかっていたのかと問われれば、僕は肯定しよう。僕は世界における小さな亀裂を、上手い具合に修理するよう動いていて、その動きそのものが、僕の消失に繋がったのだから、大局を見ればこれは自殺にも似たようなものだ。

 二十年には、至らなかったね。

 まあとにかく動いたよ。僕は、僕が持っているものを誰かに渡し続けて、ずっと動き続けていたようなものだ。

 ん? どうして約束に拘っていたのか?

 拘っていたんじゃあないさ。約束ってものがあれば、僕の〝自由〟に楔が打てる。つまり、約束があれば、それを果たそうと動けるってだけのことだ。僕にとってはね。

 だから僕の出番はここで終わりだ。これ自体は間違いがない。あとは彼ら次第ってところか。無数の手を打ってきたけれど、それがどうなのかも、わからないままだ。

 僕は、厳密には魔法師じゃない。

 魔術師であることも、放棄した。

 けれど、人間と呼ばれるには歪である。

 であればだ、世界法則がそれを許すわけもないと、結局はそこに尽きる。

 いい人生だったよ、過不足なくね。

 間違いなく、この時期は楽しかった。それだけで、なんというか満足だ。



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